静岡市長選挙 新人3人が立候補 三つどもえの選挙戦に
統一地方選の前半戦となる静岡・浜松市長選が27日告示されました。静岡市では、新人3人による三つどもえの選挙戦が始まり、雨の中初日から各地で支持を訴えました。
静岡市長選挙に立候補しているのは、届出順にいずれも新人で
無所属で元県議の山田誠氏(61)。
共産党公認で党県常任委員の鈴木千佳氏(52)、
無所属で自民党・公明党・立憲民主党・国民民主党から推薦を受ける
元副知事の難波喬司氏(66)の3人です。
公開討論会
告示を2日前に控えた先週金曜日。
静岡市長選に立候補している3人の公開討論会が行われ、「理想の市政」や「子育て支援」などについて意見を交わしました。
無・新 山田誠氏:
「若者や企業に選んでもらえるまちであり、誰もが多様性を受け入れ、そして笑顔の溢れる静岡、そういうまちを目指していきたい。そしてそうした市政を作っていきたい」
共・新 鈴木千佳氏:
「私は1人1人の市民の多様性が保障され、市民が主人公のまちになること、つまり憲法を活かした市政こそ理想の市政だと考える」
無・新 難波喬司氏
「信頼と共創の市政。市民と市政が相互に信頼を持ち、一緒に社会問題の解決をしていくという市政が大事」
静岡市長選の主な争点は、『人口減少対策』や現市政が進めてきたいわゆる『ハコモノ事業に対する考え方』、静岡工区のトンネル工事を巡り膠着状態となっている『リニア新幹線事業への対応』などです。
山田誠氏
山田誠氏:
「急激な人口減少対策をしっかりやるということ。若者がそして子どもが、また子育て世代が静岡でしっかり生活できるようにしていくこと、これが一番重要だと考えている」
雨が降る中、27日静岡市の中心街で第一声を挙げた無所属で新人の山田誠氏(61)。
市の最重要課題に「人口減少対策」を挙げ、妊娠から出産までの費用や、小中学校の給食費の無償化を訴えています。
自民党の市議や県議を32年間務めた山田氏。
しかし今回は政党からの支援は受けておらず、出陣式に議員の姿はありませんでしたが、(自治会連合会の会長や)推薦を決めたJA静岡市の組合長らが応援に駆け付けました。
JA静岡市 大原正和組合長
「清水農協と静岡農協が違う候補を推薦した。静岡市で生まれ、育ち、静岡市にずっと貢献してきていただいた政治家、これは静岡市長に最もふさわしいというのが私たちが推薦した理由」
「静岡市民党」を掲げ、草の根活動を展開する山田氏。
現職の田辺信宏市長が進める「ハコモノ事業」については「中身の見直し」を訴えていて、また、リニア事業には「推進」の立場です。
山田誠氏:
「清水区と駿河区の2つの区は今まで選挙戦で入ったことはない。だから少しでも多くの方に会うためには、できるだけ選挙カーに乗っていろいろなところで街頭演説をして皆さんに私の考えを訴えていきたい」
鈴木千佳氏
鈴木千佳氏
「今度の市長選の争点ははっきりしている。3期12年続いた田辺市政、この転換か継続」
候補者の中で唯一、市政の刷新を訴えるのが、共産党の公認候補として出馬する鈴木千佳氏(52)です。
女性ならではの視点で、子育てや介護をしやすい静岡市の実現を訴えています。
井上哲士参院議員:
「暮らしやすい静岡市政へと変えようと立候補した鈴木千佳さんを何としても押し上げていただきたい」
27日は井上哲士参院議員が応援に駆け付け、党を挙げての支援をアピールしました。
鈴木千佳氏:
「子育て世代の1人として、女性の1人として、市民の皆さんの声を生かした安心して子育てできる、安心して介護を受けられる。そんな静岡市に皆さんと一緒に変える決意」
ハコモノ行政については、「中止を含めた見直し」を、リニア事業については「見直し・中止」を訴えています。
「ガンバロー!ガンバロー!ガンバロー!」
鈴木千佳氏
「本当に頑張り抜きたいと思っている。田辺市政の転換、ハコモノ行政の見直し、暮らし子育て応援の姿勢に変えるために頑張り抜きたい」
難波喬司氏
難波喬司氏
「共創、共に創るこれが大変大事だと思っている。やはり信頼を得る市政であることが大事。政策はもちろん大事だが政策とともにそれを実行して結果を出すということが大事」
与野党から幅広い推薦を受け、与野党相乗り候補として出馬するのが、無所属で新人の難波喬司氏(66)です。
新たな市政のあり方として、「現場主義」や「信頼と共創の市政」などを訴える難波氏。
自民党 牧野京夫参院議員
「我々党本部の幹事長室も選対委員会も一番この静岡の市長選挙に注目しているし力いっぱい応援している」
出陣式には、自民党や公明党、国民民主党の静岡選出の国会議員らが応援に駆け付け、初めての選挙に挑む難波氏にエールを送りました。
「私は防災のプロを自認しています。静岡市の危機管理能力、災害対応能力を飛躍的に向上させます。難波喬司です」
27日は街宣車での呼びかけにも初めて挑戦しました。
難波氏へ話しかけ
「初めての経験なのでなかなか戸惑いはある。難しいと思う。だいたい私話が長いので…長い話は得意なんですけど」
現職の田辺市長の第4次総合計画を軸に10の政策の柱を掲げています。
リニア事業には推進の立場から「協力すべき」との姿勢です。
難波喬司氏
「今までの延長の市政をやっていては結果が出ない。実務家として実務をしっかり回していく。そのためにはまずは市長選で結果を出さないとできないのでまずは頑張ります」
今後4年間の市政のかじ取り役を担うのは誰になるのか。
静岡市長選は、来月9日に投開票が行われます。