【参院選の争点】(3)物価高騰の現状を嘆く切実な声 苦悩する弁当店が始めた子ども支援 シングルマザーの母娘は目標に向かって…
苦悩する弁当店が子ども支援
【参院選の争点】(3)物価高騰の現状を嘆く切実な声 苦悩する弁当店が始めた子ども支援 シングルマザーの母娘は目標に向かって…
Q:店のイチオシメニューは何?
渡辺大輔オーナー:「いま揚げている唐揚げになります」
揚げたての唐揚げが人気の「ブリボ☆キッチン」。沼津市内にある弁当店です。
この店にも値上げラッシュの波が押し寄せています。
ブリボ☆キッチン 渡辺大輔オーナー:「鶏肉も2倍になり、油もだいぶ上がっている。全部が上がっている。大打撃以外の何物でもない。値段上げるのだけは…とずっとやってきたが今月に入ってから値上げをした」
苦渋の決断…。今月から全ての商品の価格を50円から100円値上げし、仕入れにも工夫を凝らしています。
渡辺大輔オーナー:「これ全部鶏肉。これ全部鶏肉で大量に買わないと安く買えないので。まとめ買いしておいてあります。本当だったら外に置きたくないがもう置く場所がないので」
これまで鶏肉は1週間ごとに10キロほどを仕入れていましたが、上がり続ける価格に1年分をまとめ買いしています。さらに鶏肉だけでなく、油も1年分をまとめ買い。あの手この手で値上げラッシュを乗り越えようとしていますが、厳しい経営状況が続いています。
Q:店の売り上げや利益の状況は?
渡辺大輔オーナー:「ここでオープンして去年が(月に)100万円届くかくらいで来ていて、下がっていて、今年入ってより一層。50万円台、40万円台。人を雇って物を仕入れてというと、とてもじゃないけどずっと赤字」
そんな厳しい状況でも、今年からある取り組みを始めました。
Q:これは誰のお弁当?
女性スタッフ:「お子様の無料弁当。お子様においしいものを食べて笑顔になっていただきたいという社長の意向でお弁当を作っている」

物価高騰で打撃を受ける子育て世帯を支えるのがねらいで、1月から始めました。
この日も…。
女性スタッフ:「はい、りんくんどうぞ」
子ども:「ありがとう」
親:「助かる。うれしい」
渡辺大輔オーナー:「どうせマイナスだったら一緒かなと、半分開き直りが入った感じでやっている。困ったときは助け合うというところじゃないですかね」
そんな弁当店が政治に求めること…。
渡辺大輔オーナー:「リーダーとなる人間が、本当に下の下の下の困っている人たちをみてくれるような世の中になっていただけるとと思う」
シングルマザーと娘の目標は…
家計をひっ迫する食料品の値上げラッシュ。切実な声を上げるのが、沼津市内で中学3年生の長女と暮らすシングルマザーの村田久子さん(49)です。
新型コロナの影響で2020年5月、派遣切りに。その後始めた仕事も、半導体不足の影響を受け、半年で再び派遣切りに…。去年9月からは生活保護を受給しています。
村田久子さん:「安いものがあればと見に来た」
Q:狙いは安いもの?
久子さん:「夏バテ防止にお肉を食べさせてあげたくていいものがないかなと」
Q:お肉食べたい?
倖来さん:「食べたいです」
夕方には、長女の倖来(ゆきな)さんと近所のスーパーへ行くのが日課です。
*野菜見切り品コーナー
倖来さん:「買っとく?」
久子さん:「買っとく~」
値下げされた野菜を2人で吟味…。

*格安のラック
倖来さん:「63円ならいいよね」
久子さん:「いやあもう高いですね。本当に。大根とかも好きだけど…ちょっと。157円かあ~」
半額に値引きされた63円の水菜と33円のもやしをかごに。さらに肉コーナーでは…。
*肉売り場
倖来さん:「あ、安い肉ある」
久子さん:「(2割引き手に取り選ぶ様子見せて)買っておいて冷凍しておこっか」
Q:目的の肉コーナーだがいかが?
久子さん:「ちょっと手羽元が安いので唐揚げに変更しようかなと。できるだけ質と量、両方というのでちょっと思い切って」
新たに派遣の仕事を始めましたが、毎月手元にはお札が残るかどうか。不安と隣り合わせの日々を過ごしています。
久子さん:「(食費を)一番削っている。この子の受験に向けてしてあげたいこともあるのでそういうのを考えると、 一番最初に考えるのは食費。あと光熱費は節約しながら」
この日買ったのは、野菜や鶏肉など合わせて915円です。
久子さん:「半額の水菜と、半額の豆もやしと普通のもやしと、これも見切りのまいたけと鶏肉の大型パック。お買い得品」
スーパーの次に向かったのは、ドラッグストアです。
久子さん:「ぬか漬けの素。これおいしいやつなんですけどこれが半額だったので」
Q:回るの2店舗目だが…
久子さん:「実はまだ行くときは、週末に時間がある時はもうちょっと回って。下手すると4件、5件くらい回って冷凍できるものは冷凍して」
食費を切り詰めるのは、ある目標のため。
倖来さん:「獣医になりたいと思っていて。そういうのを学ぶなら農業高校とかどうかなと話していて。そのために勉強とかも頑張っていて…」
久子さん:「食費を削ってでもやらせてあげて、将来お金がないからやらせてあげられなかったってならないようにというのが一番。娘の目標は私の目標でもあるので」
長引くコロナ禍で生活が厳しくなった人を直撃する物価の高騰。問題は想像以上に深刻です。
久子さん:「もっと子育てでこれから手当もなくなる家庭を見てほしいと強く思う。やりたくてがんばっている子への支援を望んでいる。本当に…」
倖来さん:「自分の好きなことを一度はやってみたいので、そういったサポートが実現できるならほしいなと…」