【リニア】JR東海「山梨県側県境まで工事を進める」 静岡県「県民の感情を全く無視している」~専門部会で応酬
山梨県側で進むトンネル工事について、静岡県は大井川の水が山梨県側に流出する恐れがあるとして、「どの地点で工事を止めるのか」協議を求める文書をJRに提出していました。
●難波理事:
「トンネルを掘削すると、たとえ山梨県であっても高圧の地下水がトンネルの中に流れ込んでくる可能性がある。協議の必要性について関係する皆さまが共通認識をもつことが必要」
JR東海は、工事は現在県境の920m手前まで進んでいて、掘削に伴う湧水の可能性を認識した上で、「ボーリング調査を実施しながら県境まで掘削を進めたい」と説明。
こうしたJRの姿勢に静岡県の難波理事が苦言を呈する場面も…。
●難波理事:
「それだったらなぜ県境までの先進坑の掘削を進めますと書くのか。対策をとった上で進めますなら分かるが、これは県民の感情や懸念を全く無視した表現」
●JR東海 中央新幹線推進本部 澤田尚夫副本部長:
「先進坑に関してそこが抜けているということなので、しっかり対策を説明して進めていこうと思っている」
●難波理事:
「影響を与える側として姿勢を疑わざるを得ない。こういう表現をされるとどういうことなのかと疑問を持たざるを得ない」
また、JR東海は水の全量戻しの対策として示した『田代ダム案』について、国交省に確認したところ法令上問題ないことが確認されたと説明しました。
今後は関係者の理解を得た上で、調整を進める方針です。
●難波理事:
「概念的には(湧水の県外流出が)あり得るということなので、あとは量の問題ということなので、これからしっかり量の問題についてデータに基づいて議論や対話をするのが大事」
●JR東海 中央新幹線推進本部 澤田尚夫副本部長:
「現時点でどこでいつ止めるかに関しては、説明や議論できるだけのデータがないので、ここはしっかりよく調べながら進めて考えていきたい」