「リニア問題 最後は一緒に乾杯できれば…」 静岡・川勝知事 新春知事対談(後編)
大井川の水問題を強く訴え、JR東海と対峙してきたリニア問題。去年12月には、国の有識者会議が中間取りまとめを発表し、国は、JR東海に対して静岡県が求める「トンネル湧水の全量戻し」の方法を検討することや地元の不安を払しょくするよう真摯な対応などを求めました。
大きな節目を迎えたリニアの水問題。川勝知事は、解決への新たな糸口を見つけることはできるのでしょうか。
理解してどう判断するかが今年の課題
静岡県
川勝平太知事:「全量戻しができればあまり地下水に影響はないでしょうと書かれている。全量戻しはというとトンネルを掘削中は戻せないと、戻す技術を持っていないことを確認したと書かれている。これそれぞれの立場で理解して 理解して受け入れるのか、受け入れがたいというのか、いよいよ我々の判断が問われる」
石田和外アナウンサー:「知事はJR東海が真摯な態度で丁寧な説明をしたとして、この工事について現状で受け入れる気持ちはあるのですか」
川勝知事:「難しい、全量戻せないということでしょ」
石田アナウンサー:「JRができるようになる可能性はありますか」
川勝知事:「あるかもしれない。技術のブレークスルーは可能性を拓くこと、今の技術ではできないと言っている。どうすれば両立できるか、JR東海も必死で考えている。日本の技術の粋を集めて、何とかこの技術的にできないこれを克服するかと考えているに違いない。私がもし相手の立場なら本当にできないかもう一度考え直す。いたずらに延ばすわけにはいかない。コストがかかるから。
ウインウインの関係をどう作っていくかということを、お互いがする必要がある。南アルプスの水資源や環境は譲れないが、JR東海とケンカすることではない。
意思決定はそれぞれ持っている。相手の工事を受け入れるか、相手は工事をする主体。それを尊重しつつ彼らが意思決定しやすい、誰も分かるような意思決定をすると良かったねとなって、最後は一緒に乾杯できればいいと思っている」
乾杯の時期は人の心次第…
石田アナウンサー:「いたずらに時間をかけられないと言っていたが、乾杯をする時期は」
川勝知事:「人の心次第。一気に変わる、その時点で。意思決定者が全体を見ながら決めたら、その時が決め方によるが。皆さんに喜んでもらえる方法を考えるのがトップ」
石田アナウンサー:「JRと乾杯できるようにとあったが、どのような形になることを望むのですか」
川勝知事:「技術も活きる、国立公園も守られるように両立できるようになるような道筋ができれば。それは可能だと思うが知事の立場では決められない。私の立場は命の水を守ると、考えを押し付けることはできないので。書いてあることは残るので。一度も変わっていない。ブレていない」
石田アナウンサー:「いたずらに時間をかけられないが、どのくらい見込んでいますか」
川勝知事:「人の心次第。一気に変わる。人が決めるわけなので。意思決定者が全体を見ながら帰ればその時が決め方によるが誰にも分るように説明しなければ。喜んでもらえる方法を考えるのがトップだと思うがそのような話ができればいいなと思うが。金子社長が決めたわけではない。決定すればそのとき」