1340円が3500円に“強気値上げ”した秘境路線の1カ月後…客は減ったが売り上げ増加 「半額なら乗りたい」観光客の声も  静岡・大井川鉄道井川線

大井川鉄道 鳥塚亮社長(7月1日):「他では体験できないものがここにはある。十分楽しんで納得いただける料金設定と考えている」

7月、「観光列車」としてのスタートを切った、大井川鉄道・井川線。観光客の減少を懸念する地元からは反発の声があがり、大幅な値上げを前に、「駆け込み客」も多く見られました。

千葉県から60代女性:「ちょっと高いと思う」

神奈川から70代男性:「半額なら乗りたい」

 観光列車化によって、変化は…?

大井川鉄道広報 山本豊福さん(7月30日):「利用者は残念ながら若干落ちている」

 「観光列車」が走り始めて1カ月。井川線の「いま」を取材しました。

大井川鉄道井川線
大井川鉄道井川線

観光列車化1カ月 井川線の現状は?

 「観光列車」として走り始めた、大井川鉄道・井川線。千頭駅から井川駅までの運賃は、6月までは大人片道1340円。それが7月以降、「観光列車」の場合3500円になりました。7月30日の午前9時すぎ、千頭駅には、観光客や鉄道ファン、10人ほどが集まっていました。

千葉県から70代男性
Q:値段についてどう思う?
A.「ちょっと割高かなと思うが、客もそんなに多いわけではないだろうから、ある程度仕方ないと思う」

千葉県から60代女性:「そうそう何度も来られる場所でもないので仕方ないと思う」

千頭駅
千頭駅

 大井川鉄道では、「大井川本線」の一部が、4年前の台風の影響で、不通の状態が続いています。列車とバスを乗り継いで、井川線に乗りに来たという男性は…。

神奈川県から20代男性:「賛否両論いろんな意見があったかと思うが、私も乗ったことがないので、乗ってみて意見を考えたい」

 「観光列車化」は、いわば“生活の足”からの脱却。観光客をメインターゲットに据えて料金を引き上げるとともに、新しいプランの提供も始めています。

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 その一つが、お弁当や温泉がセットになったプランです。

大井川鉄道広報 山本豊福さん:「これが、井川線が観光列車化になってから、お弁当付きプランというのを始めた、そのお弁当です」
堀優奈アナウンサー:「ありがとうございます」

 午前9時15分、井川行きの始発列車が出発しました。のんびりとしたスピードで、大井川に沿って進んでいきます。早速、気になるお弁当をいただきます。

堀アナ「うわぁおいしそう」
山本さん「千頭駅前の飲食店で、このあたりの食材にこだわって作ったお弁当」
堀アナ「たっぷりですね」
山本さん「たっぷり。このお魚、このへんで育てているアマゴのから揚げ」
堀さん「おいしい、さくさくですね」

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 ほかにも、シイタケのフライや、川根茶と大豆のかき揚げなど、地元食材をふんだんに取り入れています。(観光列車往復7000円 セットプラン7700円)

堀優奈アナウンサーと山本豊福さん
堀優奈アナウンサーと山本豊福さん

 千頭駅を出発して40分、列車は「アプトいちしろ駅」に到着。次の「長島ダム駅」までは、「アプト式電気機関車」を連結します。

@アプトいちしろ駅
山本さん「2本のレールの間に歯型のレールがある。今から来るアプト式電気機関車の床下には歯車がある。それをかみ合わせて、この先の急勾配を安全・確実に登り降りするというのが、日本ではここしかない」

堀アナ「日本で唯一ですか?」
山本さん「そう」
堀アナ「すごい、皆さん降りていますね」
山本さん「連結風景は、みんな見たい」

 列車は、日本一の急勾配を登っていきます。

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 向かったのは、「接岨峡温泉駅」。

@接岨峡温泉駅
山本さん「接岨峡温泉駅に着きまして、で、こちら、森林露天風呂があるんです。ここのお風呂の入浴券と乗車券がセットになったものを扱っているんです」

堀アナ「駅を出て目の前に露天風呂があるんですか」
山本さん「そう、ほんとの駅前温泉」

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 駅から徒歩30秒の場所にある、民宿「森林露天風呂」。トロトロの泉質が評判で、日帰り入浴も受け付けています。

 観光列車往復7000円セットプラン6700円(日帰り入浴料700円含む)。「入浴券付きセットプラン」は、乗車料金の割引と入浴料も合わせて、通常よりも1000円お得。

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 ただ、期待通りの集客にはつながっていないようです。

森林露天風呂 長嶋すずさん:「(セットプランの)お客が、7月に入って7人。(井川線の)金額が高いから、お風呂に入るのをセットにして安くしようと、(大井川鉄道が)やってくれた。今は暑いからセットで来ても、(温泉に)入らない人のほうが多いのでは」

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 続いて向かったのは、“絶景駅”として知られ、世界中から観光客が集まる奥大井湖上駅。「湖上駅カフェ」でコーヒーと引き換えられるチケットがセットになったお得プランが人気だといいます。

 観光列車往復7000円 セットプラン6500円(コーヒー550円含む)。

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 初めて訪れた、観光客は…。

観光客 愛知県から40代(女性):「すごく素敵でした。簡単には来られないところですね」

観光客 愛知県から60代(女性):「秘境の駅で、すごくテレビで見るものだから、遠いけど1回来てようかって。実際に見ていた写真の場所に立っているのがすごく新鮮」

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 一方で、観光列車ではなく、最寄りの駐車場から40分歩いてきた人も…。

観光客 神奈川県から70代(女性):「記念に乗るのはいいかなと思ったんですけど、4人で乗るのはちょっとね…」

観光客 神奈川県から70代(男性):「3500円はちょっと抵抗がある。半額だったら乗りたい」

 再スタートを切った、井川線の最初の1カ月。乗客は、去年の7月に比べて1割ほど減少しましたが、客単価が上がったことで、売り上げは増えたといいます。波紋を広げた、大幅な値上げを伴う「観光列車化」。鉄道の存続と、地元観光業への貢献を両立する方策として、今後も様々な仕掛けを検討していく考えです。

大井川鉄道広報 山本豊福さん:「今まであまり確立されなかった収益の体質が7月1日から形ができたことは非常に良かったし、鉄道を通して、この地域を一緒に盛り上げていく体制ができつつあると思う」

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