大相撲秋場所の千秋楽で惜しくも初優勝を逃した熱海富士 県内各地から熱い声援が

24日大相撲秋場所の千秋楽で惜しくも初優勝を逃した熱海市出身の力士・熱海富士。地元・熱海市をはじめ県内のいたるところで熱い声援が送られました。

 勝てば静岡県勢初となる幕内優勝。

 熱海市出身の熱海富士と大関・貴景勝との大一番。

 優勝決定戦・・・行方は・・・

 24日、熱海市役所の特設会場に詰め掛けたおよそ120人の市民。

 中には、熱海市在住の元歌手、橋幸夫さんの姿も…。

 勝てば、熱海富士にとって初めてとなる幕内優勝。

 実は、それだけでなく、優勝すれば“静岡県勢”としても初めてのことになるんです。

 それだけに、今場所の熱海富士は大注目となっていたんです。

沼津市では

 いっぽう、沼津市では…。

白鳥衛記者
「熱海富士が卒業した沼津市の飛龍高校です。パブリックビューイングの会場には相撲部や運動部など多くの在校生が応援に駆けつけています」

Q:相撲部の後輩というところで活躍は見ていた?

飛龍高校相撲部副キャプテン 國次晃輔さん
「見ていました、ずっと」

Q:これまでの試合どうです?

「自分の相撲が取れていて力強い相撲が取れていて、すごいです」

ところが…。

 同じ平幕力士の朝乃山に敗れてしまった熱海富士。

 4敗で並んだ、大関・貴景勝との優勝決定戦に臨みます。

熱海市民:
「とても残念でしたけど、まだまだ余力があるのでいけると思います。」
「優勝します、きっと、力いっぱい応援します」

14歳のころの熱海富士は

7月 熱海市役所 <十両優勝報告 >
「熱海富士バンザーイ!バンザーイ!」

しこ名の通り、熱海市出身の熱海富士関。

現在、21歳。本名は武井朔太郎と言い、このチャーミングな笑顔が相撲ファンからも大人気です。

今年の7月場所で十両優勝を果たした際には、地元・熱海に凱旋。
200人以上の市民がかけつけました。

熱海市 斉藤栄市長と熱海富士(7月)

斉藤市長「本当に感激しました」

熱海富士「また皆さんにいい相撲を見てもらえるように頑張ります」

 強さも人気も兼ね備える若武者は、9月21歳になったばかり。

 土俵で見せる鬼気迫る表情とは打って変わり、プライベートでは音楽鑑賞が趣味で、好きなアーティストは若者を中心に人気のロックバンド「back number」。

 若者らしさが垣間見えます。

 その強さゆえ、学生時代から県内で名を馳せていた熱海富士。

 静岡朝日テレビに当時の秘蔵映像が残っていました。

ぶつかり稽古  三島市 2017年
「えいやー!うぅー!」

 6年前の大相撲三島場所。

 このあどけない表情をした少年が、のちの熱海富士となる武井朔太郎くん、14歳です。

熱海富士(当時14歳):
「楽しみ。関取の人と(相撲を)とれる機会はあんまりないんで、本当に大事にしてとっていきたいです」

ON 当時の取り組み 軽く見せて

関取にぶつかるパワーと物怖じせず立ち向かう姿勢は、中学生離れした迫力で、会場からは拍手が巻き起こっていました。

熱海富士(当時14歳)
「自分の当たりが効いてないのかっていうぐらい、本当でっかくて強かったです」

…と、本人は手応えがない様子でしたが、対戦した力士は。

玉鷲関(当時)
「強かった。いや~強くなると思います、絶対」

熱海富士は3歳下の妹との2人兄妹。

小さい頃から体を動かすのが大好きで、野球に柔道、色んなことに挑戦してきました。

 12歳で相撲に出会い、中学は三島相撲クラブで鍛錬を重ねた熱海富士。

 高校は、数多くの大相撲力士を輩出している全国屈指の強豪、沼津市の飛龍高校に進学しました。

高校時代の下宿先では

 高校に入り、およそ半年間下宿をしていたのが三島市の飲食店です。

光玉母食堂 めし しんちゃん 杉山信二店長:
「素直ですよ。いい子でね。素直に「はい」と返事して。返事して「はい」って言うんですけど聞いていない。そこが熱海富士。プロは行くとは思っていた、正直に言えば。でもここまで来るとは思っていなかった」

 このお店は、県内でも“デカ盛り”で知られる名店です。

 店主は、当時から“大物の予感”を感じていたといいます。

光玉母食堂 めし しんちゃん 杉山信二店長:
「大食感って」いうんですか、今までの歴代の生徒の中で一番食べたんじゃないかな」

練習から帰ってくると、お米4合をペロリと平らげたという大食感っぷり。

 ただ、杉山さんは食事の際に、忘れられないエピソードがあるといいます。

光玉母食堂 めし しんちゃん 杉山信二店長:
「よく僕に怒られてました。怒られたというのも、マイペースなところもあるので、ご飯食べながらテレビを見る。それは僕、嫌いだもんでテレビを消す。「はい、もう見ません」って言って、一生懸命食べてるんですよ。それで大人しいと思ったら、今度は寝てる」

 中でも熱海富士が好んで食べたというのが、焼肉と唐揚げの定食「焼きからセット」

 ただ、熱海富士の活躍を受け、定食のみそ汁をラーメンに変えた「さくちゃんセット」という特別メニューを考案し、25日の昼から提供を始めました。

今後の活躍に期待

 地元からの熱い声援を受け、熱海富士が優勝決定戦で、ふたたび土俵に!

 惜しくも幕内初優勝を逃した熱海富士ですが、

 地元からは、今後も活躍に期待する声が挙がっていました。

観客女性:
「うれしかったです、ここまで来られて、これからも引き続き応援します。よく頑張ってくれました、ありがとうございました」

観客男性:
「もう貴景勝せこすぎる、残念、だけどこれからまだまだチャンスがあるので頑張ってもらいたいと思います」

観客女性:
「まだ若いので、これからずっと応援するので、もっともっと強くなってこれを糧に頑張ってください」

先輩の活躍に、飛龍高校の後輩相撲部員は…。

飛龍高校相撲部 副キャプテン国次晃輔さん 3年
「熱海富士も負けはしましたけど、すごく頑張ってくれたので
熱海富士の背中を追いかけて頑張りたいです」

飛龍高校相撲部 白坂湧人さん 3年
「熱海富士らしい相撲でよかったと思います」

Q:自分自身の練習に生かせる部分や刺激はありましたか?
「これから自分も大相撲に行くので日頃からの稽古とか一生懸命取り組んでいきたいです」

飛龍高校 相撲部 副顧問 井伊あおいさん:
「朔太郎(熱海富士の本名・武井朔太郎)は、精一杯がんばったと思います。すごく学校中が盛り上がったので感謝の気持ちと今後もいい経験をしたと思うので頑張ってもらいたいというのとまぁでも本当に悔しい」