40年以上経営トップ…スズキ鈴木修会長退任へ…決めたのは1月 地元・浜松市民は「経済界の市長」

25日午前8時ごろ―

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Q.退任についてはいつから決めていた? 今月に入ってから?

スズキ 鈴木修会長:「1月に入ってから」

Q.俊宏社長の5年間の経営手腕はどう評価?

スズキ 鈴木修会長:「まあまあだと思います。若手の経営者の協力をいただければ、チームスズキとしてやっていくことが保証されていますからね。大丈夫だと思います」

報道陣の取材に応じたのは、スズキの鈴木修会長。

6月の株主総会で会長退任、相談役に

画像: 6月の株主総会で会長退任、相談役に

昨夜、オンラインで開かれた会見で、会長を退任することが発表されました。

スズキ 鈴木修会長:「役員体制を一新して、後進に道を譲ることを決めました」

Q.健康に不安ある? 元気?

スズキ 鈴木修会長:「去年、ゴルフを47回やりまして、ピンピンしています。ご安心ください」

 現在、91歳の鈴木修会長。昭和、平成、令和と3つの時代にわたり、40年以上経営トップを務めてきました。6月の株主総会で会長から退任し、相談役に就任するということです。

破格の47万円 「初代アルト」が大ヒット

鈴木修会長は、1978年に社長に就任。国内外で軽自動車の市場を開拓してきました。1979年に発売された「初代アルト」。今ではスズキの代名詞ともいえるコストカットを徹底し、当時としては破格の47万円で売り出され、大ヒット。

画像1: 破格の47万円 「初代アルト」が大ヒット

 そのときを振り返って修会長は―

スズキ 鈴木修会長(2015年):「(発表会で)47万円ですと言った時の感動というか、跳ね返ってくる感動というのは強い」

Q.会長の人生の中でも?

スズキ 鈴木修会長:「最高、ああいう感激というのは二度とないんじゃないのかな」

 1980年代にはインドに進出。スズキを現地でシェアトップに押し上げました。

そして2016年、新たなパートナーに選んだのが―

画像2: 破格の47万円 「初代アルト」が大ヒット

トヨタ 豊田章男社長:「厳しいグローバル競争を生き抜くとともに、革新技術で未来を切り開くことが求められている今、最も必要なのが『やらまいか精神』だと思います」

 自動車最大手のトヨタでした。業務提携に向けた交渉開始を発表すると、おととしには資本提携に至ります。

画像3: 破格の47万円 「初代アルト」が大ヒット

Q.トップは続けますか?

スズキ 鈴木修会長(2015年1月):「(会長を)続ける、続ける。もう20年、30年続けますよ、死ぬ暇がない」

 半世紀近くにわたって会社の成長をけん引してきた、カリスマ経営者である鈴木修会長。24日の会見でも、記者からこんな指摘が―

Q. 鈴木修会長は大変なカリスマで、いなくなること自体リスクという見方もあるが、どのように考えている?

スズキ 鈴木俊宏社長:「退任したあとも相談役として、私はじめ、役員の相談を受けてくれるという立場で残るので、その辺はしっかり、今までもいろいろ指導してもらったし、それについて変わることはないと思っている」

その経営手腕は、独自の哲学に基づくものでした。

スズキ 鈴木修会長(2015年):「需要予測というのは、これよっぽど当たらない。当たるも八卦、当たらぬも八卦というけど、なぜかというと、それは評論家の計算。理論上で出た数字なんですよ。あとは人間がこれがいい、これを売らなきゃならない、そういう強い意思をもって行動したら、売れるんですよ」

静岡県内の政財界に存在感

 鈴木修会長が存在感を示してきたのは自社の経営にとどまりません。県内の政財界においても、絶大でした。その影響力が表面化してきたのが選挙です。前回の知事選では川勝知事が直接、3選出馬の意思を表明。鈴木修会長は過去3回にわたって川勝平太知事を支援してきました。

画像1: 静岡県内の政財界に存在感

会長退任の一方に、川勝知事は―

Q.鈴木修会長が退任を発表されました
静岡県 川勝平太知事(24日):「あの人は生涯現役です…」 

画像2: 静岡県内の政財界に存在感

 スズキのお膝元である浜松市長選では、2007年に現市長の鈴木康友氏を擁立。自らが担ぎ出した、北脇前市長を退場させました。

 現在、進められている市の行政区再編には、鈴木修会長の強い意向が働いています。

Q.行政区再編に関してどのような関わりをもっていく?

浜松市 鈴木康友市長:「スズキの会長はよく物事を理解していると思いますし、民主主義は手続きが大変重要であるとご理解いただいておりますので、今後とも議会と二人三脚でしっかり取り組んでいきたいと思っています。防潮堤も会長がいなければ実現をしなかった大事業ですし、まだまだ地元のために頑張っていただければなと思っている」

街では

60代男女
女性「びっくりした。『えー やめられるんですか』という感じ。高齢だったが、ずっとそういう事を感じさせない人だったので」

Q.鈴木会長はどんな存在?

男性:「神ではないが、いて当たり前の人、経済界の市長ですよね」

40代女性:「世代交代というか、若い世代に変えていく。今の時代の流れに沿っていくという感じなんですかね」

60代男性:「もう高齢だから、そろそろかなという雰囲気だった。ある意味、浜松をけん引した人なので、がんばったんじゃないんでしょうか」
Q.相談役として残ることについては
60代男性:「どの程度の影響力とか、社長・会社の今後の方針次第だと思うが、いい形ではないかと私は思う」