老舗製紙メーカー更生法申請、「うなぎパイ」減産、宿泊施設閉館 旅行客激減の影響大きく 静岡県
「大興製紙」(富士市)が会社更生法の適用を申請
大興製紙の代理人:「新型コロナウイルスの蔓延による景気の急速な減退と、紙製品の需要の低迷が収束を見せないことから、苦渋の決断ではありますが、今般、会社更生手続きの申し立てをしたということでございます」
15日、富士市の老舗製紙メーカー「大興製紙」が会社更生法の適用を申請しました。負債総額はおよそ140億円です。「紙のまち」富士市の製紙会社の中でも、大興製紙が得意としていたのは、包装紙や紙袋などに使用されるクラフト紙です。新型コロナの影響で、こうした需要が減少したのが打撃になったといいます。
大興製紙 等健次会長:「新型コロナで3000万人の訪日客がゼロになった。訪日客が買われる土産物の袋、あれは私どもの紙。売り上げが落ち、コストが上がり、なかなか一社では出来なくなった」
大興製紙は段ボール大手の「レンゴー」の支援を受け、再建を目指すとしています。
「うなぎパイ」は減産…去年の3割に
一方、浜松市にある菓子メーカー春華堂は、「うなぎパイ」の減産を決めました。今月の「うなぎパイ」の生産量を、去年の3割ほどのおよそ180万個に下方修正しました。首都圏などに緊急事態宣言が発令され、旅行客やビジネス客が減少。全体の売り上げの4割を占める駅での販売が落ち込んでいるということです。
春華堂経営管理室 手嶋千恵主任:「感染拡大や緊急事態宣言を受けて、人の交流がかなり少なくなってきて、それに伴って売り上げも減少している。大変ではあるが、今の時期はぐっと我慢して良くなったら一歩踏み出せるように、今のうちに準備をしていきたい」
沼津市の宿泊施設が来月末で閉館
また、新型コロナ拡大による利用者の減少で、沼津市の宿泊施設「ニューウェルサンピア沼津」が来月末で閉館することがわかりました。運営会社は「コロナの影響があって、来客が見込めない。続けても負債が大きくなるだけと判断した」と話しています。今後の土地や建物については検討中で、施設で働く従業員については、すでに解雇の説明会を行ったということです。
静岡県のコロナ関連倒産は全国で4番目に多い40件
帝国データバンクによると、県内のコロナ関連の倒産は、先月までで40件。これは東京、大阪、神奈川に続き全国で4番目に多く、静岡より人口や企業数の多い愛知や福岡、北海道を上回っています。この原因は、静岡県は観光業に関連する倒産が多いためだといいます。