4月9日統一地方選②浜松市長選 浜松市の新たなリーダーは人口減少問題にどう取り組むのか
浜松市の人口のピークは2008年のおよそ81万人。そこから右肩下がりになり、おととしには78万人台に。この15年間で2万6千人以上減りました。10代後半の転出傾向が目立っています。
さらに、市が行った調査ではこのまま人口減少が続くと、2040年には70万人を下回り、2060年には50万人台にまで減少するという推計も出ています。
人口問題を研究する静岡文化芸術大学の船戸修一教授は要因を次のように分析します。
静岡文化芸術大学 船戸修一教授:
「主に高校を卒業して、大学進学をひとつきっかけに出る人が多いかなという印象がある」
そして、このまま人口減少が進んでいくことで私たちの生活にも影響が出てくると指摘します。
静岡文化芸術大学 船戸修一教授:
「人が減ることで公共サービスが縮小される傾向がある。小学校中学校が統合・廃校になってしまうと、より一層子育て世代が住まなくなり、より一層人口減少に拍車がかかってしまう」
現在浜松市では人口減少対策として、「やらまいか総合戦略」を実施。ベンチャー企業の誘致や、創業支援窓口を設置するなど、働く世代に向けた取り組みのほか、子育て世代への支援にも力を入れているとしています。
ただ、市民からは保育や物価高による不安の声が聞かれます。
3歳児の親:
「仕事を始めてどこか無認可のところに入れてからじゃないと、認可のところに入れないみたいで、中々(仕事に)復帰したいけどできない状況」
高校生になる子を持つ親:
「(物価高で)食費がかかると高校のお金も必要なのに、食費にもお金かかると思うと、毎月きついと思う」
浜松市によりますと、おととしの消費者物価指数は100.2と、2年ぶりに上昇に転じ、10年前と比較してみると5%程度上昇。
家計への負担が大きくなっていることがわかります。
新たな浜松のリーダーは複雑な課題にどう対じしていくのでしょうか。
候補者2人の主張
9日に投開票を控える浜松市長選挙には、いずれも無所属・新人で自民党・公明党推薦の総務省元官僚、中野祐介氏(52)と共産党推薦で市民団体代表の嶋田博氏(74)が立候補しています。
中野氏は「地方創生」をテーマに多方面での改革を訴えます。
中野祐介氏:
「「地方創生」これは街・人・仕事の創生。街と人と仕事を元気にしていく。とりわけ少子化に対抗していくには、子ども、子育てこれを地域で、浜松市全体で支えていかなければいけない。子ども子育て世代をしっかり支えるそんな体制を組みたい。」
一方、嶋田氏は、0歳から2歳児までの保育園料の無料化など、子育て世代への応援に重点を置くとしています。
嶋田博氏:
「子ども産んでも大丈夫、やっていけるなという、そういう安心感の後押しをしていく。保育士さんを増やす人件費を市が手厚く支援することで、子どもさんも親も安心だという市政にしたい」
浜松市長選挙は9日投開票です。