相次ぐ値上げの中の『救世主』 カツオ豊漁で2~3割安 ジャガイモ詰め放題の店も人気 静岡・焼津市、静岡市

 歯止めがかからない価格高騰。静岡経済研究所のアンケート調査では、県民の9割が、商品やサービスの「値上がりを実感」していると回答。帝国データバンクによると、年内に値上げする食品は1万を超えます。暗い話題が続きますが、今回は少しでも節約したいという人必見。家計を助ける人気店を紹介します。

カツオが豊漁

画像1: カツオが豊漁

スミス春子アナウンサー:「今、様々な商品が値上げする中、こちらのカツオは現在豊漁で、値下げされているということなんです」

 焼津市にある人気鮮魚店、サスエ前田魚店。朝からとれたてのカツオを求めて多くのお客が訪れていました。

画像2: カツオが豊漁

焼津市民 60代
「旬だし、おいしい時期だから、楽しみですよ」

静岡市民 70代 
「これ御前崎のカツオだからね。うまそうだし」

 お店に並んでいたのは御前崎で水揚げされたばかりのカツオです。

画像3: カツオが豊漁

スミス春子アナ
「とろっとろです。脂のってますね。上品な甘みとカツオの味が濃いです」

サスエ前田魚店
「おいしい脂、くどくない脂っていったらいいかな」

 今の時期、県内で水揚げされているカツオは脂が程よくのリ、さらに今年は例年よりも大きいのが特徴。これに加え、水揚げ量も増加しているといいます。

サスエ前田魚店 
「今年は漁がいいんですよ。いつもの年だと少なくなる時期なんだけど、結構いつもの年と比べるとうんと漁がいいです。」

5月の水揚げは4月の倍以上

画像1: 5月の水揚げは4月の倍以上

 御前崎魚市場の水揚げ量は4月にはおよそ108tでしたが、5月はおよそ237tと2倍以上に急増しました。

 なぜこれほどまでにカツオが豊漁なのか、カツオ漁に詳しい専門家は…。

漁業情報サービスセンター カツオ担当 水野紫津葉さん:「カツオは南国、南の方の暖かいところの魚なので、日本近海が寒くなると、南下回遊するという性質がある。ただ、近年は亜熱帯海域まで南下せず越冬して、春にまた日本近海に再北上しているとみられるケースがある。(今回も)南下しきらなかったものが、また来遊してきたというものだと考えられます」

画像2: 5月の水揚げは4月の倍以上

 水揚げ量が増えると値段も安定し安くなると言いますが…

サスエ前田魚店 
Q.例年と比べてどのくらい安いんですか?
A.1キロ350円~500円は安いと思う。

4月は800円ほどで売られていたカツオが、現在650円ほどと2割から3割近く安くなっています。

カツオの値下がりに買い物客は

焼津市民 60代
「うれしい。何でもかんでも上がっているじゃないですか。その中でおいしいものが安く買えるのはいいなと思う」

様々な商品が値上げされている今旬のカツオは、家計にうれしい救世主の魚になりそうです。

サスエ前田魚店 
「私たちは魚を提供する方だが、買ってもらうお客さんも鮮度の良い、安くてうまいカツオが、ここなら食べられるということがたまらなくいいと思います」

ジャガイモ詰め放題

 静岡市の浅間通り商店街にある青果店。店の前には多くのお客が集まってます。

 手にしているのは「ジャガイモ」。袋にたくさんジャガイモを詰め込んでいます。もう少しで袋はパンパン。

画像: ジャガイモ詰め放題

客:「詰め放題ですね。100円なんですよ」

 この春収穫された県内産の男しゃくが100円で詰め放題。たくさん入れるコツは?

客:「下の方はなるべく隙間を作らないように入れないとね。最初に大きなジャガイモを入れちゃうと隙間ができちゃう」

Q.何個入った? 

A.「今11個くらい入ったんじゃない。下に小ぶりなジャガイモを入れて」

利益は出るの…

 ジャガイモの詰め放題は大人気。でも、こんなに入れてお店として利益は出るんですか?

