茶葉生産、静岡県が50年以上続いた首位から陥落の危機…新型コロナの影響
茶葉の需要が減少
静岡の茶葉を販売して50年の「まるか勝山商店」。正月にむけて需要の大きな山場を迎える時期ですが、いま、県内の茶業界は苦境に立たされています。
まるか勝山商店 勝山高代表取締役:「新茶時期の(販売の)機会ロス、売り上げの低迷を秋以降挽回しようと思っても、それを上回る数字が出てこないのが現状」
新型コロナの影響で、海外や県外からの観光客が減ったことで、土産物や贈答品向けの茶葉の需要が減ったことが最大の理由です。
JA静岡経済連によりますと、今年は1番茶の平均卸価格が1キロ当たり1760円と、去年より100円ほど下がり、過去30年で最も安くなっています。
勝山高代表取締役:「これから秋の需要期に向けて、精いっぱい売っていけるであろうという状況の中で在庫を抱えている」
需要の先細り見越して生産縮小
さらに県内の今年の茶葉生産量は、需要の先細りを見越して茶農家が生産を縮小したため、前の年と比べて1580トン余り減り、過去50年間で最少となったことがわかりました。(一番茶:今年9420t/。去年1万1000t 二番茶:今年6100t/去年7616t) 生産量トップに君臨し続けてきた静岡が、初めて首位陥落となる可能性が出ています。
「お茶の炭酸割り」 お茶の新たな楽しみ方を模索
根方ゆき乃記者:「静岡駅の地下広場。すでにお茶のいい香りがここまで届いている…。ここには50種類の静岡県産の茶葉が並んでいる」
静岡駅北口の地下広場で、先週から始まったしずチカ茶店「一茶」。静岡市などが始めた取り組みで、お茶の新たな楽しみ方を発信しています。
しずチカ茶店一茶 山梨惠津子さん:「新しい試みということで、炭酸割を試みてみようと」
なんと、お茶の炭酸割り。ラインナップは、静岡県産のほうじ茶、和紅茶、フルーツ緑茶の3種類です。
根方記者が試飲しました。
「香りは甘いフルーツの香り。桃のような…、緑茶のような不思議な…、でも食事にも合いそう」
静岡市の客:「炭酸のほうじ茶。(飲んで)…うん、炭酸」
東京の客:「すごいおいしい。やっぱり違う、入っているお茶が」
静岡市広報課 福地剛参事:「ステイホームが終わり、街でお茶を飲もうという取り組みがお茶の消費に少しでもつながればと考えている」
ウィズコロナの時代を乗り切るため、茶業界は模索を続けながらも、茶どころ静岡のお茶パワーに期待を寄せています。