激戦の現場 静岡5区 自民入り目指し無所属で立候補…かつての『民主党のプリンス』細野豪志氏の選挙戦

細野豪志氏は、選挙戦の第一声で、こう明言しました。

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激戦の現場 静岡5区 自民入り目指し無所属で立候補…かつての『民主党のプリンス』細野豪志氏の選挙戦

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無所属・前 細野豪志氏(演説)
「安全保障に万全を期す国家を作りたい。そのために自民党入りが必要だ。ご理解いただけませんか、皆さん(拍手)。政治生命をかけた、最大の決戦である」

かつて『民主党のプリンス』と呼ばれた細野氏。今回はただひとり、無所属での戦いです。

選挙となれば、以前は応援で全国を飛び回る日々でしたが、今回は地元に張り付いての「ドブ板選挙」を展開しました。

無所属・前 細野豪志氏
「非常に厳しい選挙です。負けたら政治生命終わります」

現在は、二階派の「特別会員」という立場で、自民党入りを目指しています。これまでであれば考えられない、支援者へのこんな呼び掛けも…。

無所属・前 細野豪志氏(演説 19日夜 富士市)
「比例区では公明党と書いていただけませんでしょうか」  

細野氏の行動は、「変節」という批判も浴びましたが、選挙戦が始まれば、各地に「細野党」といわれる熱心な支援者たちが集まりました。「負けたら政界引退」という宣言も、陣営の引き締めにつながったようです。

無所属・前 細野豪志氏(演説)
「野党で長くやってきて、自民党入りを目指すということは、これは並大抵のことではない。しかし、政治家としてまだやり残したことがあるんですよ。それをやらせてもらえませんか?皆さんいかがでしょうか?」(拍手)

聴衆「がんばれ」

批判されるほど固まる結束

細野氏が批判されればされるほど、支援者たちの結束は固まっていきました。 男性「あんたが自民党に行こうが共産党に行こうが、俺はどんなことがあっても応援する」

細野氏「ありがとうございます」

男性「大差で勝たなきゃだめだで。今度(自民党)公認とるんだから」

無所属・前 細野豪志氏
「無所属で厳しい、いろいろな風当たりも含めて厳しい批判もあるっていうことを皆さんよくわかっているので、それを乗り越えようと一緒に戦っていただいている方が多い」

ただ、細野氏から離れていった支持者も少なくありません。

細野氏が女性に詰め寄られるシーンも…。

女性「全部裏切られたじゃないですか。私たちがどういう思いでずっと応援してきたと思います?」
細野氏「でも自衛隊は必要ですから」
女性「それはわかりますけど、それはどうでもやりようがあるでしょ」
細野氏「共産党は自衛隊を認めていない」
女性「共産党の話じゃないんです、あなたの人間性を疑っているんです」
細野氏「安全保障で、共産党と組むのは私はどうしてもできないんです」
女性「いや、だって公明党とは組んでるじゃないですか。公明党と反対のこともやってるじゃないですか。みんな考えが違ってそれを合わせてうまくやっていくのが政治でしょ?」
細野「それは私の考えで選んだんです」
女性「そうでしょ、それはあなたの考えでしょ。それが私は裏切られたって言ってるの。もうずーっと応援してきたんだから」

細野氏は、このとき出来事を別の日に演説で語っていました。

無所属・前 細野豪志氏(演説 27日)
「その女性は私が野党を離れて与党に行くということについて、どうしても納得できなかった。比較的メンタルが強い私もですね、ちょっとがっくりきました。ただ、やっぱりこういう声にも丁寧に答えていかないといけない」

自民・吉川赳氏は「正統な自民党公認候補」を強調

画像: 吉川赳氏

吉川赳氏

一方、自民党・岸田派の吉川赳氏。自分こそが「正統な自民党公認候補」であると主張し続けました。

自民・前職 吉川赳氏(19日 三島市)
「自民党の正統な議席を皆様と共に守れるのかが、私のこの戦いに課せられた使命。何がなんでも負けられないんです」

支援組織や業界団体を挙げた総力戦で挑んだ吉川氏の陣営。

自民党の福田達夫総務会長は、細野氏を次のようにけん制しました。

自民党 福田達夫総務会長
「選挙が終わって、我々の公認でないが勝ったら、その方を自民党に入れる。そんな約束はしたことありません。無所属の方が、どんなに背が高くたって、どんなにかっこよくたって、どんなに仕事ができると威張ったって、仕事にならない。皆さんには返らないんです」

細野氏「圧倒的勝利」を誓う

 そして、選挙戦最終日の昨夜。細野氏の地元・三島市の演説会場には大勢の支持者たちが待っていました。

細野氏は最後の訴えで、吉川氏の比例復活を許さない「圧倒的勝利」を誓いました。

無所属・前 細野豪志氏(最後のお願い)
「国家の最前線に立った、国の屋台骨を支えて、政策実現をし、事をなすために、私をカムバックさせていただけないでしょうか。簡単にはいかないかもしれない。しかし、あの選挙があったから、細野豪志はカムバックした。あの厳しい厳しい逆風の選挙、奇跡を起こして乗り越えたから、細野豪志は国政の中枢に戻ってきた。それだけの結果を必ず出します。どうぞ細野豪志に力を貸していただきたい」