画像: 利益は出るの…

今堀和哉店長:「正直、あまり儲けが出る商品ではない。他の野菜が例年に比べると高くなってしまっているので、少しでもこういう商品でお客に楽しんでいただきたい」

Q.ちょっとはみ出す方もいた

A.できればあまりはみ出さない方が嬉しい

 詰め放題以外にも、こちらのきゅうりは2本で65円。茨城県産の小松菜は、およそ200グラム入って1パック80円など…。私たちの家計を助けてくれる値段です。

「安い八百屋いろいろ練習中」という店名の由来は

画像1: 「安い八百屋いろいろ練習中」という店名の由来は

 お店の建物には「安い八百屋いろいろ練習中」と書かれていますが…。

今堀和哉店長:「そのまま、これが店名。もともと店を始めたときに八百屋さんに携わったことがある人間が1人もいない状態で始めたので、少しお客さんに甘えさせてもらいながら、その代わり値段はなるべく安くする、ちょっと変わった店名になってます」

 個性的なネーミングで地元に親しまれている青果店。その名も「安い八百屋いろいろ練習中」。5年前、青果店で働いたことがない人たちが集まって始めました。
  

 オーナーに誘われて、この仕事を始めた店長の今堀さんもその1人です。
安い八百屋いろいろ練習中 今堀和哉店長:「前職は 旅館の仲居やったり、不動産賃貸の営業マンをやったり…」

 現在、従業員は10人。接客など様々なことを学びながらの営業で、お客に迷惑をかける分、とにかく安さだけはこだわろうという思いで野菜を仕入れているそうです。

 ジャガイモの詰め放題も、お客に喜んでもらおうとみんなで考えました。

 他にも安さにこだわった野菜や果物が並んでいます。

画像2: 「安い八百屋いろいろ練習中」という店名の由来は

常連客:「とにかく安いよ。バナナ、これで100円だよ」

バナナが1袋に4本から6本入って100円。安さの理由は?

安い八百屋いろいろ練習中 今堀和哉店長:「輸送の途中で傷が入っちゃったり、そういう商品をB品扱いで売るんですけど、普通に買うと(値段は)倍以上するバナナ。見た目は良くないけど、味はもちろん同じバナナなので」

Q.大手スーパーなどでの流通は?

A.おそらく取り扱わない。加工のタイミングではねられちゃう。

 全てではありませんが、大手スーパーなどでは取り扱わないキズモノ商品。いわゆるB品を多く選んで販売しています。

あの「甘々娘」も

画像: あの「甘々娘」も

 さらに店頭にはあの人気商品も…

 今まさに旬のとうもろこし「甘々娘」。藤枝で作られた甘々娘だそうですが…。
安い八百屋いろいろ練習中 今堀和哉店長:「今年からお付き合いをしている農家の(甘々娘)。直接、農家から譲っていただく商品。とても研究熱心な農家で。土にもかなりこだわって作っているので、おいしく安く提供できます」

Q.甘々娘は森町が有名だが?

A.森町の甘々娘は朝早くから並んで、苦労して購入されていると思うが、ここの農家も採りたてを持ってきてくれるので、鮮度は森町のものと変わらず、味の方も僕は負けてないと思う

 形がふぞろいの為、大きさは様々。どれを選んでも1本230円です。

「まだまだひよっ子です」

 どの野菜や果物も魅力について丁寧に説明をする店長。さらに店内には下処理の仕方が書かれているなど、お客にとってはありがたい店づくり。練習中と名付けて5年。
 
安い八百屋いろいろ練習中 今堀和哉店長:「そうは言っても、まだまだですね。周りの八百屋さんは親子2代、3代でやっている方が多い。そんな中と比べると、まだまだひよっ子です」

 開店から3時間後の午後1時。人気の野菜は完売してしまうなど、地元の人たちから親しまれている青果店です。
  
安い八百屋いろいろ練習中 今堀和哉店長:「(市内の)田町にも新しく、昨年お店をオープンさせました」

 県内各地の農家とのつながりが多くなり、野菜を仕入れる量が増えたことから同じ店名で田町に店を構えました。

 こちらでもジャガイモの詰め放題ができますよ。価格高騰に負けじと私たちだけでなくお店も頑張っています。

安い八百屋いろいろ練習中 今堀和哉店長:「今以上にさらに安く出せるように頑張れればなと」

   (6月11日放送)