ポケモンGOで地域活性化 目を付けたのは「探して歩く人」 静岡・下田市

ポケモンGOとは2016年に配信が始まったスマートフォン向けアプリ。携帯電話の位置情報とカメラ機能を利用して、現実にはいるはずのないポケモンを、実際に自分の側にいるかのように見せ、キャラクターを捕まえていくゲームです。この技術はAR=拡張現実と呼ばれ、当時、静岡県内でも昼夜問わずポケモンを探しに歩き回る人たちが続出しました。
この「歩く」ということに、静岡県が目をつけました。
静岡県賀茂地域局 村松大輔主査:「ポケモンGOというのは、生活スタイルの一部にウオーキングを取り入れることで、健康増進を働きかけるとともに、人の流れに大きな変化をもたらしますので、観光振興ですとか、地域振興に大きな効果があるんじゃないかなと」
今回、コンテストの舞台となるのは伊豆半島。新型コロナの影響によって観光客の足が遠のいている現状があります。
静岡県賀茂地域局 村松大輔主査:「去年よりも観光客が少ないなという印象をうけますので、このフォトコンテストを開催することで、多くの方が伊豆半島に来て頂いて助けられればいいかなと思っています」
ポケモンGOで撮った伊豆半島の写真を投稿
杉沢洋佑記者:「それでは実際、ポケモンGOを使って写真を撮っていきたいと思います。今、私の後ろには大砲のモニュメントがあるだけなんですが、これをですね、スマホの画面越しで見てください。いきますよ?。
今、画面をタッチしたらポケモンが出てきました。このポケモンと一緒に写真を撮ります。すると写真が綺麗に撮れました。これをインスタグラムやツイッターに投稿して、キャンペーンに応募するということなんです」
コンテストへの応募条件は伊豆半島のどこかで写真を撮るということ。自分だけが知っている「写真映え」スポットに行くのもよし、有名な観光地で撮るのもよし、工夫の仕方は様々です。
入賞すると豪華景品がもらえるということもあって、1日のコンテスト開始以降、写真が続々と投稿されています。
静岡県賀茂地域局 村松大輔主査:「自然をバックに撮っていただいて、すごく迫力のある写真がいくつかありますね」
いまだ観光客がまばらの下田市では…
コンテストが始まった日は、GoToトラベルキャンペーンで東京が追加された日。首都圏からのアクセスがいい熱海市などでは、客足が少しずつ戻り始めていますが、静岡県の最南端である下田市では、まだまだ人の姿はまばらです。
下田市内に店を構える和菓子店「平井」。創業70年以上の老舗ですが、新型コロナによってこれまで経験したことのない危機に陥ったといいます。
平井製菓 車澤正登社長:「4月当初はほとんど売り上げが無くて、徐々に回復はしてきたが、トータルで70%(減)くらいだと思います」
平井の一番人気は「あんぱん」。年間30万個を売り上げるこの人気商品、購入客の7割が観光客でした。
平井製菓 車澤正登社長:「やはり観光客の方に来ていただかないと、売り上げの方も全然伸びていかないという状況ですね」
こうした状況の中で始まったポケモンGOを利用したイベント。車澤社長も若い人たちに期待をしているといいます。
平井製菓 車澤正登社長:「(フォトコンテストは)なんかチラッと聞いたことはあるんですけど、詳しくは存じ上げなかった。店先で食べていただきながら、インスタにかなり載せてていただいてますので、ぜひ若い方々にもたくさんお見えになっていただけたらと思います」
「猫の手も借りたい」ならぬ「ポケモンの手も借りたい」ほど、多くの観光客が訪れることを、伊豆半島の人たちは待ち望んでいます。