政令市になって初めて!静岡市長が直接静岡県知事に予算要望 巴川の治水対策を求める
川勝知事:
「どうぞそうぞ。」
静岡市 難波喬市長:
「また花がすごいですね。」
午後2時。
静岡市の難波市長が姿現したのは・・・“元上司”川勝知事のいる県庁の知事室です。
静岡市 難波喬市長「よろしくお願いします。」
20日川勝知事の元を訪れた静岡市の難波市長。
知事に“ある要望書”を手渡しました。
静岡市 難波喬市長:
「きょうは令和6年度の静岡県予算に対する要望にまいりました」
9月11日に行われた「静岡県知事・政令市市長会議」から1週間あまり。
これまで直接見ることがなかった“静岡市長による県知事への要望”の姿ですが、背景には静岡市が抱えている喫緊の課題があります。
それが「巴川の流域治水対策」についてです。
台風15号で巴川は
桜井健至記者:
「静岡市清水区の巴川。台風が県内に最接近してから一夜が明けたが、近隣住民による土砂の撤去作業が進められている。」
去年9月に県内を襲った台風15号。
静岡市清水区では巴川から水があふれ、多くの浸水被害が発生しました。
床上浸水の数はおよそ4300軒以上。
水とともに大量の土砂が流れ込んだことで、近隣住民は断水のなか土砂の撤去に追われることとなりました。
巴川をめぐる被害は去年だけではありません。
2014年10月に発生した台風18号では、巴川流域内で床下・床上を合わせて1173軒が浸水する被害もでています。
巴川の管理をしているのは静岡県です。
1974年のいわゆる「七夕豪雨」以降、総額で1400億円におよぶお金を投じて浸水被害対策を行ってきましたが、台風15号のように年々災害の規模が増し、被害が起こるたびに注目が集まるようになっています。
治水対策に関する要望書を提出
そんな長年地域住民を悩ませてきた“暴れ川”の巴川。
治水対策に関する要望書が、20日静岡市から県へと提出されたかたちです。
静岡市 難波喬市長:
「巴川をはじめ、興津川については、もう全てが静岡市の市域の中にある河川なので、これが市民の生命財産に極めて大きな影響を与えるわけで、昨年の台風10号の際に大きな被害が出た。」
“巴川”が市民生活に与える影響の大きさを伝えた上で、県への要望を続けました。
静岡市 難波喬市長:
「市としては県管理の河川ではあるが、県に全部お任せというわけではなくて、我々(静岡市)としてどこに弱点があるか、脆弱性の分析をしている。県の管理している部分についてはぜひ早期の整備をお願いしたい。」
これに対し、川勝知事も台風15号発生時の対応を振り返ります。
川勝知事:
「実はあの時、あそこにヘリコプターが2基置かれているんですけど、そこに行く道が浸水しちゃったのでヘリコプターは飛ばさなかった。危機の時にヘリコプターが30分以上飛べなかったということもあって、そういう危機感が増幅する形があるので、これはぜひ一緒に、難波市長はこの方面の専門家でもあるので、知見を得ながら、防災機能を持つように巴川をちゃんとやっていかなくちゃいけないというふうに思ってる。」
意見交換を終え、難波市長は─
静岡市 難波喬市長:
「「知事と政令市長の会合があった後でありますから、その時に率直な意見交換をしましょうというお話をいただきましたので、それを踏まえて率直なお願いに参ったとこんな状況です/巴川と河川の問題についてはですね。これはこちらからの要望ですから、これもしっかりやりましょうということでしたので、大変ありがたいお話です/行政機関同士の連携というのは本当に大事ですから、これからそれが進んでいくようにしていきたいと思ってます。」
実は、静岡市長が県知事に直接の形で県予算に関する要望を出すのは政令市になって今回が初めて。
お互いにとって“新たな一歩”を踏み出した1日となりました。