コロナ禍で「3密」回避のギターとゴルフがブーム 静岡・沼津市
巣ごもり生活で? アコースティックギターが人気
すみや沼津店 村岸義仁店長:「みなさんステイホームで、お家にいる時間を使われて、1人でも楽しめる弾き語りもできるということで、アコースティックギター、昔で言うフォークギター。それを好まれる方がいらっしゃる」
この楽器店では、県内で感染が広がり始めた3月下旬ごろから、売り上げが伸び始めました。外出を控えて自宅で過ごす「巣ごももり需要」を受けた形です。
店側が特に驚いているのは、ギターを購入する世代です。多くは20代を中心とした若者だといいます。
すみや沼津店 村岸義仁店長:「例えば『ゆず』とか『長渕剛』みたいな形で、アーティストの動き(人気)によって(売り上げの)変化は、何年かを機にあるが、今回のような私たちも予測していなかったことはかつてなかった」
富士市内に住む20代の男性も、新型コロナによる自粛生活がきっかけでギターを始めた1人です。
ギター歴5カ月・中田純矢さん(29):「昔からギターやってみたい気持ちはあったが、なかなか始めるきっかけやタイミングがなくて、今回家にいる時間で、何かできることがないか探していたが、ずっとやりたかったギターをこの機会にやってみようと思って始めた」
感染症対策で音楽教室が休業を余儀なくされる中、自宅でも練習する方法が広がっています。
ギター歴5カ月・中田純矢さん(29):「ギターの弾き方とか、YouTubeでも、いろいろな人が初心者に向けて配信している動画があるので、それを見ながら僕も独学でギターを練習している。弾き語り動画を(SNSに)載せている人多くて、それを見てかっこいいなと思って、TikTokに少しづつ動画を投稿し始めているところです」
この楽器店には30万円近い高額なギターも並んでいますが、数万円のものも多く、値段が手ごろで他の楽器と比べてスペースを取らないことが人気の理由です。
新型コロナの影響で、音楽会や合唱コンクールを中止し、学校で音楽に触れる時間が減る中、裾野市の小学校ではギター芸術鑑賞会が開かれました。
目の前で奏でられるプロの演奏に子どもたちは引き込まれていきます。
裾野市立千福が丘小学校 6年生
「自分が知っている弾き方と全然違って、ギター1本で色々な音が鳴ることが分かってすごいなって思いました」
裾野市立千福が丘小学校 5年生
「ちょっとやってみたいなと思いました。親戚がギター持っているからちょっとやらせてもらおうと思う」
年齢を問わず、心に響くギターの音色。プロのミュージシャンは新型コロナの影響で演奏の場を失っていますが、ギターブーム到来を歓迎しています。
プロギタリスト 木村大さん:「僕はヤマハとも協力をしているので、今すごいギターが再ブームになっている話をよく聞いている。みなさんギター、一家に一台あってもいいんじゃないかって個人的には思います。彼らがすごく表情が演奏している時に見ていたら明るい顔をしていたので、ちょっとほっとしている」
「3密が避けられるスポーツ」…ゴルフに注目
ゴルフも人気
新型コロナによって、スポーツでも人気が沸騰しているものがあります。 沼津市にある沢田ゴルフ練習場。国の緊急事態宣言が出た時には、売り上げが前の年から3割減りましたが、最近になって、新しい風が吹いていると感じています。
沢田ゴルフ練習場 山本秀昌さん:「感触的には若いゴルファーが増えている手応えは感じます。今まで(ゴルフを)やったことのないような初心者の方とかがやはり増えている。特に2人~3人連れでいらっしゃる方が増えている傾向にある」
国のデータも裏付けています。家計調査の「ゴルフプレー料金」という項目では、100世帯あたりの頻度が、去年8月に「ゼロ」だった29歳以下が今年8月には「1回」に。39歳までは「2回」から「5回」に増えています。
ゴルフ練習場はゴルフが注目されるようになった理由を、こう分析しています。
沢田ゴルフ練習場 山本秀昌さん:「やはり3密というのが大きく取り沙汰されまして、ゴルフ自体が一番3密を避けられるスポーツということで、フォーカスされたのが大きいのではないかなと思います」
この日、練習場には初心者はいませんでしたが、新型コロナをきっかけに再びゴルフを始めた人がいました。
ゴルフ歴1年半(40代):「コロナで体を動かさないような、家にいるような生活だったので、ちょっと体が鈍っちゃったので、そろそろゴルフを始めようかなと」
紳士のスポーツと呼ばれるゴルフ。マナーを重視するからこそ、マスクの着用や3密の回避などが求められる新しい生活スタイルに適していると、ゴルフ場は考えています。
沢田ゴルフ練習場 山本秀昌さん:「ルールとマナーを踏んで物事をしていれば、このコロナ禍においては十分貴重なアクティビティーになるのではないかと感じています。それを大いに利用していただきたいなと思っています」
新型コロナ感染前より制限があっても、新しく始められることは、たくさんあります。その一歩が、暗くなりがちな生活を明るくするきっかけになるかもしれません。
11月5日放送