プロ5年目ソフトバンク戦力外の小澤怜史投手、トライアウトで3者連続三振「後は信じて待ちたい」 静岡・日大三島高出身
福岡ソフトバンクホークス、プロ5年目の小澤怜史に突き付けられた厳しい現実。
小澤怜史選手:「まだ終わっていない」 人生を賭けたラストチャンス「トライアウト」に挑戦。
22歳に待ち受ける運命とはー
今から5年前、静岡の高校野球史にその名を刻んだのが、日大三島高校のエース・小澤でした。3年の夏に、県内高校最速となる152キロをマーク! 超高校級ピッチャーとして、ドラフト2位指名でソフトバンクに入団しました。
1軍デビューは、2年目の8月。すると、初登板で初のお立ち台デビュー! 着実にプロとしての階段を登っていました。
しかし、その翌年、練習中に首を痛め、半年間、実戦から離れると、昨シーズンから育成契約に。そして、先月4日「戦力外」を告げれられました。
小澤怜史選手:「『あす事務所に来て』という電話があって、支配下から育成になる時も(電話が)あったので、あぁそういうことかと思いました。本当に厳しい世界だなぁというのは改めて実感しました」
それでも、合格率 5%とも言われるトライアウト挑戦をその日のうちに決断。
小澤怜史選手:「まだ終わっていない。期待してくれている人がいるので、まだ終われないな、という気持ちはあります」
その一人が兄の拓馬さん。ともに日大三島高校で活躍し、現在も社会人のパナソニックで野球を続ける兄と、こんなラインのやり取りがありました。
兄(がんばれよ)
弟(そっちもな)
兄、拓馬さん:「(野球を)続けられることなら続けてほしいし、がんばってほしいなと思って『がんばれよ』と送って、『そっちもな』って。その通りなんですけど」
小澤怜史選手:「都市対抗野球が(直後に)あったので、自分のことは気にしないで、都市対抗野球に集中してほしい、という気持ちでした。3者連続三振が理想(の投球)なので、どんどん投げ込んでいきたいと思います」
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トライアウト当日の朝。
Q.きのうは眠れましたか
小澤怜史選手:「ぐっすり眠れました」
Q.このユニフォームを着るのも最後ですね
小澤怜史選手:「最後ですね」
各球団のスカウトが厳しい視線を送る中、小澤は33人中13番目に登板。ピッチャーは3人の打者と対戦し、カウントは1ボール1ストライクから。最初の相手は、1軍経験も豊富な 元阪神の伊藤。その初球…。
自慢のストレートが大きく外れてしまいます。それでも、ストレートで追い込み、フルカウントで迎えた勝負の1球。
選んだのは ストレート。いきなり三振を奪ってみせると、続くバッターは外に逃げるフォークで空振り三振。
さらに3人目。今度は鋭く落ちるフォークで、宣言通りの3者連続三振。確かな結果を残しました。
小澤怜史選手:「いい結果を出せたので、一安心しています。自分のできることはもう終わったので、後は信じて待っていたいと思います」
(12月11日放送)