県の中小企業支援がパンク…予算8億円に初日10億円の申請 情報漏えいも…事業者名や銀行口座など閲覧可能に /今週の静岡
ところが…。
『申請受付がパンク』
静岡県経営支援課 平山伸一課長:「(先月28日の)午前10時から補助金の受け付けを開始して、始まってから皆さん申請をいただいて、午前11時半前後には予算枠8億円に到達したという状況。その時点で受け付けは終了するとHPでアナウンスした」
補助金を申請するための専用のウェブサイトを開いてみると、画面には「現在、申請受け付けを一時的に中止」との記載が表示されます。その横で、現時点の申請状況を確認しようとすると、大きく「公開されていません」とエラーが表記されます。
静岡県経営支援課 平山伸一課長:「2700件ぐらいの方がすでに申請をされて、その申請額の合計が10億円を超えていたという状況」
申請が殺到しすぎたことで、システムに不具合が発生した可能性もみられています。
川勝知事「(アクセスが)集中して…」
この騒動に、川勝知事は─
静岡県 川勝平太知事:「一気に(アクセスが)集中して、システムに不具合が生じて、ちょっと時間がかかって申し訳ないと思う。お金は準備しているので、出さないっていうことはないので、ちょっと辛抱していただいてと思う。なるべく早くシステムを正常に戻して要請に応えたいという状況」
新型コロナの拡大や、資材の高騰などが続く中、本来は中小企業にとって助け舟となるはずだった県の補助金。
事業者からは不安の声も
申請を予定していた県内企業からは不安の声が聞こえてきます
山亜里製茶 増田有美社長:「ちょっとシステムの不具合みたいのは想定していなかったので、少し驚いたというか、申請が通っていないということで中途半端な状態」
御前崎市で明治時代から続く「山亜里(やまあり)製茶」。牧之原の荒茶を仕入れて加工し、小売店などに卸しています。
山亜里製茶 増田有美社長:「事業が卸売りが中心なので、やはり得意先のお客の事情によりダイレクトに影響をうけてしまうところがあって、お客さんの価格に転化することはできないところがあるので、大きく影響を感じている」
コロナ禍や物価高の影響を受けていたなかで、今回の補助金制度はまさに“助け船”でした。こちらでは今回の補助金を使い、作業環境の改善と経費削減のため、
工場内の照明のLED化を計画していました。
ただ、それも申請が進まないことで、宙に浮いた状態となっています。
山亜里製茶 増田有美社長:「中小企業の経営っていうのは厳しい状況にあると思うので、それだけ申請を検討してしっかり準備していた人が多かったということだと思うし、実際それだけ補助金の重要性があるということで、受け入れキャパシティというか、そこか甘かったかどうかはわからないが、順調にいけばよかったかなと思う」
「他社の申請内容が閲覧できる」
補助金をめぐるトラブルは申請受け付けのパンクだけでなく他にも…
『事業者の情報漏えい』
県によると申請した事業者から「他社の申請内容が閲覧できる」と情報が寄せられ、調査を行ったところ、少なくともすでに申請していた1社の事業者名や銀行口座、確定申告書の一部情報などが外部に漏れていたことが発覚しました。
静岡県経営支援課 平山伸一課長:「「こんなことは二度とあってはいけない」という中で、「システム上どこに問題があってどんな影響の範囲だったのか?」を確認する。利用者に安心して情報を入れていただける形をしっかりと作ったうえで再開することを考えている。深くお詫びをしたいと思っている」
(12月3日放送)