【参院選 記者解説】それぞれの勝因と敗因 今後の県内選挙への影響は 静岡選挙区
根方ゆき乃記者:よろしくお願いします。
石田アナ:まずはそれぞれの勝因・敗因についてどうみていますか?
若林氏の勝因
根方記者:若林さんの勝因は自民党の組織力です。もともと自民党は静岡選挙区で常に1議席を確保してきました。去年の補選で敗れているだけに、自民党としても絶対に落とせない選挙と位置づけ、大物議員を次々投入するなど、組織戦を展開しました。
政党支持別の出口調査の集計ですが、若林さんは自民党の6割以上、連立を組む公明党を5割固める結果となりました。若林さん自身も補選以降、1日も休まず県内を回り、支持基盤を固めたことがトップ当選につながりました。
平山氏の勝因
石田アナ:無所属の平山さんの勝因は?
根方記者:平山さんは元キャスターで、今回の候補者の中では1番知名度があると言っていい存在です。このデータで注目されるのが、平山さんが自民・公明のおよそ2割を獲得しているということです。
関係者によると、平山さんは自民党の関係団体や地方議員へも支援のお願いに回っていたということです。
また、首班指名選挙で自民党総裁に投票するなど国会では自民寄りと指摘される行動をとっていることも与党支持層の一部に食い込んだ要因と言えます。
石田アナ:このデータを見ると、立憲の支持層もかなり獲得していますね。
根方記者:今回の選挙で野党勢力は一致団結することができませんでした。隠れ自民と批判する声もありますが、しがらみのない無所属を貫くと訴え続けたことで、受け皿を失った立憲などの野党支持層を取り込んだ結果だと思う。
山崎氏の敗因
石田アナ:逆に山崎さんは野党の層も固めきれなかったという結果でしたね。
根方記者:山崎氏の敗因はこちらです。去年の補選に勝った後、浮上した女性問題が最後まで響きました。これによって立憲の推薦を得られなかっただけでなく、最も頼りにしていた川勝知事の支援も受けられませんでした。
陣営の中には川勝知事のサプライズ支援を期待する声もありましたが、川勝知事は早々に誰の応援もしないと言い切りました。
頼みの綱を失ったことで、山崎さんは今回、地元・浜松市ですら、トップをとることができず3番手。これには、国民民主党県連の幹部も「完敗」だと話していました。
今後の県内選挙への影響は?
石田アナ:この結果が今後県内の政界に与える影響はあるのでしょうか?
根方記者:今回、足並みのそろわなかった野党勢力が再結集できるのかどうかがポイントです。来年の統一地方選までに、その課題が解決できないようであれば、ますます野党は存在感を失うと言えます。