静岡県は昨年4658人の転出超過で全国ワースト8位…一方、政府も重視する子育て支援であの港町では転入超過 実際の移住者の声は?
「焼津市にあるこちらの施設にはこどもたちが木のおもちゃを使って遊んでいてとても楽しそうです」
人口約13万7000人の港町が注目
絵本やおもちゃで遊べる焼津市の子育て支援施設「ターントクルこども館」。
連日多くの親子連れが訪れています。
焼津市民:
「子どもも楽しめるし、大人もすごく楽しめるおもちゃもたくさんあるので、幅広い世代が楽しめる良いところだと思う」
焼津市民 30代(子ども1才):
「小さい子を自由に遊ばせられるので、安心して来られる」
人口およそ13万7000人の港町が今、注目されています。
総務省によりますと、去年、静岡県から県外などに転出した人は、転入してきた人を4658人上回る転出超過であることが分かりました。
人口が流出していることを表していて、これは全国ワースト8位。
県内35の市と町のうち、2つの政令市を含む23の市と町で転出超過となっていて、転出者は前の年と比べ680人も増えています。
焼津市の人口が増加。その要因は?
県内で転入者の数が、転出者を上回ったのは焼津市や袋井市、島田市など12の市と町で、その中で最も増えたのが焼津市です。
焼津市 行政経営部 石原隆弘部長:
「我々の方で様々な取り組みをしておりますけれどもそれが評価されたという風に感じております。一生懸命我々がやってきたことがしっかり伝わっているということで非常に嬉しく思っている」
その取り組みの一つが、防災です。
東日本大震災以降、港町・焼津は、津波の警戒感からか、人口流出が続いていました。
そのため、市では海岸線におよそ5キロにわたる防潮堤を整備。
沿岸部には津波避難タワーを次々と設置したり、有事の際の拠点となる市役所を建て替えたりするなど、災害に強い街をアピールしてきました。
市は子育て支援も強化
そしてもう一つが子育て支援です。
焼津市役所 行政経営部 石原隆弘部長:
「子供たちが落ち着いて勉強できるような環境を順次整備をしている」
学校の耐震化を始め医療面でも2017年から18歳までの子どもの医療費を無料に。
保育料も第2子は半額、第3子は無償にしました。
全国でも屈指の返礼品数を誇るふるさと納税の寄付金を「ターントクルこども館」といった子育て支援施設の整備に活用。
オープンからわずか2年で焼津での子育てには欠かせない施設の一つになっています。
ターントクルこども館 堀内千穂館長:
「うちの館が転入してきた方にとって、(焼津市を)選んだことに魅力を感じていただけたら大変ありがたい」
市は転入者が増えている具体的な理由は「分らない」としていますが、少なくともここ5年のうち4年は、こうした施策の成果が数字に表れています。
焼津市民:
「(焼津市は)子育て支援もそうだし、こういう施設も大きい公園もたくさんあるので、子どもを一緒に育てていく上では結構良い街だと思う」
Q焼津市の住みやすいところは?
焼津市民:
「公園やスーパーが多いので、遠くに行かなくてもいろいろなことが済むので生活しやすい」
移住者の声は
こちらの寺本あやさんは去年、京都から移住してきました。
京都市からの転入者 寺本あやさん(40代):
「焼津がほどよく田舎で便利で、街並みもすごく素敵だったので(転入を)決めた」
寺本さんは3人の小学生の息子を持つ5人家族。
子育てしやすい環境に満足しています。
京都市からの転入者 寺本あやさん:
「子どもたちが住みやすい街だなと思っていて、公園がきれいで、医療費無料ということと、小学校の先生たちもすごく優しい方、子どもたちのことをしっかり考えてくれてくださる先生が多いので素敵だなと思う」
焼津市役所 行政経営部 石原隆弘部長:
「若い人もそうですし全ての年代の方に「焼津は住み良い街だよ」と言っていただけるように我々も一生懸命やっていきたいなと思っている」