市民の過半数が「取れる魚は5種類未満」 実は1500種以上水揚げ…「千魚」ウィークと銘打って地元の海の幸をPR 静岡・熱海市
マダイにトビウオ。こちらはアブラカマス。これらすべて熱海で水揚げされる魚です。
いま、熱海市内で開かれているのが「熱海千魚ウィーク」。狙いは「熱海の海を知ってもらう」こと。イベントには市内の鮮魚店や飲食店など、およそ20店が参加し、熱海産の海の幸をPRしています。
店頭には「未活用魚」も
こちらは、村越魚店。アジやトビウオ、そしてヒラメ。中にはワニの顔に似たワニゴチという珍しい魚も。水揚げされたばかりの地魚が毎日20種類以上並びます。
村越正和さん(店員):「これはこの辺ではサバフグと言ってます。これはうちでは皮をあぶってお刺身で出したりとか、干物屋さんでは塩干しにしたりみりん干しにしたりする魚です」
「これがタカノハダイですね。葉っぱの模様に似てます。この魚はあまり大きい市場では流通しない。本当に地で取れて、そこで消費する魚ですね」
この店では、「未活用魚」と呼ばれる定置網で獲れた小魚など一般的には市場に出回らない魚も店頭に並びます。
熱海では水揚げされる魚は1500種類以上。しかし…。
村越正和さん:「熱海の海で魚が取れるっていうのを知らない人がいる。熱海の人でですよ」
アンケート調査に過半数の市民が「5種類未満しか取れない」
「熱海千魚ウィーク」の主催者によりますと、熱海で水揚げされる魚がどれくらいの種類があるか市民にアンケートで尋ねたところ、5種類未満という答えが過半数を占め、認知度の低さがうかがえる結果に…。イベントのねらいは「地元の魚を知ってもらう」ことです。
鮮魚店も取り組みに期待しています。
村越正和さん:「こういう取り組みによって、この熱海の海というのはいろんな魚が獲れるんだ。自然のものが獲れるんだ。自然のものを味わう。そういう取り組みがあるというのは素晴らしいこと」
参加しているのは鮮魚店だけではありません。こちらの飲食店は熱海市網代で獲れた地魚を使っています。
漁港定食には、ホウボウやアジのたたきが入った刺身の3種盛りと網代名物のイカメンチやサバの味噌煮など地のものが頂けます。他にも江戸時代から続く干物店が経営する飲食店では、この日の定食にシロサバフグの干物が使われていました。
なかなか知られていない熱海でとれる海の幸。
海と食の地域モデルin熱海 水野綾子さん:「人気のある魚だけでなく、いろんな魚を頂くことが未活用魚をはじめとした魚の食品ロスの解消にもつながるし、多様性の保全にもつながるので、皆さん色んな魚を通じて海を守るアクションを知っていただいたり、海を知ってほしいと思う」