静岡県が婚活イベントを主催~深刻な少子化のため「行政が婚活をやるのはどうか」なんてことは言ってられない

先日浜松市で行われた婚活イベント。実はその主催者は静岡県でした。なぜ行政が婚活を主催するのか。その背景を取材しました。

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 先日、浜松市で行われた大規模なイベント。

 その目的は…。

 司会「好きなだけ出会ってください、自己紹介の3分、スタートで~す。」

 結婚相手を探す、婚活パーティー。

 主催したのは静岡県です。

県こども未来課 鈴木安由美課長:
「なかなか子育て対策をやっていても、少子化対策につながっていかないことがあり、本当は結婚したいんだけど出会いがないという声がたくさんあったので」

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 こちらは、県内で生まれた子どもの数の推移です。

 第2次ベビーブームの1973年以降は右肩下がり。

 およそ60年で、3分の1にまで減っています。

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県こども未来課 鈴木安由美課長:
「行政が婚活をやるのはどうかという声も昔はあったが、そういうことは言っていられない」

 県が婚活支援を行うことに、街の人は。

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静岡市民 男性:
「若い男女が会う機会をたくさん作ってもらえればいい。少子化というか、(人口が)先細りになっているから増やすように」

静岡市民、夫婦:
「多少税金がかかっても、チャンスがあった方がいいんじゃないか」

静岡市民 男性:
「行政がお金を使って足を踏み入れる問題かなと。別の形で結婚を応援してあげたらどうか。一人でも十分人生を謳歌できる」

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静岡県が婚活支援センターを開設

画像1: 静岡県が婚活支援センターを開設

 県が本格的に婚活支援を始めたのは、去年4月。

 静岡市の中心部に、会員制の支援センターを開設しました。

 年会費は1万円。

画像2: 静岡県が婚活支援センターを開設

 専用サイトで条件に見合った相手を探すことができるほか、

 専門スタッフに悩み相談に乗ってもらうこともできます。

県こども未来課 鈴木安由美課長
「厳正な身分証明をきちんと審査しまして、安心安全なところに入って真剣に取り組んでもらっている」

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 会員になるには、身分証や所得証明書、市や町が発行する独身証明書などが必要で、現在はおよそ900人が登録しています。

 男女比は7対3ぐらいだそうです。

相談員:
「結婚しようという考えはあった?」

男性Aさん:
「そうですね。特に職場で結婚している人が多かったのと、年齢的にそろそろかなと」

 この日、入会を希望する男性が。

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 33歳、公務員のAさんです。

相談員:
「こういう結婚生活を送りたいとか、イメージは?」

Aさん:
「色々趣味もあるので、そういったことを共有できる、出かけたり旅行したり、楽しく過ごしていきたい」

 出会いが少ないと話すAさん。

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 県の婚活支援を選んだ理由は…。

公務員 Aさん (33): 
「県で支援してるというところに信頼性が高いのかなと。同じ目標のもとに集まる人と出会った方が進みやすい」

Qこれまでマッチングアプリとか使ってきた?

「そうですね、相手との意識の違いとか、なかなか先に進まないというか、お金ばかり消費する形で」

Qそんな焦る必要あります?

「焦る必要ありますよ。周りがみんな指輪を光らせながらアピールしてくるので怖いですよね」

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静岡県主催の婚活イベント「お見合い回転ずし」

 浜松で行われた婚活イベントも参加できるのは会員のみ。

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 ここにAさんの姿もありました。

「緊張しますね。」

Q準備してきたことはありますか?アピールしたいこととかは?

「出た言葉で素直な、すぐ出た言葉でしゃべろうかなと」

画像2: 静岡県主催の婚活イベント「お見合い回転ずし」

司会・男性控室で:
「自分のセールスポイント、魅力を棚卸ししてから女性の前に立たないと戦えないですよ。」

画像3: 静岡県主催の婚活イベント「お見合い回転ずし」

司会・女性控室で:
「白馬に乗った王子様みたいなジャニーズ系がいいと言って追いかけていると迷走しちゃいます」

 参加費は500円。

 男女別れてレクチャーを受けたら、スタートです。

(男性が入ってくる)司会:「はーい、こんにちは~」(拍手)

 この日の婚活パーティーには、

 20代から40代の男女19人ずつが参加。

 行われたのは、異性全員との会話です。

画像4: 静岡県主催の婚活イベント「お見合い回転ずし」

 その名も「お見合い回転ずし」。

 3分間話したら、男性は次の女性の元へ。

 もちろん、Aさんも。

「漫画は何を読むんですか?」

「スイーツは何が好きなんですか?」

「普段はお出かけをするんですか?」

 自分をアピールしつつ、相手との相性を探ります。

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 最後に、男女ともに3人を指名。

 互いに番号が合えば、マッチング成功です。

 Aさんは、7番。

司会:
「いまから呼ばれた方は残ってください、相性のいい方がいた人です。」

 さあ、結果は?

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「男性は、4番、5番、7番、…」

 見事にマッチング!

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 お互い第一希望だったそうです。

司会「どこが良かったの?」
女性「雰囲気が好きだったので」

司会「決め手は?」
女性「楽しい感じが。」

司会「どうして第一希望?」
Aさん「話しやすかった。敬語でしゃべらなかった」

司会「はい、握手して、よろしくお願いします!」

画像8: 静岡県主催の婚活イベント「お見合い回転ずし」

Aさん:
「うれしかったです。一番優しくしゃべってくれた、優しいイメージが強かった」

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相手の女性:
「びっくりしました。第一印象が優しそうだったのでこのような結果になってうれしく思います」

 この婚活パーティーでは、7組がマッチング。

 結婚に向けた第一歩を踏みだしました。

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