静岡空港復活へ(前)…利用者の半数は『見物客』 都民「静岡の空港は穴場」 社長「まず19年並みに…」
伊地健治アナウンサー:「ターミナルビルの前にある駐車場です。新型コロナの影響を最も受けた2020年は、搭乗者数も11万人台まで減ってしまい、この駐車場もほとんど車がなかったそうです。いま空港の利用者はどこまで回復しているのでしょうか」
空港に大勢の人が戻ってきた
わたし自身、空港に行くのは久しぶりだったんですね。ターミナルビルに入ってみると、大勢の人がいて驚きました。右に左に、通路を行き交うスーツケース。夏休みをつかって旅行を楽しむ人たちの姿が多くみられたんですね。
富士市民(こども):「うみでおよいで、おきなわでどようびまでとまる」
富士市民(父親):「いつまで今の状況が続くのか分からないので、行ける時に」
富士市民(母親):「コロナになってから行ってないんじゃない」
こちらも沖縄へ。日本とカナダの国際カップルです。
伊地アナ:「こんなこと聞いて申し訳ない、結婚してどのくらい?」
藤枝市民:「1年半ぐらいですかね」
伊地アナ:「新婚さん行ってらっしゃいですね」
藤枝市民(夫):「ようやく、旅行もマスク外して行けるなと」
藤枝市民(妻):「まだちょっと心配してる。でも結構大丈夫」
こちらは北海道便の出発を待つ家族。
清水町民:「コロナが5類になったのでもういいかなと思い予約しました」
清水町民:「働き始めた頃に、10年ぐらい働いたら一緒に北海道とか行ってみようかと話していて、やっと約束を果たせそうだなと」
伊地アナ:「念願の待望の北海道旅行なんですね」
新型コロナが5類に引き下げられて、ようやく旅行が実現した、という方が多かったです。
搭乗口のある2階のフードコート
伊地アナ:「コロナ禍では国際線の運航もストップし、時には閑散としていた静岡空港のターミナルビルですが、きょうは平日にも関わらず、たくさんの人で賑わっています」
搭乗口のある2階のフードコート。ここにも旅に出る人、迎えに来た人など様々な人たちが。
沖縄便の到着を待つこちらの男性。静岡に帰ってきたのは娘さんです。
静岡市民 娘:「沖縄から帰ってきました」
妻:「実家に帰ってきました。お父さんお留守番だったので久々で1週間ぶりで会ったので」
Q.「1週間ぶりのお父さんはどう?」
娘:「うれしい」
Q.「うれしいと言ってます」
夫:「よかったです。うれしいですね」
1週間分の土産話、楽しみですね~。
こちらのご夫婦も、待っているのは娘さんでした。嫁ぎ先の北海道から夫婦で帰省してきたそうです。
娘:「3カ月ぶり。5月の連休に茶摘みがあって、手伝いに来て、それ以来」
静岡市 父:「送迎も楽だし 時間的にも楽ですね」
お父さんの運転で静岡市内の実家に戻り、お盆を過ごすということです。
飛行機見物に空港に来る人も…。
ただ、空港を訪れるのは、旅行する人だけではないようです。
子ども「本当だ、ピンク。おおきい」
浜松市から「行ったことがなかったので、見せてあげたくて。遊びに来たね」
掛川市から 女性:「夏休み遊びたいねって、きょう予定があったので計画していたんですけど、雨になって行くところがなくて、お金がかからなくて、どこ行こうって話していて、『空港は?』って聞いたら、みんな『行きたい』って言ったので、連れてきた」
Q.皆さんは飛行機が好き?
掛川から 子ども:「好き。夏休みの研究で写真を撮ってみんなに見せたりする」
利用者はどう思う…都民「静岡の空港は穴場」
この日は、あいにくの天気にも関わらず、飛行機目当てにたくさんの見物客が訪れていました。この空港を使う人たちは、どう思っているんでしょうか?
東京都民:「コンパクト。ほどよくコンパクト。静岡の空港は穴場だねってっていう話」
清水町民:「車で来られるので小さい子向けでありがたい」
清水町から:「キレイで人も少なくって、羽田とか成田よりも使いやすいなと」
伊地アナ:「こういうふうになったらいいな、こういう路線があるといいとか、そういう要望はある?」
清水町民:「ハワイに行きたいです」
静岡市民:「韓国便がもう少し増えたらいいかなと思います」
空港会社社長「まず、19年並みに戻らないと」
そんな旅行者たちの要望はかなえられるんでしょうか? 富士山静岡空港の西村等社長に聞きました。
富士山静岡空港 西村等社長:「まず、19年並みに戻らないといけないなと思っているので、そこからのスタートになる。より多くを利用してもらうために、何をしていくべきかいうところ」
多くの人でにぎわいを見せている富士山静岡空港ですが、これまでは苦難の道を歩んでいます。
7月から「明るい兆し」
民営化を果たした2019年には、利用者数が約73万人と過去最高を記録。しかし、翌年は、新型コロナの影響を受けて、過去最低の利用者になってしまいました。徐々に回復しているものの、去年はコロナ前の約5割以下の水準にとどまりました。ところが、7月になって、明るい兆しが見えてきたといいます。
富士山静岡空港 西村等社長:「7月の速報値になるんですが、19年度を国内線だけでいうと超えている」
伊地アナ:「コロナ前を」
西村社長:「おかげさまで、順調かなという状況」
起死回生の一手とは
コロナ禍で業績が落ち込む中、空港会社は、起死回生の一手を打っていました。それが国際線のチェックインカウンターの拡張。
富士山静岡空港航空営業部 青島弘昌さん:「カウンター数を10から18に増やしました。後ろにベルトコンベア、ベルトの長さも増やして、出発のベルトコンベア数を、従前の1本から2本にして、処理能力を高めました」
さらに新たに設置したのが、自動チェックイン機。ここでチェックインしておくことで、カウンターでは荷物を預けるだけで済むそうです。
伊地アナ:「処理能力は過去に比べてどのくらい変わる?」
富士山静岡空港航空営業部 青島弘昌さん:「2倍以上に高まっている」
実は、このチェックインの「時間短縮」が収益に大きく関わっているといいます。その現場を見せてもらうために今回、特別に保安検査場を通って国際線の搭乗待合室へ…。そして、その奥に行ってみると。
伊地アナ:「免税店なんですがいろんな商品が並んでますね」
空港の今後の運営のカギを握るという免税店。そのワケとは…?
(8月12日放送)