お弁当の天神屋、前身のひな人形店は江戸時代創業? 里帰りした71年前のひな人形の箱に「創業250年」 静岡市
1954年頃、女将さんがまかないで作っていた「とりむすび」が評判になり、惣菜店を出店、そして今に至ります。
天神屋に歴史的出来事が
そんな「天神屋」で歴史的な出来事が…。
天神屋取締役商品本部長 野尻崇生さん:「なんと人形店時代の天神屋で買われたひな人形が、71年ぶりに天神屋に帰ってきたんです」
そのきっかけとなる出来事があったのは去年10月。天神屋の商品を並べたあるイベントでの出来事です。天神屋広報の鈴木さんに、1人のご婦人が声を掛けてきました。
こんな様子だったといいます。
尾高充子さん:「私のおひな様、天神屋で作ったものなのよ」
鈴木実里さん:「えっ、本当ですか!? 天神屋は元々ひな人形屋さんだったんですよ」
尾高充子さん:「私のおひな様は71年前に買ってもらったものなの。娘のおひな様もあるし、どうしようかなと思っていたから、私のおひな様差し上げるけど…」
ひな人形が71年ぶりに里帰り
偶然の出会いにより、71年前のひな人形が天神屋に帰ってくることに。
尾高充子さん:「いずれはどのように処分しようかなと思っていたんですね。この度、天神屋さんに譲渡することが出来まして、本当に感謝と幸せな思いとホッとしています」
2月18日に静岡市の静岡天満宮で譲渡式を実施。
天神屋取締役商品本部長 野尻崇生さん:「(お弁当・おむすびの)天神屋は創業66年なんですけれど、それよりも前の歴史のあるひな人形が帰ってくるというところは身の引き締まる思いであります」
ひな人形の箱に「創業250年天神屋本店」
実際に見せてもらうことに…。
ディレクター:「これがそうなんですか?」
野尻さん:「はい、こちらがひな人形になります」
お飾りが入っていた箱に「創業250年天神屋本店」
中からは私たちが通常目にしているおひな様より、一回り小さいひな人形が出てきました。なんと、このひな人形には今では珍しい御殿が付いていたのです。当時の職人さんの技術の高さと丁寧な仕事がとてもよくわかります。男雛と女雛のお顔は公家顔でいらっしゃいました。
とあるひな人形店の方に見てもらったところ、「保存状態が素晴らしい。大切にしていたのがすごく良くわかる。男雛のお着物に赤があつらえてあるのが、当時の人形師のセンスの良さを感じる」と言っていました。 そしてお飾りが入っていた箱には「創業250年天神屋本店」と書かれていたのです。71年前で創業250年ということは「ひな人形店の天神屋」は、1700年創業となり、江戸時代からあったと推測できます。
天神屋取締役商品本部長 野尻崇生さん:「ひな人形を作るのも、食品を作るのも、同じもの作りですので、これから本当に皆さんに喜んでいただけるようにやっていきたいと思います」
71年前のひな人形は静岡市駿河区にある静岡曲金店で、3月3日まで特別に展示されるそうです。