がんで亡くなったチームメートと戦う最後の夏 静岡東高、シーソーゲーム制し1回戦突破 高校野球静岡大会
熱戦の火ぶたが切られた夏の高校野球静岡大会。9日に1回戦を迎えた静岡東高校は、がんで亡くなったチームメートの分まで戦っています。
9日、富士球場で行われた静岡東と吉原工業の1回戦。
萩田高秀さん:「主役は選手なので、ぼくらは脇役なので、その力になればいいなって、ただそれだけです」
1枚の写真を取り出す静岡東高校野球部父母会の萩田高秀さん(53)。長男の大貴君です。おととし野球部入部後間もなくがんが見つかり、その年の9月に亡くなりました。
静岡東・加藤拓己選手:「やっぱり萩田のことを胸に思いながら、萩田のために打ってやる、勝ってやるという気持ちで」
ともに白球を追いかけた3年生が大貴君と戦う最後の夏。
静岡東高VS吉原工業
静岡東は1点を追う4回。満塁で3年生の杉山君。しぶといタイムリー内野安打で静岡東が逆転します。
萩田高秀さん:「ひやひや、ずっとひやひやで。ちょっとリードしているだけでも、だいぶ楽になりますね」
しかし終盤7回。吉原工業に3点を返され、再び追う展開に。
静岡東・鈴木大輝主将:「つらい展開とかでも、萩田くんの写真とかを見て、俺たちも頑張らないという気持ちになります」
8回。大貴君の同級生、キャプテンの鈴木君と鳥居君で作ったチャンスから、タイムリースリーベースで同点に追いつくと…。スクイズで静岡東が再び逆転します。そして、最後のバッターを打ち取り、1回戦を突破です。
萩田高秀さん:「終わっちゃうかなって、思っちゃって、みんなすご
いですね。みんなの中にいるんですかね、みんなの中でやっているんですかね。いやぁ、もうこんなドキドキ、もういらないかもしれないけど、楽しいんですよね、これが。かけがえのない夏、ぼくらも楽しませてもらえそうで、本当にうれしく思います」
大貴君との最後の夏。まだ終わらせません。