【リニア】山梨県内の工事に関し静岡県がJRに意見…山梨県知事「違和感」 静岡・川勝知事「礼節欠いた自覚ある」

山梨県でのリニア工事のボーリングをめぐり、静岡県がJR東海に意見したことで山梨の長崎知事が苦言を呈したことについて川勝知事は「JR東海との協議内容を山梨県に
ていねいに説明したい」と話しました。

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リニア問題をめぐり再び静岡県と山梨県にすれ違いが…再び解消できるのか

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川勝知事 県庁・午後2時:
「もちろん礼節を欠いているとの自覚はある。前もって調整をする時間を十分とれるように、山梨県にこちらの動きをお知らせするようにしたい。」

 15日の会見で、反省の言葉を口にした川勝知事。

 その相手は、かつて、自らが「幸ちゃん平ちゃんの関係を作りたい」として、親密さを強調していたはずの、“あの人”でした。

山梨県 長崎幸太郎知事 山梨県庁・12日
「静岡県の議論には、大変強い違和感を感じている。正直言って」

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 静岡県と山梨県の間にいったいなにが!?

山梨県知事の批判

山梨県 長崎幸太郎知事 山梨県庁・12日
「静岡県の議論には、大変強い違和感を感じている。正直言って。我々としては山梨県内の活動についていかなる県であっても、我々のことを頭越しに何がしかおっしゃっていただくのは、願わくば遠慮願いたい。」

画像1: 山梨県知事の批判

 強い口調で静岡県を批判した、山梨県の長崎幸太郎知事。

 その背景にあるのは、JR東海が山梨県内で行っている「ボーリング」についてです。

 リニア中央新幹線のトンネル工事が進む、山梨県。

 JR東海は、静岡県との県境に向けたトンネル掘削を前に
地質などを調べる「ボーリング」を行っていて、

画像2: 山梨県知事の批判

 5月2日時点で、静岡県と山梨県の県境から583mの地点まで進んでいます。

 ただ、県境付近には、地下水を大量に含む「破砕帯」があるとされていて、JR東海は、県境から300mより先は、「慎重に作業を進める」としていました。

山梨側にある水でも最終的に静岡県の水として…

画像: 山梨側にある水でも最終的に静岡県の水として…

 一方、川勝知事は、専門家の意見などをもとに、山梨県側にある水であっても、最終的に静岡県の水としてわき出る可能性もあるとしています。

川勝知事 先月27日:
「水がどちらのものかは、行政上の問題ではないので、我々としては深い関心がある」

こうした背景もあり、静岡県は静岡県の地下水が山梨県側に流れ出る恐れがあるとして、まず、「流れ出た場合の水をどう戻すか」などを事前に話し合い、県の合意を得ることを要求。

 さらに、JR東海に対し、県境から300mの地点より先には「進まない」よう
文書で強く求めていました。

山梨県知事の堪忍袋の緒が

 こうした静岡県の姿勢に対し、長崎知事の堪忍袋の緒が切れたのです。

画像1: 山梨県知事の堪忍袋の緒が

山梨県・長崎幸太郎知事 山梨県庁・12日
「県内の領域における経済活動は、法令などのルールに反しない限り最大限自由が尊重されるべき、そういう考え方で物事に向き合っている。
 県内の問題については、山梨県が責任をもって行う。
静岡県内の問題については、静岡県が責任をもっている。
これは、言わずと知れた当たり前の話。
私としては、リニアに関する問題については、静岡県はぜひ山梨県と
再度しっかりと事前に調整してほしい」

 山梨県内のことについて、静岡県が口出ししている現状に、長崎知事は憤りを見せた、というわけです。

 静岡県が山梨県内のことに口出しをしたことで、山梨県知事が苦言をチクリ。

 この“やり取り”、以前にも似たようなことが・・・

画像2: 山梨県知事の堪忍袋の緒が

山梨県・長崎幸太郎知事 山梨県庁・去年10月
「本県に関する話について、我々山梨県に一言の連絡もなく、仮にそういうことを本当に言っていたんだとすると、
それは遺憾以外の何物でもないと思います。
もう少し、山梨県に対して、礼を尽くすべきじゃないのかなと思います」

 そう、去年10月にも、長崎知事から静岡県を咎める発言があったんです。

 背景にあったのは、静岡県がJR東海に対して、山梨県側のトンネル工事が県境付近に到達する前に、工事を止める地点を決めておくよう協議を要請したこと。

 この時は、静岡県内で川勝知事と長崎知事が顔を合わせる機会があり、お互いに「話をしたことで問題は解決した」と、笑顔を見せていました。

川勝知事 静岡・清水区 去年10月:
「お互いに連携をもう少し密にしようということで、事務局レベルでお互い固有名詞が分かる形で常に連絡を
最新の連絡しあうことにしましょうということで、合意しました」

山梨県・長崎知事@静岡・清水区 去年10月
「こういう問題が起こらないように、ややこしいとか紛らわしい話に関しては、ちゃんと事務的にコミュニケーションさえ取れれば何の問題もないわけですので、そこを両県ともに、より注意を払っていきましょうということで、川勝知事としっかり合意ができた」

Q)軋轢は解消された? 

A)全く、完全解消です。

画像3: 山梨県知事の堪忍袋の緒が

再び繰り返されたすれ違い

  再び繰り返されてしまった、静岡県と山梨県の“すれ違い”。

 これについて、15日の会見で川勝知事が言及しました。

画像1: 再び繰り返されたすれ違い

川勝知事@県庁・午後2時
「JR東海に発出した文書を、前日の木曜日、12日が金曜日。その木曜日の夕刻に、山梨県庁の方に送ったということで、そうすると十分に調整をする、両県などで調整する時間は実質ないに等しい。実は、1月31日に出した文書と実質、同じ内容のもので、事務局としては、すでに山梨県の方に何と言うかよくご存じの内容と即断したところがあったらしいが、事前に調整しようと前に約束したので
十分に調整する時間をとれるようにしたい」

 県の対応を反省する一方で、
「経済活動の自由は最大限尊重されるべき」という、長崎知事の発言については…

川勝知事@県庁・午後2時
「自然環境の保全というのは非常に重要な問題であり、経済活動の前提にある重要案件だと私は認識している」

「我々関係者にしても、到底了解できる状況にはまだなっていないので、すごく不安、懸念がある。この懸念を払しょくするために専門部会をやっているので科学的な議論をして、その結果を尊重してもらえたらいい。その議論を見守ってほしいと思う。」

記者:
「今回要請した山梨県内の調査の300m以内は中止してほしいということについて山梨県は違和感を覚えているということだが、今回の要請について撤回する考えはないのか?」

画像2: 再び繰り返されたすれ違い

川勝知事:
「ありません。まず水が出た場合の戻し方について回答するとJR東海は言っている。その回答が出てきていないので、出てきたら、どういう方法かは別にして、JR東海との交渉の中身、協議の中身を山梨県側に丁寧に説明したい」