歓迎会シーズン…大人数での宴会も復活 客足戻る中、店が頭抱える「値上げの波」
歓迎会の幹事:「損害保険関係の仲間。2人転入者が東京と京都から来たので合同歓迎会という形で開催させていただいている。ほぼ3年ぶりくらいになるかと思う。年度初めなので、この1年間活力になるような、最初にここで気合を入れて力いっぱい団結を強められたらいいなと考えている」
Q.2軒目の予定とかは?
A.まあ、多分あるでしょうね(笑)
大人数での宴会も復活
ここ数年、コロナ禍であまり見られなくなっていた大人数での宴会。今年はマスク着用が個人の判断に委ねられ、自粛ムードがおさまってきたことで、店側も徐々に客足の増加を実感していました。
海ぼうず本店 藤嶋慎太郎代表:「団体の予約というのが増えてきているなと。来店するお客様の数も去年に比べてはだいぶ多い」
好調の客足に水を差す“値上げの波”
ただ、現在は店にとって良い状況ばかりが続いているわけではありません。
海ぼうず本店 藤嶋慎太郎代表:「これは豚のハラミ。これなんかも20%ぐらい値上げをしている。串にしても、値段が上がっているので、どうしても売値も上げていかないといけないという状況にはなっている」
歓迎会シーズン到来によって好調の客足に水を差しているのが、4月から再び訪れている“値上げの波”です。
海ぼうず本店 藤嶋慎太郎代表:「うちだとおでんの練り製品とか卵なんかも値上がりが激しい。半熟卵というのがおでんの売りの商品があるので、そこも多少10円なり20円なり値上げの改定があるかなとは考えている」
値上げラッシュによって、こちらの店では仕入れ価格が去年の同時期と比べ、ほとんどの品目で1割程度増加。厳しい状況が続く中で、これまで値上げをしてこなかった飲み放題の値段についても、苦渋の決断を迫られています。
海ぼうず本店 藤嶋慎太郎代表:「大変心苦しいが どうしてもちょっとお酒の原価が上がってきているということで、価格も少し見直しをしなければいけないかなと思っている。10%いかないぐらいをあげるかなと」
帝国データバンクによると、4月の値上げは食品や飲料だけで5100品目以上にも及び、今後も10月頃までは毎月2000品目前後の値上げが続くとみられています。
酒店では「仕入れ価格が販売価格を超えるものも…」
特に、酒店からは深いため気が…。
良質酒専門リバティ 長澤亘代表:「こちらが当店のワイン売り場になります。これから仕入れをしていくが、ワインの値段が少しずつ上がってきてしまっているので、厳しいが価格を添加せざるを得ない状況になっているかなと」
こちらの店が頭を悩ませているのは、4月から始まっているワインの値上げです。物流コストの高騰や急激な円安などにより、4月1日からサントリーやキリンビールなど大手4社は、輸入ワインについて最大54%ほどの値上げを発表。こちらの店にはワインの輸入業者から価格上昇の通知が送られてきていて、現在の仕入れ価格は、去年の同じ時期と比べ1割~4割増になっていると言います。
良質酒専門リバティ 長澤亘代表:「今、並んでいるものと同じものを、今仕入れると、うちの販売価格よりも高い値段で仕入れなければならないものもある。(ワイン)生産国での物流経費もそうだし、生産国から日本に持ってくるまでの間もそうだし、日本に来てからの流通コストも全て上がっていると聞いている」
心配なのは「買い控え」
値上げによって店が恐れているのが、ワインの買い控え。こちらの店では、全体の売り上げのうち2割ほどがワインの売り上げで、ビールなど他のお酒よりも利幅が大きいワインの販売は店にとって重要な生命線だと言います。今後は、店の在庫についてはそのままの価格で販売するとしていますが、これから仕入れる分については、1割ほど値上げせざるを得ないと話します。
良質酒専門リバティ 長澤亘代表:「(客が)贈答用で予算を決めて来た時に、その予算で去年はこのワインが買えたのに、今年は買えなくなったということも起きたりしている。コストパフォーマンスの高いものを仕入れて、なるべくリーズナブルな価格で提供できるものをセレクトしていきたいなと思っている」