臨時会見の静岡・川勝知事「途方もない誤解…」 前御殿場市長・若林氏「“コシヒカリ”よりも分断するような地域差別的な部分が問題」 御殿場市民からは辞職求める声も

9日、突然行われた「コシヒカリ発言」を巡る静岡県知事の臨時会見。

静岡県
川勝平太知事:「御殿場市民を御殿場の地を傷つけるという途方もない誤解を生むことになった。そういうことであれば誤解を生んだ私に責任がある。しかし、火のないところに煙は立ちません。この発言の前提にあったのは、(若林氏が)御殿場コシヒカリの自慢がしたいがために、それを御殿場コシヒカリ、つまり、ごはんだけがあれば、何かおしんこがあれば何もいらないと言った。これを逆手に取ったということでございまして…」

 川勝知事は、「火のないところに煙は立たない」として、若林氏の御殿場コシヒカリに関する発言が、前提にあったとの認識を示しました。

 当の若林氏はどう感じたのでしょうか。

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前御殿場市長
若林洋平氏:「ちょっと無理があるんじゃないかなと。(報道陣から)最後に何が食べたいですかと聞かれたときに、きゅうりのぬか漬けと御殿場コシヒカリとお味噌汁があれば、それ以外は何もいらないですという趣旨でお話しているので、それをどう取ったかは知事の自由なところであるでしょうけど、だからといって、御殿場市にコシヒカリしかないという話にはならないと認識しています」

 若林氏の発言はそもそもどういうものだったのでしょうか。

 9月7日に県庁で行われたこちらの取材のことだと思われます。

若林氏:「私 最後によく言われる、死ぬ前に何が食べたいですかといったら、たぶん白米とキュウリのぬか漬けって言うと思う」

 この言葉を知事が報道などで目にしたことが、あの演説につながったということなのでしょうか。

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川勝知事:「人口は8万強しかないところ。その市長をやっていた人物か。この80万都市、遠州の中心浜松が生んだ、市議会議員をやり、県議会議員をやり、私の弟分。こういう青年、どちらを選びますか。あちらはコシヒカリしかない。だから飯だけ食って、それで農業だと思っている。あちらは観光しかありません。それしか知らない人間が静岡県全体の代表の参議院議員になってどうするんですか。ダメです」

若林氏:「どちらかというと、コシヒカリしかないというのがクローズアップされているが、私自身が問題だなと思っているのは、あちらは8万人、こちらは80万人とか、ちょっと分断するような地域差別的な部分は、これは市民の皆さんも、県民の皆さんも、ほかの県内の方々もそういった発言が残念と思われているのではないか」

 県庁には抗議や問い合わせが9日までに561件あり、「会見を見たが、全く謝罪になっていない」「誤解とはどういう意味なのか」などという声も寄せられているということです。

 若林氏は川勝知事について…。

若林氏:「(川勝知事は)何か、大きなものに、強いものに立ち向かっていく姿は県民の皆さんも心強いなとか、言い方は別にしても、頼もしいなと感じたことはあったと思うが、今回のことは県内のことで、西はこうだ、東はこうだみたいな、あちらはと言われると、今までとは発言の質が違う。(知事は)そう思っているんだというふうになっちゃうから、悲しいとか許せないとかそういう感想が出てくる」

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 そして、10日、御殿場市民の有志から「知事の辞職を求める請願」が県議会議長あてに提出されました。請願では、「御殿場市を侮辱する発言」と指摘し、「県政の最高責任者の知事が一部地域を差別する発言をしたことは断じて容認できない」としています。県議会では議会運営委員会で請願の審議方法を検討する予定です。

 一方、川勝知事が、このあと、御殿場市役所を訪れることがわかりました。勝又正美市長に対して、謝罪をするということです。