去年ふるさと納税倍増の静岡市、今年はさらに倍増狙う 好調のヒミツは「イベント参加」
年々、増加傾向にあるふるさと納税。例年10月から12月がピークとなりますが、自治体側も需要を取り込もうと、ある「仕掛け」に取り組んだそうです。
沼津市60代(男性):「正月も近づいてくるので、ちょっとは考えようかなという感じ。(返礼品は)おいしく頂けるものになるかなと思っている」
静岡市20代(女性)
Q.ふるさと納税はする予定?
A.「ちょっと考え中」
Q.頼むとしたら、どんなものを?
A.「海鮮系がいいかな」
ルール厳格化で寄付金額の引き上げや返礼品の変更迫られる
ふるさと納税サイトを運営する「さとふる」によると、その年の寄付受け付けが締め切りとなる12月31日に向けて、例年10月~12月に寄付が集中する傾向にあるといいます。ふるさと納税をめぐっては、総務省が10月から、返礼品や送料などの経費を寄付額の50%以下とすることや熟成肉と精米については、加工だけでなく、原材料についても同じ産地であることとするなど、ルールを厳格化。多くの自治体が寄付金額の引き上げや返礼品の変更を迫られました。
その影響もあって、今年は9月末に駆け込み納税をする人が多く見られたということですが、今度は年内までに寄付金を限度額まで使い切ろうとする、「第2次駆け込み納税」が増えるといいます。
昨年度寄付金額倍増の静岡市、今年はさらに倍増狙う
静岡県内でも、各自治体が「ふるさと納税」に知恵をしぼる中、静岡市では昨年度、寄付総額が8億円を超えました。これは前年度から倍増した形です。今年度はさらに2倍近い15億円の寄付額を目指して奮闘しているといいます。
返礼品を製造・販売するお店では
白木愛奈アナウンサー:「静岡市清水区に来ています。私の後ろにずらっと並んでいるのは、静岡市で人気のふるさと納税返礼品、野菜がたっぷり入ったスープです。このふるさと納税ですが、これから年末12月にかけて駆け込み需要のピークを迎えるということです」
静岡市清水区に本社を置く「モンマルシェ」。こちらの会社では、高級ツナ缶や国産野菜の具材を使用したスープなどを製造販売しています。おととしからふるさと納税の返礼品に参加をし、今では、スープシリーズの「ベジMOTTO」が、静岡市のふるさと納税の返礼品として、各サイトで常にTOP3圏内に入るまでに。
モンマルシェ 河野雄士常務:「コロナ禍で在宅ということもあって、すごく人気で、始めた当初は全然かなと思ったが、冬になるとさらに加速して、2000件、3000件は軽くいってしまうような、そんな商品になっている」
好調の秘訣は「イベント参加」
今や、静岡市を代表する返礼品の1つとなったスープ。こうした返礼品が人気を得ていく背景には静岡市が取った秘策がありました。
それが、イベントへの参加です。
モンマルシェ 河野雄士常務:「11月の頭に、横浜のパシフィコ横浜で開催されたふるさとチョイスのイベントに、静岡市と参加して、いろんな方にスープを食べてもらって、PRをした。静岡市としても、今回初めての試みだったので、一緒にやって来ましょうという話になり、静岡市にはいろんな良いものがあるので、それがPRできればと思い、本当に二人三脚のように2日間参加した。やはり静岡市内、県内の方に知ってもらうのもそうだし、実際県外の方にも知ってもらえる、そういった機会を積極的に作っていければと思っている」
ふるさと納税はネット上で手続きすることが多いため、商品を直に見ることはできません。しかし、イベントに参加することで実際に食べたり、飲んだり、試したりすることができます。1万人以上が来場したというこのイベントでは、2日間で500人分の試食を用意しましたが、2時間でなくなってしまったそうです。
イベント参加の効果もあるようで、現在、寄付をする人の6割が関東圏に住む人だといいます。
静岡市財政課 大竹透資金担当課長:「(静岡)市にとっても、返礼品を提供している事業者にとっても、これ(ふるさと納税)はメリットがあるものだと思っているので、事業者と手を取り合って一緒に伸ばしていければと思っている」
今年も残すところ、あと1カ月ちょっと。自治体にとっては財源の確保とともに、地方を活性化させようとする本来の目的を果たすため、挑戦が続きます…。