【静岡県知事選】「選挙戦の現場」コロナ禍で制約がある中…頼みはSNS 若い世代に届いているの?

 コロナ禍の選挙で制約がある中、両候補はSNSを活用し、アピールを続けています。若い世代に身近なSNS。訴えは、どのように届いているのでしょうか。

画像: 【静岡県知事選】「選挙戦の現場」コロナ禍で制約がある中…頼みはSNS 若い世代に届いているの?

学生:「少なくとも私はあんまり興味がない。テレビをつけると知事選のことをやっているので、そこで見る程度。政策とか若者中心ではないのかなって」

 直近2回の投票率が5割を下回った静岡県知事選挙。前回は20代の投票率が23.59%と、世代別で最も低くなりました。

 今回の選挙戦では、両候補とも若い世代に身近なSNSを積極的に活用しています。

川勝氏の陣営 学生がオンライン演説会を準備

中野結香アナウンサー:「川勝候補の事務所です。こちらでは学生が中心となって、これから行われるWEB演説会の準備を進めています」

 現職の川勝平太氏の陣営。学生ボランティアの1人は…

学生ボランティア:「学部が法学部、政治のことや法律のことを学んでいるが、実際に現場のことを学んでいないと感じて、大学4年になったタイミングで県知事選があるというのはいいタイミングだと思って参加した」

●オンライン演説会
(川勝氏画面に向かって手を振る。学生がカメラを調整)

 演説会の中では、こんな場面も。

●オンライン演説会
「事前に質問が寄せられていて、そこら辺について知事のコメントを頂けますでしょうか」
「はい、あの~」

 見ている人から質問を受け付け、双方向でコミュニケーションをとっていました。

学生ボランティア:「政治を知る選択肢が少ないのかなと思っているので、その選択肢を増やすことかなと思っています。いかに柔らかい言葉で発信するかと、発信しているのが大学生というのも若い人の目線で発信ができるんじゃないかなと」

岩井氏の陣営 広報担当の県議がtwitterを発信

 一方、この日、自民党推薦の新人・岩井茂樹氏の街頭演説には、続々と大物議員が駆けつけていました。その近くでは。

中野アナ:「岩井陣営の街頭演説が行われていますが、その後ろでは広報を担当する木内議員がtwitterで発信をしています」

中野アナ:各地回って投稿してる?

木内満県議:はい、そうですね。ずっとついていっていますね。大変ですよ(笑)。SNSどうやるって決めた時は、今の時代、Twitterのアカウントを持っていないと、インターネットの世界に人格がないようなもの」

演説中に写真を撮影し、リアルタイムで内容を発信していました。

木内満県議:「運営をしていて思うのは、世間の注目が高まらない時期は、あげてもあまり見てくれない。SNSで関心を喚起するってことが出来ていないのが現状なので、それがこれからの課題かなと思っています。議員ではない人に(SNSに)出てもらって、そういう人から興味をもらえるような映像コンテンツをいれて、なるべく幅広い人に興味を持ってもらえるようにしています」

若者は…

 両陣営とも、毎日情報を発信していますが、若者には届いているのでしょうか。

中野アナ:今回の知事選で2人ともSNSを使った活動もしているんですが?

学生:全く知らなかった。

中野アナ:アカウントですか?

学生:いや(見たことが)ないです。SNSを使うんだったらその人が”普段”どういうことを考えていたり、この意見についてはこう思っているっていうのを自分の意見を中心に発信してほしい。

 SNSは、気軽に見られるツールですが、2週間余りの選挙戦で有権者に浸透させるのは難しいようです。

 主権者教育について研究している専門家は、SNSを使った選挙戦の課題をこう指摘します。

静岡大学 井柳美紀教授:「静岡県ではSNSを使った選挙戦が本格的に始まったのは、昨年の衆議院の4区の補選。まだSNSを活用したことが選挙結果に結びつくまではいかない。有権者が情報をとろうと思えばとれるような状態にはなってきている。ただ、SNSの特性として、情報をとりにいくという能動的な行為が必要なので、関心のない人にどう届くかというのが課題」

 静岡県の舵取り役を決める知事選挙。身近なツールで候補者の訴えを知る環境は整いつつあります。選挙戦の幅が広がる中でも、候補者の声を聞き、判断することの大切さは変わりません。