アクセス集中でシステムに不具合か…中小企業支援の補助金申請でトラブル 川勝知事「早く正常に戻して要請に応えたい」 静岡県

中小企業を支援する静岡県の補助金申請で、事業者の情報が漏えいし、システムが停止した問題で、川勝平太知事が「早く正常に戻して要請に応えたい」と話す一方、申請を予定する企業からは不安の声が聞かれます。

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アクセス集中でシステムに不具合か…中小企業支援の補助金申請でトラブル 川勝知事「早く正常に戻して要請に応えたい」 静岡県

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画面には「現在、申請受け付けを一時的に中止」

須藤誠人アナウンサー:「中小企業向けの補助金の申請受け付けページがこちらです。申請の受け付けは先月の28日から始まりましたが、開始からまもなくしてシステムの不具合が起こり、クリックをしてみると現在もこの先には進めない状態が続いています」

 11月28日、静岡県は中小企業を支援する新たな補助金制度をスタートさせました。新型コロナや物価高対策として、経費の3分の2、最大50万円を助成するというものです。ところが…。

静岡県経営支援課 平山伸一課長(11月29日):「(11月28日の)午前10時から補助金の受け付けを開始して、始まってから皆さん申請をいただいて、午前11時半前後には予算枠8億円に到達したという状況。その時点で受け付けは終了するとHPでアナウンスした」

 補助金を申請するための専用のウェブサイトを開いてみると、画面には「現在、申請受け付けを一時的に中止」との記載が表示されます。その横で、現時点の申請状況を確認しようとすると…。大きく「公開されていません」とエラーが表記されます。

静岡県経営支援課 平山伸一課長(11月29日):「2700件ぐらいの方がすでに申請をされて、その申請額の合計が10億円を超えていたという状況」

 申請が殺到しすぎたことで、システムに不具合が発生した可能性もみられています。

画像: 画面には「現在、申請受け付けを一時的に中止」

銀行口座、確定申告書の一部情報などの漏洩も

 また、補助金をめぐるトラブルはこれだけではありません。県によると申請した事業者から「他社の申請内容が閲覧できる」と情報が寄せられ、調査を行ったところ、少なくともすでに申請していた1社の事業者名や銀行口座、確定申告書の一部情報などが外部に漏れていたことが発覚しました。

 こうした一連の騒動に、川勝知事は─

静岡県 川勝平太知事(1日午前):「3000件近く一気に(アクセスが)集中して、システムに不具合が生じて、ちょっと時間がかかって申し訳ないと思うが、お金は準備しているので、出さないっていうことはないので、ちょっと辛抱していただいてと思う。なるべく早くシステムを正常に戻して要請に応えたいという状況。」

 こうした状況に、申請を予定していた県内企業からは不安の声が聞こえてきます。

画像: 銀行口座、確定申告書の一部情報などの漏洩も

申請予定の企業「システムの不具合は想定していなかった」

山亜里製茶 増田有美社長:「ちょっとシステムの不具合みたいのは想定していなかったので、少し驚いたというか、申請が通っていないということで中途半端な状態」

 御前崎市で明治時代から続く「山亜里(やまあり)製茶」。牧之原の荒茶を仕入れて加工し、小売店などに卸しています。

山亜里製茶 増田有美社長:「事業が卸売りが中心なので、やはり得意先のお客の事情によりダイレクトに影響をうけてしまうところがあって、お客さんの価格に転化することはできないところがあるので、大きく影響を感じている」

 コロナ禍や物価高の影響を受けていたなかで、今回の補助金制度はまさに“助け船”でした。

 こちらでは今回の補助金を使い、作業環境の改善と経費削減のため、工場内の照明のLED化を計画していました。

 ただ、それも申請が進まないことで、宙に浮いた状態となっています。

山亜里製茶 増田有美社長:「中小企業の経営っていうのは厳しい状況にあると思うので、それだけ申請を検討してしっかり準備していた人が多かったということだと思うし、実際それだけ補助金の重要性があるということで、受け入れキャパシティというか、そこが甘かったかどうかはわからないが、順調にいけばよかったかなと思う」

画像: 申請予定の企業「システムの不具合は想定していなかった」