【リニア】岸田総理の「新幹線停車頻度増加」発言に川勝知事は「逆提案」 静岡市長からは川勝知事をけん制する発言も…試算の賛否を問われた川勝知事は?

川勝知事:
「6時台・7時台とひかりとこだまが2本ずつなんですね。基本的にのぞみ主導の交通機関であることがよくわかると思います」

画像: 【リニア】岸田総理の「新幹線停車頻度増加」発言に川勝知事は「逆提案」 静岡市長からは川勝知事をけん制する発言も…試算の賛否を問われた川勝知事は?

川勝知事は岸田総理に「逆提案」

モニターを使って、記者に対して説明する川勝知事。

川勝知事:
「全線開業した後、のぞみ中心のダイヤからひかり・こだま中心のダイヤになるだろうと。全線開通と言っております。2027年から向こう10年間は東京-名古屋間だけでリニアを営業したいというのが、金子社長が一貫して執拗に言い続けておっしゃることであります。したがって仮に2027年に開業したとして、そのときにどのぐらい今ののぞみからリニアに乗り換える人が増えるかをまずシミュレーションする必要がある。大阪まで2037年を目指さしている開業で、その時にのぞみがリニアにどれぐらいうつるかと。この2つは別にしてシュミレーションする必要がある」

 リニア開業による静岡県へのメリットを打ち出そうとする岸田総理の方針に、“逆提案”する考えを明らかにしました。

川勝知事:
「今後岸田総理に対して、こうした内容を質問するために書簡をしたためる。そして、国が責任を持っていただけるように要請したいと思っている」

画像: 川勝知事は岸田総理に「逆提案」

「今年夏をめどに一定の取りまとめを」

岸田文雄総理大臣:
「リニア開業後の東海道新幹線における静岡県内の駅等の停車頻度の増加について、今年夏をめどに一定の取りまとめを行い、関係者に丁寧な説明を行っていきたい」

 静岡県が県内でのトンネル工事着工を認めていないことで、2027年の品川-名古屋間の開業が絶望的になっているリニア新幹線。

 リニアが開業すれば静岡県内の駅に停車する新幹線の本数が増えると見込まれていて、岸田総理は今年の夏までにどれだけ増えるのか、取りまとめたい方針です。

画像: 「今年夏をめどに一定の取りまとめを」

静岡市長は試算を「歓迎」した上で川勝知事をけん制

静岡市 田辺信宏市長:
「これは歓迎したいなと思っています。やはり実質的に私たちにとって新幹線ひかりの停車が増えることは大変メリットがあります。大変ありがたいことだと思っています」

 JR東海がこれまで明らかにしていない増便に関する“試算”について、「歓迎したい」とした静岡市の田辺信宏市長。

 その上で今回の方針に対して否定的な見解を示していた川勝知事をけん制しました。

静岡市 田辺信宏市長:
「本当にもう早く、早くやらなければいけない。やっぱりこれは静岡県のみならず、国策でありますし、神奈川県や愛知県や岐阜県からも期待されることです。一つの合意点を見出すことをしていくのは本当に喫緊の課題だろうと私は思っています。そろそろ議論は出尽くしたんだろうと思っています。環境の問題と経済の問題をどう両立していくか。どう合意形成していくかというのが政治の一番大事な役割です。その期待が流域の首長にもあります」

画像: 静岡市長は試算を「歓迎」した上で川勝知事をけん制

一方、川勝知事は

田辺市長の発言に対して、川勝知事は―

Q.『議論は出尽くした』という知事をけん制するような発言もされているが田辺市長のリニアに関する発言に対しては?

川勝知事:
「…まあ、特段コメントはありません」

 その上で、新幹線の停車回数を試算する考えについて、改めて賛否を問われると―

Q.知事は調査をすること自体については今どのように考えていらっしゃるのか?

川勝知事:
「岸田さんが自ら、しかも伊勢神宮の、いわば神様の前でしっかりコミットしたいとおっしゃったわけですね。誠にありがたいことで。なかなかに予想が厳しいようなものを出すとおっしゃっているわけですから、(国交省の)審議官と鉄道局長は責任を持って斉藤国交大臣並びに岸田総理に恥をかかせぬように支えてくださいと、あえて強く申し上げておく。それができない場合にはそれなりの責任を取りなさいということも併せて申し上げたい」

画像: 一方、川勝知事は

新幹線駅のある掛川市長は

また、大井川流域で、新幹線駅のある掛川市の久保田崇市長は―

掛川市 久保田崇市長:
「掛川駅にひかりが停車するのはなかなかそれでも難しいのかなと思うものの、こだまの本数が増加すれば、もっと新幹線を日常使いできるようになるので、それは当然歓迎すべきことであるし、なされなければならないことだと思っている」

 その上で、重要なのは水問題との両立だと強調しました。

掛川市 久保田崇市長:
「水資源の安全性の問題は別物なので、それとこれを取引するわけではありませんので、水問題についてはしっかりとやっていただく。それこそ現在は工事期間中の水の戻し方が争点になっていて、田代ダム等を活用した案もその一つであると思っていますので、水資源についてこういうやり方で問題ないよと確認ができればリニアに反対する立場ではないので、そういう意味で議論の進展に大いに期待するところです」

画像: 新幹線駅のある掛川市長は