4月までに7000品目の食品値上げへ…消費者の防衛策は なぜ?スーパーに最も厳しい値上げは『電気代』 静岡
私たちの生活に重い負担として押し寄せている“物価高騰”の波。静岡市の消費者物価指数を見てみると、1月5日に発表された最新の数字(11月分)では、前の年の同じ月に比べて4.3%上昇しています。
消費者「まとめ買い」「干物は凍らせて少しずつ」」
スーパーの買い物客に聞いてみると、多くの人が値上げを実感していました。
静岡市民 70代女性:「もー、すごいですね。まずは肉・魚・野菜、パンや卵もね。きょうも卵を買って行かなきゃと思って、何しろ全てです」
Q.1カ月の食費は?
A.「うち6人で14万円…足りないね」
静岡市民 40代女性:「上がっていますね、ジリジリと」
Q.日常の中で工夫されていることは?
A.「やっぱり、まとめ買いがいいかなと。こまめに来るとついつい余分なものを買ってしまうので、リストを作ってこれを買うと決めたもの以外は買わない。買ったら使い切る、無駄にしない」
静岡市民 70代男性(4人家族)
Q.値上がりしている実感は?
A.「してる。自分は年金(生活)なんだけど、年金上がらないしね。もろに今感じている。自分なんか魚が好きだから、干物とかを凍らせておいて、ちょこちょこ出す。刺身とか以前はほぼ来るたびに買っていたけど、買えない」
昨今の物価高騰の背景には円安による輸入コストの増加やロシアのウクライナ侵攻による原材料費や輸送コストの増加などがあります。
スーパー「コストかからないようなるべく近郊で取れたものを」
取り扱う商品の価格が右肩上がりになっている状況に、店側は…。
ヒバリヤ営業本部 山岸達也部長:「ここ2年くらいですかね、値上げが徐々に徐々にあって、値上げしているなというのを感じます。お客様になるべく安く買っていただきたいので、少しでも安い時の在庫をもっておいて販売するとか、工夫を最初のうちはするんですけど、じわりじわり上がってきてしまうと、それがもう追い付かないような状態というのが現状」
元々、天候などによって価格の変動が起こりやすい野菜も、生産地によっては物価高騰と無関係ではいられないといいます。
ヒバリヤ営業本部 山岸達也部長:「どこでも取れる野菜というよりも、やはり九州の有名なもの、北海道のものとなると、そこから運ぶコストがガソリン代とか諸々上がってきているというのが大きい。やはりおいしいもので、北海道のものというのはしっかり扱うということはするけども、どこでも取れるものに関しては、なるべく静岡近郊で取れたものを取り扱って、なるべく物流コストがかからないように仕入れを工夫しています」
7000品目の食品値上げへ
今年は4月までの間におよそ7000品目の食品が値上げするとされています。(帝国データバンクまとめ 国内105社への調査)
ヒバリヤ営業本部 山岸達也部長:「袋麺とカップラーメン、大きく値上がっているなと実感」
カップや袋など、梱包資材に石油が使われていることもあり、インスタント食品は去年軒並み値上げされたそうです。(カップ麺 去年:約138円~148円→現在:約168円)
ヒバリヤ営業本部 山岸達也部長:「物によってですが、(前年比で)20円から30円ぐらい値上げしている商品もあります。特にカップラーメンは何十年もずっと100円以下という商品が多かったので、それが値上がっていると生活の中で値上がっているなと実感すると思う」
「油」から広がる値上げの連鎖
食品の値上げが相次ぐ中、特に目立つのが“油”に関わるもの。食用油の値上げは別の商品にも連鎖しています。(食用油 2年前:約178円→現在:約378円)
ヒバリヤ営業本部 山岸達也部長:「ドレッシング関係、マヨネーズ関係もまた値上がり…」
Q.こちらも値上がりしている。
A.「そうですね、ただそうなんですけど、少しでもお客様に安い状態で買ってもらえるようにということで、うちはCGCキューピーの商品を扱っています。CGCの場合は一流ブランドでPB(プライベートブランド)をつくるのがコンセプトにあるので」
「CGC(シー・ジー・シー)」とは全国の中小スーパーマーケットによる共同出資で成り立っているプライベートブランド。広告・宣伝費をかけないことで、低価格を実現しているといいます。
食用油の値上がりによって、客の“買い物の仕方”にも変化があったようです。
ヒバリヤ営業本部 山岸達也部長:「油の値段が上がってしまったことで、家で天ぷらや揚げ物をする機会をなるべく少なくしようという、たぶんお客さんの思考から、特に年末は海老天を揚げますので、うちの海老天がすごい売れました」
最も厳しい値上げが『電気代』
こうした中、店の経営にとって最も厳しい値上げとなっているのが…。
ヒバリヤ営業本部 山岸達也部長:「一番値上がりを感じているのは電気代です。やはり新鮮な果物・野菜を扱うので、冷ケースはなくてはならないもの。それに携わる電気代はすごく上昇しているのが、一番苦労しているところです」
特別にバックヤードに入らせてもらいました。
ヒバリヤ営業本部 山岸達也部長:「青果の冷蔵庫です。物がある以上は冷やしておかなければならないので(24時間)回しています。青果・精肉・鮮魚・惣菜フロアというところで、基本的に冷蔵・冷凍ありますので10台はある。夜間に(電気を)消す場所をつくって荷物を全部移動させるとか、ちょっとお客様にご迷惑をお掛けするのですが、(店頭の一部)電気を消したり、細かなことをやっているが、(全8店舗で)5000万円ぐらいいっちゃうかなというのが現状」
Q.年間で5000万円ですか?
A.「うちの全店舗でそのぐらいです。使用料は減らす努力はしているけど、それでも電気代は(去年より)上がっている。値上げというのは時代の波というか、これは仕方がないのかなという一方で、お客様が食費が上がって苦労されることをなるべく避けたいので、その都度その都度、工夫をしながらやっていかなきゃならないのが現状ですね」