プロ野球・くふうハヤテ静岡が開幕2連敗で集客面でも苦戦…。侍ジャパン投手が連日登板も16日土曜は1306人。静岡ならではの事情も?
16日〔くふうハヤテベンチャーズ静岡4-10オリックス〕ちゅ~るスタジアム清水
初勝利をめざすくふうハヤテベンチャーズ静岡は0-0の4回、元ソフトバンクの福田秀平や元DeNA倉本寿彦らの4連続打点で4点を先行するも、9回に大量8失点。15日の開幕戦1-9につづく連日の大敗となった。赤堀元之監督は「野球は最後3アウトまでならないとわからない。これは選手たちが一番感じることじゃないか。きょうを糧にあと136試合あるので、勝利にむけてやっていきたい」と前を向いた。
ー集客面でも苦戦??
静岡県唯一のプロ野球球団として注目を集めて迎えた15日のウエスタンリーグ開幕戦。オリックスはWBC左腕の宮城大弥が先発登板、2戦目は同じくWBCメンバーの山崎颯一郎がリリーフするなど話題性は十分で、連日地元テレビ局が中継した。しかし集客面では開幕戦は1631人、2戦目は土曜日ながら1306人と厳しいスタートとなった。
「ちょっと厳しい、何か手を打たないと」と肩を落としたのは球団関係者。チケットは基本全席自由で大人1500円、小中学生1000円で未就学児は無料。別にバックネット裏席をS席とし1000円の追加料金がかかる。開幕に向けては小学校訪問や静岡駅でのチラシ配りなどを実施、静岡県知事や静岡市長へ表敬訪問もメディアで毎日のように取り上げられた。
地元企業いなば食品のペットフード「ちゅ~る」が来場者にプレゼントされるなどのバックアップも、スタンドには空席が目立った。球団は駐車場の確保に奔走、無料のシャトルバスを最寄りの清水駅から運行するようにしたが、集客の苦戦にはもしかしたらサッカー王国・静岡ともいわれる静岡県ならではの事情もあるかもしれない。16日は同じ静岡市を本拠地とするJ2清水エスパルスの試合が午後2時からIAIスタジアム日本平であり1万3609人を集めた。さらに静岡市に近い藤枝市の藤枝MYFCの試合にも2394人が来場。静岡市周辺に住むスポーツ好きからすれば16日にプロ野球を観に行くという選択肢はなかったのではないか。
また、くふうハヤテは当初、関東圏からの対戦相手のファンが見込まれるイースタンリーグ参戦を希望していたが、オイシックス新潟が加わったためウエスタンリーグとなり、リーグ所属チームでは最も東に位置することになった。中日なら愛知だが、ソフトバンクなら福岡、オリックスでも関西圏からファンは静岡市まで足を運ぶことになる。午後1時前後の試合が多いファームにおいて土曜日の試合の集客はやや難しいといえる。実際、ちゅ~るスタジアム清水にかけつけたオリックスファン数人に話を聞いたが、ほとんどが静岡在住のオリックスファンだった。中には山崎颯一郎投手を観るために当日の午前3時に兵庫県神戸市から車で駆け付けたという女性ファンもいたが、観客を増やしていくのは容易なことではなさそうだ。
そしてあす17日にはオリックスとの3試合目が午後0時半から行われる。くふうハヤテベンチャーズ静岡の球団初勝利と、多くのスポーツファンがちゅ~るスタジアム清水に訪れることを期待したい。