活気づく由比港…5年ぶりに「桜えびまつり」 漁協組合長「着実に資源回復」と期待 静岡市
群馬県から
「ああ~もう最高です。おいしいものがいっぱい食べられて、とっても幸せです」
千葉県から
「夜の11時に千葉県船橋市を出て、東名高速とか乗らずにずっと下道で来た。午前4時半に着いた、5時間半でした、ノンストップで。でもこれが食べられて(両手でグー)」
開会式では…
静岡市 難波喬司市長
「本当に久しぶりの開催で、静岡市にとってこんな嬉しいことはないと思っています。頭黒という産卵するサクラエビが早く出てきたということで、漁が控えめになっていますが、頭黒が早く出てくるというのは、来年にとってものすごく朗報ですし、それを取らないという漁港関係者、漁師の皆さん、そして水産関係者の皆さんのこの尽力というのは大変なものです。来年は益々期待できます」
漁獲量が安定し5年ぶりの開催
「由比桜えびまつり」は、2019年に不漁のため中止。さらにその後、3年間は新型コロナ感染拡大を理由に開催が中止となっていました。これまでは5月3日に行われていましたが、5年ぶりの今年は漁獲量が安定する6月の開催となりました。
静岡市民
「5年ぶりに桜えびまつりで、待ちに待って来た。本当サクラエビ大好きで、静岡に生まれて良かった」
「駿河湾の宝石」とも呼ばれるサクラエビですが、生だけでなく「かき揚げ」も大人気。11日も行列が途切れることはなく、お店の裏側では、50人態勢で「かき揚げ」を揚げ続けていました。そんな中でも一際長い行列を作っていたのが、サクラエビの無料配布ブースです。限定1000個のサクラエビを求め行列が…。午前9時半から配布でしたが、2時間前には既に70人ほどが列を作り、配布直前の午前9時25分には、およそ300人が並びました。
神奈川県から
「雨だから、(人が)もうちょっと少ないと思ったが、やはり人気がありますね」
午前9時半、いよいよ配布がスタート。
神奈川県から
「(午前)7時半ぐらいから並んだ。(桜えびまつりに)5年前に最後来て、その時は(無料配布を)全然知らなくてもらえなかったので、次やったら絶対もらいたいと思ってきょう来た」
大人気のサクラエビ。ここ数年は「不漁」のイメージが拭いきれませんでしたが、今年は違いました。春漁では、初日の水揚げ量がおよそ40トンと、去年に比べ44倍に。ゴールデンウィークには、豊漁を聞きつけた人が全国各地から由比に集まり、漁協の直営店「浜のかきあげや」では遊園地のアトラクションも顔負けの250分待ちになることも。
藤枝市から来た親子
母「着いて(整理番号が)51番でした。何時ですかって聞いたら「1時間くらいです」と言うから、じゃあ、10時50分くらいですねって。今見たら、ディズニーですか? みたいな」
今年の春漁は…
ゴールデンウィーク後も漁の好調が続きましたが、台風の影響で海が荒れたことや、卵を持った「頭黒」と呼ばれるサクラエビが増え、資源保護のため一時休漁となったことも。それでもここ数年の自主規制が実を結び、漁獲量は合計308.8トンと、去年のおよそ1.5倍となりました。
漁協側は今年の春漁について…。
静岡県桜えび漁業組合 實石正則組合長:「自分たちも初めて体験するようなことばかりで、初日からああいう魚体の大きい身のいっぱい入ったエビが取れたのも初めて。本来なら春漁の終い頃に頭の黒い卵を持っているエビが増えてくるが、途中で卵を持ったエビがあれだけ増えたっていうのも見たことない」
異例づくしだったという今年の春漁。秋漁のサクラエビはどうなるのでしょうか。
静岡県桜えび漁業組合 實石正則組合長:「度合いがどれだけかわからないが、資源回復は着実にしているのかなと思う。産卵が思いがけなく早く始まっているので、秋には形の良いエビが取れるのかなと期待はしているが、やはりそれは、県ならびに関係各所と話をして、検討して、この春はどういうことだったのか、僕らも体験がないことなので、それはしっかり精査してこの秋漁につなげていけばいいなと思っている」
復調の兆しを見せ始めた駿河湾の宝石。例年では秋漁は10月下旬から12月下旬までとなっていて、関係者だけでなく消費者からもその動向が注目されています。
(6月12日放送)