【解説・静岡市長選】田辺市長「不出馬」の理由は? 一部経済界が難波元副知事支援に回ったワケは?
石田和外アナウンサー:ここからは取材を続けている県政キャップの根方記者とお伝えします。
根方ゆき乃記者:よろしくお願いします。
田辺市長不出馬の理由
石田アナ:「不出馬」を明言した田辺市長は、今回の台風15号の対応の責任について強調していましたね。
根方記者:関係者によりますと、田辺市長の周囲からは台風による被害後、「もう応援できない」という声も上がっていたようです。ただ、出馬しない決め手となったのは、『選挙に勝てない』と判断したことだと思います。
不出馬に至るまでの経緯
根方記者:田辺市長はことし夏ごろまでに出馬への意欲を周囲に伝えていて、その頃、これまで支援を受けてきた経済界の関係者と面談を重ねるなどしていたといいます。
ただ、そのあと難波元副知事が立候補する話が伝わってくると、これまで支援を受けてきた経済界の一部が難波さんの支援に回り、田辺市長に出馬を断念するよう求める動きへとつながりました。
田辺市長としては最後まで意欲を持ちながらも、出るに出られない状況に追い込まれたんだと思います。
2日、「熟慮に熟慮を重ねた」と話した田辺市長ですが、11月上旬以降、ごく近しい関係者に出馬しない意向を伝えていたことが明らかになっています。
支援者の間では「早く表明してほしい」という声もあがっていたといいます。
難波氏支援の動き、なぜ
石田アナ:経済界は、なぜ難波さんの支援に回った?
根方記者:ここでも田辺市長にとって痛手となったのは災害対応です。関係者によりますと、大規模な断水被害が起きた清水区を中心に批判が高まり、田辺市長を支援してきた清水区の有力企業や有力団体に難波さんを支援する動きが出始めたことで風向きが変わりました。
自民の動きに注目
石田アナ:田辺市長が出馬しないとなれば、気になるのは今後の動きですが…。
根方記者:今後ポイントになるのは自民党の対応です。自民党静岡支部はすでに「田辺市長支援で一本化すること」を決めていますが、「新たな候補者を擁立するのか」「別の候補者の支援にまわるのか」、これからゼロベースで話し合うことになります。
関係者によりますと、自民党静岡支部の中には、田辺市長を支持する意見があった一方で、難波元副知事の支援を模索する動きもあるといいます。
市議の中には「難波氏を支援することはできない」と反発の声もあり、支部として一枚岩で対応できるかは不透明です。
市議会最大会派の自民党が、選挙後の議会運営も見据えてどのような選択をするのかが焦点です。