中心市街地の9階建てビルに進出…ホビーショップ「駿河屋」成長の秘訣 本店には驚きの「カード」も 静岡市
林輝彦アナウンサー(3月28日):「静岡市の中心市街地にある旧マルイビル。このビルを駿河屋が買い取りました。駿河屋の店舗と本社機能がこのビルに移転されます」
おととし3月に閉店した「静岡マルイ」。新たにオープンすることが決まったのが、現在御幸通り沿いにある「駿河屋」。静岡市内に本社を置くホビー商材販売企業の「エーツ―」が運営しています。
9階建ての建物のうち、1階から3階が店舗、4階以上は本社機能として活用。この新しい店舗だけで年間20億円の売り上げを目指しています。現在、駿河屋の店舗数は県内外におよそ100店舗。年間の売り上げは330億円を超えるほどとなっていて、客足も年々増加していると言います。
変わる中心市街地
「駿河屋」が移転先に決めた静岡市の中心市街地は、おととし閉店した静岡マルイ以外に、2011年にはかつての新静岡センターが新静岡セノバに生まれ変わり、2017年には静岡109が閉店し現在の東急スクエアが開業するなどファッションを中心とした街として時代と共に変化してきました。
「駿河屋」成長の秘訣は
そんな場所に今回、「ホビー」という分野で進出を決めた「駿河屋」。企業としての成長の秘訣は一体どこにあるのでしょうか。
エーツー 宿島拓弥執行役員:「我々がインターネット黎明期の頃に企業を起こさせて頂いて、商品のデータをずっと蓄積したというのが他社との差別化につながって、あとはインターネットでお客様が商品を探しやすい。こういったものを取り扱っているというのが分かる状況を作ってきたので、その辺が支持されているのではと考えている」
もともとはネット通販が主体だった「駿河屋」。販売している商品をアピールするためには、HPに1つ1つ取り扱っている商品のデータ登録が必要でした。そのデータの蓄積を1997年の創業。結果、現在は2000万件を超える商品が登録され、業界トップクラスの品ぞろえを誇るようになりました。
今回、創業当時に作ったというHPを見せてもらいました。
エーツー 宿島拓弥執行役員
Q.「東海一の覇王」と書いてあるが、これはどういう思いを込めてつけた?
A.「静岡を起点とした企業なので、静岡で「駿河屋」という名前で屋号を持たせていただいてスタートをしているので、そういった意味でまず東海からということで」
Q.ちょっと前のホームページってこういう感じでしたよね?
A.「それこそインターネットができた当初というのは、こういうものが多かったので、ちょっと懐かしいものになる。僕も久しぶりに見たので、ちょっと恥ずかしいのはありつつ、懐かしいのもありつつという感じ」
ホビーのまちを掲げる静岡市の中心地に東海一を目指した駿河屋が満を持してオープンする、今回の大型店舗。今後の事業拡大にも意欲を示しています。
エーツー 宿島拓弥執行役員:「たぶん、国内を見渡しても、この規模のホビー関係のショップというのはないんじゃないかなと。不安はない。通販や店舗でやらせてもらっている中で、手応えは感じているので。全国もしくはインバウンドも含めて海外にアピールしたいなと思っているので、日本で最大級の店を作るということが僕らの目標」
成長が著しい駿河屋。一体、どんな商品を扱っているのでしょうか?
「駿河屋静岡本店」を訪ねると…
旧静岡マルイ跡地に移転オープンすることが決まった「駿河屋」。そもそも「駿河屋」とは、どんなお店なんでしょうか? 現在、静岡駅前で営業している「駿河屋静岡本店」を訪れてみると…。
Q.すごい数の商品ですね、何点ぐらいあるんですか?
A.「この店で大体90万点ほど取り扱いしている」
Q.例えばこの通りはどういったものがある?
A.「見ていただくとわかるが、最近アニメをやったものなどのグッズ類が置いてある」
駿河屋は人気アニメのグッズやゲーム・漫画など様々なホビー商品の買い取り・販売を行っているお店です。
客 10代:「結構来る、この駿河屋は。魅力は種類が豊富ですごく見やすい。あと、価格が意外と安くて手が伸ばしやすい」
客 10代:「好みのものがいろいろあって、ちょっと興味があってきた」
母親 40代:「私はあまり興味がないが、見ているといろんなものがあって楽しい。たまにしか来られないし、なかなか自分の家の近くには(ホビーショップが)ないので、少し出かけた時に一緒に来られたら楽しい」
お店に書かれていたのは通販中古売り上げ日本一の実績。一体、どんな商品がそろっているのでしょうか。
2階 プラモデル・フィギュア
宿島さん:「こちらプラモデルの販売コーナーになります」
林アナ:うわー、いろんな種類のもう静岡を
宿島さん:「そうですね、静岡を代表するTAMIAさんとかが、こちら置いてあります」
林アナ:うわ、これトヨタの86じゃないですか
宿島さん:「そうですね、実写でも人気のトヨタの86のプラモデルになります」
林アナ:あ、これ中古なんですか?
