「うなぎパイ」に女性職人が誕生…65年の歴史で初 血だらけ修行を乗り越え、重労働で腕ムキムキに 手作業で1日20万本・9000層のパイ生地重ねる職人技
静岡のお土産として定番の「うなぎパイ」が発売から今年で65年。伝統や技術を次世代につなぐ女性職人を取材しました。
サクサク食感が特徴の浜松市の銘菓、春華堂の「うなぎパイ」。JR浜松駅のお土産ランキングでは、 常にトップをキープしてきました。
●愛知県から:
「机の上に置いておいたらすぐになくなっちゃう。みんな好きだから」
●出張で浜松に:
「やっぱりソウルフード。家族に買って帰ろうかなと思って買った」
1961年に誕生して以来、うなぎパイには変わらない製造過程があると言います。それが・・・
修行を積んだ「うなぎパイ職人」の生地作りです。手で生地をこね、めん棒で伸ばす作業。その数なんと1日20万本分! 年間では、およそ8000万本分を手作業で伸ばしています。
うなぎパイ職人の清瀧さんによりますと、一人前の職人になるには、長年の修業が必要だと言います。
●清瀧貴之さん:
「(めん棒が手に当たり)最初は血だらけになる。それがどんどん固くなってきて、たこになって、痛くなくなる」
身体に負担がかかっても、手作りにこだわる理由があります。
●清瀧貴之さん:
「あそこまでの層は機械にはできない」
パイの生地は、およそ9000層。機械で生地を折るとばらつきが出るため、一つひとつ重ねていきます。この手法が、サクサク食感を生み出す秘訣です。
うなぎパイ作りは、手首や腰に大きな負担が伴う重労働のため、暗黙のうちに「男性の仕事」とされてきましたが、近年、初の女性職人が誕生しました。
●清野麻由美さん:
「必要な筋肉をつけるためにプロテインを飲んだり、ストレッチをしたりした」
清瀧さんの元に3年前、弟子として入ってきたのが、初の女性職人、清野麻由美さん。「職人」への憧れと、地元の名物を作る一員になりたいという想いから、うなぎパイ職人の道に飛び込みましたが…
●清野麻由美さん:
「最初は本当に体中が痛くて痛くて、寝て起きても痛い。回復する間がない」
厳しい修行にも、「職人になる!」という強い気持ちで耐えてきました。
●清野麻由美さん:
「自分に負けたくないというのがあり、職人の皆さんができているんだから、私にもできるはずだと思いながら自分を鼓舞してやっていて、きれいな製品や、ちゃんと焼き上がりもきれいな状態を出したい」
さらに、重労働に負けない体づくりにも取り組んできました。
●清野麻由美さん:
「筋肉が見えるようになって腹筋も割れて、 腕がもりもりしてしまって恥ずかしくてノースリーブが着られなくなった」
そうした清野さんの頑張る姿は、 周囲も変えていったと言います。
●清瀧貴之さん:
「女性が入ったことが結構大きくて、清野さんが入ったことにより、教え方がやさしくなったことを自分も感じている」
地元の銘菓を守るため、試行錯誤しながら師匠から弟子へと受け継がれている職人魂。 今年の春には2人目の女性職人が誕生しました。
初代女性職人として、 二代目、三代目の女性職人育成にも期待がかかる清野さんの今後の目標は・・・
●清野麻由美さん:
「一日でも長くうなぎパイを作ることに携われるよう、健康に気を付けて続けていく」