J1残留に正念場…きょう運命の静岡ダービー エスパルスの守護神・権田選手の決意に松木安太郎さんが迫る 「苦しんで苦しんで、その先に勝利がある」
松木さん:ご無沙汰です、よろしくお願いします。FC東京時代に取材した、あの頃は何年前?
権田選手:10年前、たぶんロンドン五輪のあたりか。
松木さん:あー、オリンピックの頃。
ゴールキーパー・権田修一。日本代表、そしてエスパルスの守護神である33歳。今シーズンも抜群の反射神経で、チームのピンチを何度も救いました。J1残留へ正念場となる残り3試合。最後の砦はこの危機にどう立ち向かうのか、松木さんが直撃しました!
「10年前と気の持ちようが変わった」
松木さん:相当10年前と比べて、拝見しててすごくいいセーブが目立つ。ご自身の中で、何か変わったことは?
権田選手:気の持ちようは変わったかもしれません。昔は本当に「The 完璧主義者」でした。全てが整ってないと気が済まなかったのが、より許容できる幅が広がりました。今は「捨てられる」部分と「ここは絶対」という部分をしっかり出来るようになった分、『ここ』という所の集中力は増したかなと思います。
松木さん:けがの具合はどうですか?
権田選手:とりあえず今は22日の静岡ダービーでプレーするために全力で準備をしているところではあります。あとワールドカップも控えている、その状況でこうやってけがをしてしまって、いろいろ難しいですけれど、これも僕の選んだ運命というか人生なので、しっかりこれを乗り越えたい。
「絶対に負けちゃいけないのは気持ちの部分」
18日火曜、エスパルスの練習には、ゴールを守る権田選手の姿がー。この日、ミニゲームを含むフルメニューに参加しました。権田選手は ディフェンス陣に積極的に声をかけ、静岡ダービーへ向け 入念に連係を確認しました。
松木さん:ジュビロの話をするのは僕も心苦しくて、同じ静岡勢という事で、どうですか、ジュビロの試合に関して具体的にどういったことが大事か?
権田選手:鹿島戦の失点した後のアグレッシブさ。最下位と5位のチームの試合ではない。ジュビロはどことやってもいいゲームが出来る。まず、絶対に負けちゃいけないのは気持ちの部分。「死にもの狂い」と簡単に言うが、本当にそういう気持ちで来ると思う。それに僕らが「うまくいなせばいいでしょ」みたいな感覚でいくと、絶対に食われるので。もう、1秒も相手に支配させちゃいけない、1秒も相手に隙をつくらせちゃいけないという緊張感を、チームで皆が求めていかないと。本当少しの隙で、フロンターレ戦も少しの隙でやられてしまったので。ジュビロもその一瞬の隙を突く、レベルの高い人たくさんいるので、そこは求めていかないと危ないと思います。
「苦しんで苦しんで、その先に勝利がある」
現在、リーグ17位のエスパルス。それでも、22日の静岡ダービーに勝利すれば、J2降格圏から抜け出せます。目指すは 5試合ぶりの勝利です。
松木さん:よく僕らも感じることがあって、本当に勝つのはきついなと思わないと選手が、それぐらい動いて初めていいゲームになるという印象がある。
権田選手:リカルド監督がたまに練習で「勝つチームというのは絶対苦しんで勝つんだ」と言う。基本的にはラストは苦しんで苦しんで、その苦しみの先に勝利があると言うので。僕ら次第。そこを「もう苦しいから無理」となったら、たぶんひっくり返されるし。本当は毎試合チアゴ サンタナがハットトリックして、気付いたらあれっ、3試合で得点王ぶっち切るのが一番いいが、そう簡単にはいかない。
松木さん:でも分からない、それもあるかもしれない。
権田選手:僕らがまず、勝つために出来ることは「ゼロ」に抑えること。失点を限りなく少なくすることなので、そのために苦しんでいきたい。
(10月21日放送)