難波市長「強い危機感」…ルールと異なる方法が『常態化』 消防士が殉職したビル火災の検証結果発表 静岡市 

 静岡市で消防士が殉職したビル火災を受け、難波喬司市長は消防局の組織に問題があったとする検証結果を報告しました。

市長「強い危機感がある」

静岡市 難波喬司市長:「改善をしていくということをやらざるを得ないと思う。また同じような事故を起こしてしまう恐れがあるという強い危機感を持っていますので」

 おととし8月、静岡市葵区呉服町で発生したビル火災で、駿河消防署の消防士、山本将光さん(当時37歳)が殉職しました。当時、現場で指揮を執っていた小隊長は、山本さんを濃い煙の中に入らせる際に、活動基準で定められた命綱などで体を結ばせませんでした。

 28日公表された報告書では、活動基準に従えば、煙の濃い屋内へは必ず複数の隊員で命綱などで体を結んで進入するべきであったと指摘しました。

静岡市 難波喬司市長:「規範は守るためにあるわけで、規範と異なる行動をするということが、ある種、常態化している。これが大きな問題であると」

30%の職員が『訓練してない方法で活動』 市長「ありえない」

 また、消防職員669人を対象に行った職場環境などについてのアンケート調査の結果も公表されました。

 上司から訓練をしたことのない方法による活動を指示されたことがあるか、という問いに対しては、およそ30%が「ある」と回答したということです。今回の事故でも、訓練されていない『ホースを置いて出火場所に背を向けて退出する』という方法が取られていました。

静岡市 難波喬司市長:「危険な現場で、訓練を受けていない方法で実施するのはありえないと言った方がいいと思う」

 市は消防管理室を設置し、監察や内部統制を徹底し、再発防止に努めるということです。