退職金つぎ込みキッチンカー始めた59歳男性 移動が強みのはずが営業は市内限定…そのワケはガソリン代高騰 静岡市

 ガソリン価格の高騰を受け、国はこれまで、「基準価格」となる「168円」を上回る分について1リットルあたり25円まで補助をしてきました。ところが経済産業省は、1日から2週間ごとに補助率を1割ずつ下げていくことを発表。補助金制度を9月末で終了することを明らかにしています。

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 つまり、現在のようにガソリンの価格が高い水準が続いた場合、実質的にガソリン価格が値上がりすることになります。

59歳男性早期退職してキッチンカー始める 

 その影響はこんなところにも…

 ワゴン車を改造したキッチンカーで自家焙煎のコーヒーを販売している加藤直弘さん。59歳で運送会社を早期退職し、退職金をほぼ全額使ってキッチンカーを始めました。

 加藤さんが営む「ポーズ・コーヒー」は週6日、静岡市内の商業施設の一角やイベントでコーヒーを販売しています。この日は午前9時半に自宅を出発、市内の出店場所へ向かいました。「移動できる」ことが最大の強みであるキッチンカーでありながら、なぜ静岡市内に絞って出店をしているのか? その理由は…。

画像: 59歳男性早期退職してキッチンカー始める

ポーズ?コーヒー 加藤直弘店主:「遠くまで行っても、飲料だと売り上げが同じぐらいなので、ガソリンをその分抑えようと思って。移動にかかるガソリンの費用は結構ネックになっている」

 キッチンカーにとってガソリンは必要不可欠。値上がりとなると死活問題です。

ポーズ?コーヒー 加藤直弘店主:「(ガソリン代が)上がっても、使わないとことがないのでしょうがない。それはお支払いするしかない。他のところを減らしていくしかない」

Q.例えば何を減らす?
A.「一番最初に減らすのは、食費になっちゃう」

荷物多くて燃費が悪いうえ発電機の動力もガソリン

 さらに、家庭用の乗用車とは異なる「キッチンカー」ならではの悩みも

ポーズ?コーヒー 加藤直弘店主:「キッチンカーは普通の自家用車と違って荷物を積んでいるので、エンジンに負担がきて燃費は悪い車、リッター4㎞ぐらいしか走らない」

 出店場所のJR静岡駅の高架下に到着。前日の出店場所では電気を施設から使わせてもらうことができましたが、場所によっては2台ある発電機を使用します。その動力もガソリンです。

Q.電気を貸してくれるところはいいですけど、貸してくれないところだと大変?

ポーズ?コーヒー 加藤直弘店主:「イベントになると電源はないところが多い。だからガソリンで(動く)発電機で発電して営業する」

カセットコンロ持参で「ガソリン使用量を減らす」

画像1: カセットコンロ持参で「ガソリン使用量を減らす」

 加藤さんのキッチンカーには、お湯を沸かすためのIHや食材を入れておくための冷蔵庫があります。イベントでは2台の発電機で、8リットルのガソリンを使い切ってしまうそうです。そんな中、なるべくガソリンを使わないようにするための工夫も。

ポーズ?コーヒー 加藤直弘店主:「これが発電機を補ってお湯を沸かすためのカセットコンロを持っている、なるべくガソリンを使わないように」

画像2: カセットコンロ持参で「ガソリン使用量を減らす」

 心を込めてコーヒーを入れる加藤さん、自家焙煎のホットコーヒーが完成。ただ今後、ガソリン価格が高騰し続ければ、苦渋の決断をせざるを得ないかもしれません。

ポーズ?コーヒー 加藤直弘店主「(ガソリンの値上げは)痛手になると思う。企業努力してやっていくしかない。それか切羽詰まったら商品の値上げに繋がってくると思う」

 食品や電気代だけでなく、私たちの「足」にも影響するガソリンの実質値上げ。資源エネルギー庁によると、5月29日時点のレギュラーガソリンの全国平均価格は1リットルあたり168.4円。前の週に比べて0.3円値上がりしています。石油の卸価格が上昇している影響で、来週も補助金引き下げとは別に、ガソリン価格の小幅な値上げ予想されています。

            (6月1日放送)