深刻化する人口減少と中心商店街の空洞化 市長選挙の投票日まで2日 市役所庁舎跡地の活用策は? 静岡・下田市
任期満了に伴う静岡県下田市の市長選挙は現職と新人2人による三つ巴の激しい選挙戦が繰り広げられています。
立候補しているのは届け出順に、再選を目指す現職の松木正一郎さん(63)、元副知事で新人の土屋優行さん(69)、前市議で新人の長友くにさん(77)の
3人です。
伊豆半島の南東部に位置する下田市。
現在直面している最大の課題は人口減少です。
1975年の3万1700人をピークに、右肩下がりで去年には2万人を割り込みました。
消滅する可能性があるとの指摘もあり、市の推計では
2050年には1万人を割るとされています。
下田市民女性(49):
「イベントがなければ静かな街ですよね全然。街自体人もいなかったり、静かな分景気もなかなか回復って言ってもうまくいかないところもある」
下田市民男性(35):
「息子は小学生なんですけど1クラスになってしまっ
て。友達と遊んだりする分には楽しくやってるので、そういうところはいいかなと思うんですけど。成長していくと下田に残るのかどうか、もちろん本人の希望もあるが難しいんじゃないかなと思う」
告示日の16日。
日曜日にも関わらず伊豆急下田駅南側にある旧町内の商店街は閑散としていました。
旧町内で70年ほどの歴史を持つ喜久屋呉服店。
3代目の高橋弘樹さん(57)は市の商店街連盟の会長も務めています。
高橋弘樹さん:
「人口減少に伴い商店街としても、シャッターの閉まるところがとても多くて、年に数軒単位で減っていってい
るという現状です」
高橋さんが指摘するように中心商店街の空洞化も深刻です。
市の調査では2007年に74軒だった空き店舗は、
2020年には139軒となっています。
市がおととしから始めた空き店舗の補助金事業で、再びシャッターを開ける店もあるそうですが、追いついていないのが現状です。
そんな疲弊する街の活性化へ大きな期待がかかるのが
市役所庁舎跡地です。
市役所は現在の場所からおよそ3キロ北の河内に新庁舎が整備される予定で、一部の課はすでに移転しています。
現庁舎は伊豆急下田駅にほど近く敷地面積はおよそ3100平方メートル。
移転後は解体される方針が示されています。
情報発信や交流の拠点とする構想もありますが、跡地についての具体的な利用方法はまだ決まっていません。
新たな市長は庁舎の完全移転までに活用策を市民に示さなければなりません。
高橋弘樹さん:
「駅の近くということで、乗り入れている伊豆急さんと何かしら巻き込んでやっていただける感じがいいのかなと。河内という場所は(中心市街地から)遠くなって不便なので、(行政の)出先としての機能もそちらに残していただければ」
難波亮太記者:
「街の活性化や人口減対策のほかに防災や伊豆縦貫道の整備など課題が山積する下田市。次の4年間を誰に託すのか。投開票日は23日です」