フードデリバリー戦国時代…去年の「ウーバーイーツ」に続き2社が静岡県内参入 その戦略は…「早い」「差別化」

 去年6月に静岡に上陸した、フードデリバリーの黒船「ウーバーイーツ」。3月には沼津市と磐田市でもサービスが開始され、利用エリアが拡大しています。そんな中、県内に新たに2つのフードデリバリー事業者が参入しました。まさに今、県内はフードデリバリー戦国時代。そこには差別化を図るそれぞれの企業の戦略がありました。

画像1: フードデリバリー戦国時代…去年の「ウーバーイーツ」に続き2社が静岡県内参入 その戦略は…「早い」「差別化」

宮崎玲衣アナウンサー:「静岡駅から徒歩1分と、静岡市の中心の場所に来ています。こちらのオフィス、フードデリバリーの会社なんです」

 まずは、ピンクのパンダが目印、ドイツからやってきた「フードパンダ」。2月に浜松市で、3月からは静岡市でもサービスを開始しました。

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foodpanda 室田彩シティマネージャー:「地元に密着した企業として、展開している各都市にこういった拠点を設けているのが一つの強み。営業は地元の方々を採用していて、加盟店舗に安心感を与えられているのでは」

 オフィスの一角には、配達員専用の休憩スペースを完備。お茶やコーヒーを無料で飲むことができ、取材したこの日も配達員の姿が。

配達員:「ライダー(配達員)同士で情報交換をしたりしている」
配達員:「何か問題があった時や不安なこととかを相談しに来られるので、すごく安心できる」

目標は25分以内の配達

そして、「フードパンダ」の最大の強みが… foodpanda 室田彩シティマネージャー:「現代人にとって時間はすごく大切なので、私たちの特徴としてお届けは平均25分を目指してやっている」

 と、いうことで…。

画像: 目標は25分以内の配達

宮崎アナ 「いろいろありますね~。サラダとかハヤシライス…。がっつり食べたいからハンバーガーにしよう。買い物かごに追加! ではこれでどのくらいで届くのか測ってみたいと思います。せーの、はい!(ストップウォッチを押す)」

 果たして、25分以内に商品は届くのでしょうか?

画像: (右)宮崎アナ

(右)宮崎アナ

 宮崎アナウンサーが注文したお店は、新静岡駅の近くにあるカフェ。配達先の静岡朝日テレビまでの距離は1キロ余りですが…。  
宮崎アナ
「あ!来ました、来ました。ピンク色のかばん。あっという間ですね~到着! 早いです。12分5秒です」

 目標時間の25分を大幅に下回る12分で到着。注文したのは、ビーフ100%のパテが人気の「チーズバーガー」。

短時間で配達できるヒミツは…

画像: 短時間で配達できるヒミツは…

 配達時間が短いことは、利用者にとって大きなメリットです。

利用者:「20分くらいで届いた。早いと思う。仕事の関係や休憩時間でこの時間からこの時間の間に届いてほしいとか、いろいろ時間調整してくれるからうれしいです」

 スピード配達の理由。それが…。

foodpanda 室田彩シティマネージャー:「配達員のシフト制度ですね。AIを活用しながらデータを蓄積して、その日のオーダーに対して何人配達員が必要なのか予測して、毎日配達員が不足する事態は起きない仕組みになっている」

 フードデリバリーの配達員は「空いた時間に働く」スタイルが主流。一見、配達員にとってメリットが少なく見えるシフト制ですが… 配達員:「ほかの配達員と時間がかぶりにくくなって、注文がたくさん自分で受けられるのが、メリット」

 配達員の給料は受注した注文に応じた歩合制のため、給料アップに直結するのです。

日本生まれの「menu(メニュー)」

画像: 日本生まれの「menu(メニュー)」

林輝彦アナウンサー:「静岡に参入したフードデリバリーサービスの「menu(メニュー)」。見てください、うなぎの刺身といったぜいたくなものまで自宅で楽しめますよ」

 浜松市と静岡市でサービスを開始したのが「メニュー」。フードデリバリー業界では珍しい、日本生まれの企業です。

「高級店」「行列店」…加盟店は個人経営の店中心

画像1: 「高級店」「行列店」…加盟店は個人経営の店中心

 利用に必要なのは、住所と電話番号のみ。名前やメールアドレスを登録しないで済む、手軽さも魅力の一つです。  もっとも、「メニュー」の最大の売りはそこではなく…

「menu(メニュー)」コミュニケーション本部 山敷 真部長:「多い地域だと7~8割が街の個人経営の店で、残り2割がチェーン店。他社に入っていないようなちょっとした高級店や街の行列店、ミシュランの星をとったようなレストランも加盟している」

画像2: 「高級店」「行列店」…加盟店は個人経営の店中心

 実際に「メニュー」を利用する店が県内でも増えているといいます。そのうちの一つが、浜松市の魚料理専門店「魚魚一(とといち)」です。

画像: うなぎの刺身

うなぎの刺身

魚魚一 仲村健太郎代表:「他の媒体と違って、個人店の出店が多いので差別化できるのが第一にあった。個人店が打って出られるような環境があるということで、『メニュー』がいいかなと思って出店した」  

 店の看板商品である「うなぎの刺身」も注文が可能。ぜいたくな一品を自宅で味わうことができるのです。

魚魚一 仲村健太郎代表:「お店に来ないと食べられなかったものを広く皆様に召し上がっていただきたいというのが第一の願いで、デリバリー・テイクアウトを始めた」 気になるそのお味は…。

画像: うなぎの刺身が林アナの元へ(静岡朝日テレビ浜松支社)

うなぎの刺身が林アナの元へ(静岡朝日テレビ浜松支社)

林アナ 「私、うなぎの刺身初めて食べるので、すごく楽しみです。おいしい! すごく身が引き締まっていて、脂の旨味が口全体に広がります。ぜいたくですね、これが自宅で食べられるってなかなかできないですよ」

来店客(1年ぶりに外食):「今のご時世、こうやってなかなか店に来るのも難しいので、そういう意味では家で手軽にぜいたくなものが食べられるのもすごくありがたい」

来店客(1年ぶりに外食):「お祝いごとで家族集まってとか、そういう時に頼んでみたい」

 コロナ禍を追い風に、県内でも競争が激化しているフードデリバリーサービス。それぞれの企業が差別化を図ろうと、工夫を凝らしています。

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