膠着状態続くリニアへの対応は…26日告示の静岡市長選 山田氏・難波氏・鈴木氏それぞれの主張

 新人による三つ巴の公算が大きくなっている静岡市長選が26日告示されます。県とJR東海の間で膠着状態が続く「リニア事業」について、それぞれの主張を聞きました。

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膠着状態続くリニアへの対応は…26日告示の静岡市長選 山田氏・難波氏・鈴木氏それぞれの主張

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山田誠氏

画像: 山田誠氏

Q.きょうイメージ違いますね
山田誠氏:「野球連盟の帽子なのよ」

24日朝、静岡市駿河区の草薙球場に姿を現したのは、元県議の山田誠氏です。静岡市野球連盟の顧問を務める山田氏。中学軟式野球の全国大会が開催されているこの会場で、関係者ひとりひとりに声をかけて回りました。

 今月5日には、山田氏は清水区に続いて葵区に事務所を開きました。自民党の県議や市議の姿はなかったものの、200人以上の支援者が応援に駆け付けました。今回、政党からの推薦は受けていませんが、これまで自民推薦候補を支持してきたJA静岡市の推薦を得ています。

山田誠氏(24日):「私自身が今まで活動してきたことを評価していただき、皆さんがそれに期待していることがあって、推薦をいただけたと思う。その分仕事でしっかり応えなければいけない。いよいよあさって告示を迎えるという中では、とにかく必ず勝つ」

 選挙期間中は、街頭演説や集会に加えてSNSの発信にも力を入れる考えです。

山田誠氏(2月24日)
「リニア新幹線まだ通っていない。これを推進するのが、私の1つの考え。静岡にもっと人が降りてもらわなきゃならない。そのためにはリニアを通すことで、逆に静岡にのぞみも止められるようにしようよと。あるいはひかりも全部止めるようにしようよと。そうなれば静岡の認知度も上がる」

 今回、市長選の争点の1つになるとみられるのが「リニア新幹線事業について」。山田氏は「環境への影響は慎重に検討すべき」とした上で、〝推進”の立場を示しています。

山田誠氏:「推進するのは静岡市のメリットを考えて推進するということ。水を確保することや環境を守ること、これは大事にしなくてはならない」

難波喬司氏

画像: 難波喬司氏

 先週、このリニア事業について同じく〝推進”の立場を明言したのが、元副知事の難波喬司氏です。

難波喬司氏(17日):「沿線自治体のほとんどが賛成して、すでに事業が行われている段階。市や県のトップとしてリニア事業について個人の価値判断で行政判断を歪めてはだめで、行政判断はリニア事業の推進に協力すべき」

 17日、2回目の政策発表会見で「リニア事業推進」の立場を示した難波氏。

先週開かれた集会でも…。

市民からの質問(17日):「よく仕事で東名阪に行く。関係者と話をする中で静岡から来たというとまず笑われる。当然リニアのこと」

難波喬司氏「私自身は今まで工事を遅らせるために頑張ってきたのではない。大井川の水が減るのだったら、減らないようにしてください、南アルプスの自然環境に影響が出るのだったら影響が出るか出ないかはっきりさせてくださいと言っているだけ」

 さらに、こんな質問も…。
Q.このあと2人の方から飲みに行こうという誘いが同時に来た。1人は川勝さん(知事)、もう1人は田辺さん(市長)、同時に誘いがあったらどうする?

難波喬司氏「誠に難しい質問で。まず、川勝知事から誘われることはないので、その質問は成立しないのが答え。8年間いて1対1で飲んだのは1度もないと思う。ご一緒したのは田辺さんの方が多い。従って田辺さんを選択すると思う」

 自民・公明・立憲・国民からの推薦を受け、与野党相乗りの候補となった難波氏。

 また、JA静岡市が山田氏の支援を決めた一方で、JAしみずは難波氏の支援に回るという対応が分かれる異例の状況です。

難波喬司氏(17日):「いろんな方とお話をさせていただき、本当に課題がいっぱいあることが分かり、それに対して、私ができることはたくさんあると確信してきたので、しっかり結果を出して、必ず皆さんのお役に立ちたいという気持ちが非常に強くなってきている」

鈴木千佳氏

画像1: 鈴木千佳氏

 一方、事業に唯一〝反対”の立場を示しているのが、共産党の鈴木千佳氏です。

鈴木千佳氏(7日):「リニアについては見直し・中止を求めている。新幹線の4倍の電力を使って大都市間の移動時間を短縮するという事業が、いまの気候危機の中でそれを打開しようといったときに、ふさわしい事業なのか。時代に合わないのではないかと」

 投票日まで1カ月を切った今月7日、立候補を表明した共産党の鈴木氏。リニアについては「見直し・中止」を求めています。

 21日には葵区で街頭演説を行い、選挙の争点を一言で表現しました。

鈴木千佳氏(21日):「今度の市長選の争点ははっきりしているのではないのでしょうか。3期12年続いた田辺自民党市政、この継続を許すのか、それとも転換するのか」

鈴木千佳氏(21日):「コロナ禍でリモートワークが増えている中で必要な事業なのか。南アルプスの自然を壊して災害も生み出しかねない。そういう事業が必要なのかと」

 街頭演説や少人数の集会を重ねてきた鈴木氏。これまで度々国政選挙にも出馬した経験を生かし、市内をくまなく回りながら支援を呼びかけていく考えです。

画像2: 鈴木千佳氏

 選挙戦の幕開けまであと2日。静岡市長選は4月9日に投開票が行われます