【解説】国民静岡県連・榛葉会長は合流新党に不参加…自身の選挙は5年後、今後を見極めたい思惑か
市川:国民民主党県連に所属する国会議員は衆参合わせて4人です。そのうち、日吉氏は合流新党への参加を表明。渡辺氏と源馬氏は参加に前向きとみられています。そして、県連会長を務める榛葉氏は合流新党に参加しない意向を表明しました。
石田アナ:榛葉氏が参加しない決断をした理由は?
市川:大きな理由は、新党の綱領案に盛り込まれた「原発ゼロ」です。県内全域を選挙区とする参院議員の榛葉氏にとってどうしても欠かせないのが、最大の支援組織・連合静岡の力です。連合静岡は県内に20万人の組合員を抱えているとされ、その支援なしでは選挙を戦えない事情があります。連合の傘下には産業別の組織がありますが、その中には中部電力の労働組合など、原発を推進する電力総連があります。
関係者は「連合内が一本化されない中で、榛葉氏は今、合流新党に加わることは得策ではないと判断したのではないか」と話しています。
石田アナ:連合を構成する組織の中でも、合流新党への考えが割れているということですか?
市川:そういうことになります。電力総連が合流新党を支援しない意向を示せば、それに関連する複数の組織が同調するとみられます。榛葉氏の次の選挙は5年後で、そこまで十分に時間があるので、連合静岡の動きや、合流新党の今後を見極めたい思惑があると考えられます。
石田アナ:榛葉氏の不参加で国民民主党県連は、どうなるのでしょうか?
市川:これで国民民主党県連の国会議員は分裂を避けられなくなりました。中央も県内も数の上では、合流新党が大きくなります。ただ、2016年から県連会長を務めている榛葉氏の影響は県内では決して小さくありません。合流新党不参加を表明した榛葉氏とここでたもとを分かつことになれば、関係が悪化する恐れもあり、地方議員は難しい判断を迫られています。ある県議は「大きな流れに乗らざるを得ないが、榛葉会長を敵に回せない」と困惑しています。結果的に無所属を選ぶ地方議員も出てくることになりそうです。