宿島さん:「中古なんですが、組み立てしてないものになりますので」
林アナ:定価いくらですか?
宿島さん:「定価、こちら3200円だったものが、2000円で販売しています」
林アナ:1000円以上お得だということじゃないですか
林アナ:これどうして組み立ててないものが取引できるんですか?
宿島さん:「お客様がよく2、3つ買われて、一つは作って、一つは取って置くってことがよくあるので、そういったものを弊社で買い取らせていただいております」
林アナ:これもよく動くんですか?
宿島さん:「そうですね、特にホビーショーの時期ですか、そういったときにお客様がいっぱい来ますので、よく売れております」
林アナ:こういう静岡の企業のものも、人気なんですか?
宿島さん:「ホビーの街「静岡」っていうことで、こちらのTAMIAさんですとか、HASEGAWAさんとか、AOSHIMAさんとかいろんなものがございますので、よく販売させていただいてます」
数年前に販売されたプラモデル。未開封で新品同様のものを買うことができます。
フィギュア
宿島さん:「こちらフィギアコーナーになります」
林アナ:ずらっと並んでいますね。
宿島さん:「特撮の仮面ライダーとウルトラマンなどが並んでおります」
商品の中には、こんなレアなものも…。このフィギア、くじで当たった景品なんです。販売価格はおよそ3000円。こういった市場に出回らない商品も置いてあります。古いものからレアなものまで、時代を超えた様々な商品をそろえています。できるだけ安く売ることにこだわっているといいます。
他にも、こちらのコーナーには昔懐かしいゲームソフトがずらり! 30年以上前、大人気だった「ドラゴンクエスト」のファミコンソフト。当時の定価は5900円ですが、中古では800円。さらに、こちらのCDコーナーには、昭和・平成・令和と懐かしい曲から最近の曲まで数多く取り揃えています。
3階 カード
3階はカードコーナー。超レアなものも販売されています。
林アナ:カードがずらっと
宿島さん:「こちらのほうが、トレーディングカード売り場になります」
林アナ:ものすごい数になりますね
宿島さん:「特にポケモンとか遊戯王といったものがよく売れております」
林アナ:お手頃価格ですね。
宿島さん:「こちらに並んでいるものは、買いやすいものをたくさん並べているかと思います」
林アナ:お手頃じゃなさそうな、この2万2800円というのが、これすごいですね。
宿島さん:「そうですね、レアなものがありますので、ただこれよりもっと高いものもございます」
林アナ:これよりももっと高いものがあるんですか?
宿島さん:「はい」
林アナ:どこにあるんですか?
宿島さん:「あちらのほうに」
案内されたのはガラスケースに入った商品。
林アナ:すごいのを発見しました。おそらく私か、ちょっと上の世代はかなり熱い気持ちになると思います。遊戯王のブルーアイズですよね、ブルーアイズホワイトドラゴン、75万8000円なり、すごい金額です。
宿島さん:「こちらは90年代のものなので、さらに価値が高くなっています」
元々は1パックに数枚カードが入って数百円程度。その中のレアなものは価値がどんどん上がり、価格が跳ね上がっているんです。
林アナ:75万8000円でもよく動くものなんですか?
宿島さん:「この値段でも動いております」
林アナ:どういった需要があるんですか?
宿島さん:「当時、やっていた方ですとか、あとは遊戯王がこれから値段があがるんじゃないかと思って買われる方、いろいろいらっしゃいます」
今回、特別に実物を見せてもらいました。
林アナ:見てください。これ75万8000円ですからね。すごいケースに入っていますね。
宿島さん:「こういった頑丈なものに入れております」
林アナ:これって、どれくらいで動くものなんですか? ペースとしては?
宿島さん:「そうですね、タイミング次第なので早い時で、入荷して1週間で動くこともございます」
林アナ:駿河屋さんってどうしてこんな貴重なカードを集めることができるんですか?
宿島さん:「昔からカードの取り扱いをしているってことと、すべての商品をデータ化して、買い取りと販売の価格のデータ、皆様に公開しているので、お客様がほしい、売りたいっていう環境を整えているってところが一つですね」
長年の実績と膨大な商品データをフル活用することで幅広いニーズに応えることができるといいます。
家電類の扱いも拡大
さらに、店内にはこんな商品も…。
エーツー 宿島拓弥執行役員:「最近取り扱っているのが家電類とか、あとはこちらのスマートテレビですね。インターネット回線を通じてネットゲームをしたりとか映像を見たりとか、もともとゲーム(の取り扱い)をやっていたので、そのなかで同じところの需要ということで取り扱いを拡大している」
お客さんの中には、外国人の姿も。
林アナ:どちらの出身ですか?
20代の外国人客:「インドネシアです」
林アナ:日本語すごく上手ですね。
外国人客「いいえ」
林アナ:駿河屋さんを知ったきっかけは?
外国人客:「友達がよく来て、いろんな趣味のゲームとか、アニメのフィギアとか友達から教えてもらって、駿河屋に来た」
駿河屋の知名度は世界まで広がっています。