【リニア新幹線】大井川流域の市町長が静岡県とJR東海との対話に参加し調整に加わるよう国に要望書を提出
「積極的に静岡県とJR東海との対話への参加や調整に関わるなど、課題解決に向けて議論がさらに進むよう、より強い指導力を発揮してくださることをお願い申し上げます」
20日島田市の染谷絹代市長らが国土交通省を訪れ、
上原淳鉄道局長にリニア中央新幹線工事に関する要望書を手渡しました。
国土交通省 上原淳鉄道局長:
「皆様方からの要請を踏まえて、私としても地域の皆様方の不安や懸念を払しょくできるように全力を尽くしてまいりたい」
そもそも、なぜ大井川流域のトップらが国交省に要望書を渡したのでしょうか。
流域市町と静岡県との温度差が浮き彫りに
2027年の品川‐名古屋間の開通が難しい状況となっているリニア中央新幹線。
その背景の1つにあるのが工事によって水が減る可能性があるといういわゆる“大井川の水問題”です。
そこで“打開策の1つ”としてJR東海が提案したのが「田代ダム案」。
東京電力のグループ会社が管理している田代ダムでは
大井川から山梨県側に水を流し、毎秒4.99tの水を発電に使っています。
JR東海が東京電力側に補償をする代わりに、リニア工事で静岡県外に流れ出た水と同じ量をダムで使う水の量を減らして相殺しようというのが「田代ダム案」です。
この案に大井川流域のトップたちは・・・
島田市・染谷絹代市長 3月27日:
「田代ダム取水抑制案については、ほぼ全員が了解した。少し待ったといったのは県だけだった」
一方、県は…。
O森貴志副知事 3月27日:
「会員全てがそろっていないので会員全ての意思表示も示されていない。つきましては、会員の意見を事務局で取りまとめてJR東海に文書で照会する。その案で調整した上で回答をいただいて進めていきたい」
最終的には、条件付きで県も田代ダム案を進めることを了承しましたが、大井川流域と県との温度差が浮き彫りとなりました。
20日何が話し合われたのか
そうした中で行われた要望書の提出。
その後、非公開で交わされた大井川流域のトップと国交省の鉄道局長らとの意見交換では、何が話し合われたのでしょうか…。
島田市 染谷絹代市長 20日:
「不確実性の問題はどこまでいってもゼロにはできない。課題もある中で、相互のつなぎ役として国の助言に期待をしているということが流域全てがひとつにまとまった気持ちだった」
国交省に、県とJR東海との協議への直接的な関与を求めたといいます。
藤枝市 北村正平市長 20日:
「我々の一番の要望は、国が色々な面で関与していただくこと、これが大変大きなプロジェクトだけに重要」
牧之原市 杉本基久雄市長 20日:
「(国の)有識者会議と我々と話をする。それから県の専門部会と我々と話をする。話の温度差というか内容に齟齬(そご)がある」
要望書の提出は、県には伝えてあったのでしょうか…
Q県に相談はしましたか?
島田市 染谷絹代市長 20日:
「県にもきちっと話をして相談というか、私どもはそういう要望をするということは、、県にも理解をいただいて出している」
そして、難波市長は
一方で、21日島田市役所には静岡市の難波市長の姿が。
静岡市 難波喬司市長 染谷市長と対面
難波「こんにちは!」
染谷「ようこそ島田市においでくださいました。」
話題はきのうの要望書に…。
島田市 染谷市長:
「きのうは東京に行って…」
静岡市 難波市長:
「見ましたよ。色々と報道されてましたね」
会談後、難波市長は…。
静岡市 難波市長:
「同じ流域なので、流域の中で丁寧に連携して、いろいろ率直に話をしましょうという話をした」
Q.大井川利水関係協議会入りの話はしましたか?
静岡市 難波市長:
「協議会に入るという話もあるが、協議会に入りたいということではなくて、協議会はこちらが作られているので、判断はこちらなので、流域が一体となって色々丁寧に連携しながら率直な意見交換をしましょうという話だった」
大井川流域の市町などでつくる「大井川利水関係協議会」に入ることを模索している静岡市。
今後のリニア問題を語る上で、川勝知事の右腕だった難波市長の動向にも、目が離せなくなりそうです。