静岡空港の新幹線新駅構想が再び リニア中央新幹線完成でその実現への扉が開くのか

静岡県民と知事との意見交換会が2日川根本町で開かれ、川勝知事は新幹線の空港新駅について「リニア問題が解決しない限り具体化できない」などと話しました。

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静岡空港の新幹線新駅構想が再び リニア中央新幹線完成でその実現への扉が開くのか

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 2日、川根本町で開かれた、県民と知事との意見交換会。

 ここで参加者から出たある要望…。

参加者:
「空港に駅を造るということを全力でやっていただきたいなと思うんです」

 これに対し知事は…。

川勝知事:
「駅が造れるかどうかの技術的な調査を終えております。できるということです。ただ、すぐに駅を造れるかどうかというのは、あそこも牧之原台地の上ですから、大井川の水で、すべてのトイレも食堂も生活も維持されているので。まずは、このリニアの問題が解決しないことには、その話を具体化できないというそういう状況である」

 2009年に開港した静岡空港。

 県は新幹線が空港の真下を通るという環境を生かして、これまで何度も「空港新駅構想」を唱え続けてきました。

川勝知事(2010年):
「空港の真下に新幹線が走っているので、空港新幹線新駅についても強い決意を持って臨むつもり」

川勝知事(2019年):
「年を追うごとにその重要性が国家レベルでも認識されておりまして、その機能の強化に寄与する新幹線線駅の必要性が高まっているという認識を持っております」

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ところが、JR東海側は一貫してその可能性を否定しています。

JR東海・山田佳臣元社長(2013年):
「仮定・架空の話でキャッチボールさせられるのは非常に迷惑な話だと思っている。

JR東海・柘植康英前社長(2017年):
「空港新駅はありえませんという話で私どもの考え方は首尾一貫している」

JR東海・金子慎社長(2019年):
「静岡空港の下に駅を造る計画はない。困難ということで一貫している」

 空港新駅について、周辺の住民は…。

藤枝市民 60代:
「いいんじゃないですか、空港の活性化につながって。期待してる。静岡駅のこだまを少なくするとか、掛川駅のこだまを少なくするとか、ダイヤの編成は容易にできるのではと思っている」

藤枝市民 20代:
「空港の近くだったら別に要らない」

Q飛行機に乗る時はどこから乗る?

「普通に成田とか東京のほうから行くか、関東に行く」

画像: ところが、JR東海側は一貫してその可能性を否定しています。

そもそも、新幹線と空港が結ばれることはどんな意味を持つのか?

航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏は・・・

鳥海高太朗氏:
「仮に新幹線の駅が静岡空港にできた場合においては、例えば新横浜とか小田原、豊橋といった周辺のエリアからの利用も望めるし、何よりも外国人において、駅が直結ということで、そのままJRの乗り放題の外国人パスを使って旅行するという流れが出てくるのではないかと思う」

 一方で、JR東海側は空港新駅が難しい理由について、次のように話しています。

JR東海・金子慎社長(去年10月):
「静岡空港っていうのは静岡と掛川の間、特に掛川から15キロぐらいの所に空港があって、ずいぶん駅間が短い駅を計画されてということなので、スピードの問題でも、あるいはダイヤの構成の問題でも難しいところがあって駅を造ることは難しい」

 先日、岸田総理はリニア開業後の新幹線の「ひかりの増便」について国として調査すると言及。

 川勝知事もこの調査の結果が空港新駅構想にも結びつくとしています。

Q:リニア問題の行く末というのが最初にあって、そのあとに「空港新駅」が付属する?

川勝知事(きのう:川根本町):
「はい。したがってこの8月までに、今年の夏までに政府が方針を決めるというふうに言われた。2027年に仮に開業した後、最低10年大阪まで開通にかかる。その時にどのくらいのメリットがあるのかということと、それから全線開通した時のメリット、両方分けて考えるべきだと。だからそれについて検証する時が来ている」

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