【詳報】市長ら怒り収まらず…閉山中の富士登山で相次ぐ遭難 「公金救助が無謀な登山を助長」 救助費用の有償化に向け活動 静岡
閉山中の富士登山での事故が相次ぎ、静岡県内の地元市長から苦言が呈されている問題。周辺の4市1町が集まった会議でも批判が噴出しました。
富士山の閉山中は救護所、山小屋が営業していないうえに、猛烈な吹雪や突風に見舞われることが多く危険なことから、山頂までの登山道は通行が禁止されています。違反すると6カ月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金が課される可能性があります。閉山中の富士登山をめぐっては、4月、滑落して30代の日本人男性が死亡したほか、外国人観光客の救助要請も後を絶たない状況です。
こうした事態に度々苦言を呈しているのは、静岡県富士宮市の須藤秀忠市長。
11日の定例会見では…。
静岡県富士宮市 須藤秀忠市長:「自己責任になっていない。遭難したら助けてもらえばいいというのは、とんでもない話。もし(救助隊の)2次遭難があったら我慢できないっていう怒りになってきますよね。冗談じゃない」
須藤市長は、知事に対して複数回救助ヘリの有償化など抑止策を講じるよう要望していますが、実現には至っていません。こうした中、12日に富士山周辺の富士宮市、御殿場市、小山町、裾野市、富士市の4市1町が参加し、富士山ネットワーク会議が開かれました。会議は富士山に関する様々な分野で連携を図り、課題解決に取り組むため、年に2回開いています。
会議冒頭のあいさつでは、相次ぐ無謀な富士登山に苦言が止まらず…。
富士宮市 須藤秀忠市長:「安易な登山が後を絶たない状況・現状に強い危機感を持っております。もはや看過できる状況、段階ではない。救助費用が公的負担となっている現行の仕組みでは、結果として無謀な登山を助長しかねない側面がある。遭難者の一定の費用負担のあり方についても踏み込んだ検討が必要な時期に来ている」
御殿場市 勝又正美市長:「富士山の麓の町として、世界文化遺産の富士山で事故が多発することは地元としても非常に悲しいことだと思っている。入山禁止の徹底、救助費用のあり方、自己責任、会議の総意として、取り組みができればいい」
裾野市 村田悠市長:「登っちゃいけない時に登っちゃいかん。(遭難したら)タクシー代わりにヘリコプターを使う。とんでもない話」
その後、非公開で意見が交わされ、4市1町で国会議員や県に救助費用の有償化を要望することで一致しました。
会議後に静岡朝日テレビの取材に応じた須藤市長は、「富士山を守ろうという気持ちはみんな一緒で、さらに団結を強くした」と振り返り、救助費用を本人や家族に負担させることで、無謀な登山を抑止したいと強調しました。
富士宮市 須藤秀忠市長:「閉山中に富士山に登ること自体非常識なこと。非常識なことを平気でやるのは、人としてモラルに欠けると思う。そうならないように戒めていかなければならない」
そのうえで、困ったときは助けてくれるという気持ちでは、命がけで行く救助隊を危険にさらしているとして、「閉山中は富士山に登るな、迷惑をかけるな」と怒りをにじませています。