義足の子どもたちに走る喜びを 講師はパラリンピック選手 静岡市
競技用の義足にはカーボン製の板バネが取り付けられていて日常用と比べて、走りやすくなっています。走る喜びは、大人も同じです。
男性(24):「無我夢中で、結構風を浴びるのは楽しい」
静岡市にある「このはなアリーナ」で開かれた講習会。陸上でオリンピックやパラリンピックに出場した豪華メンバーが講師を務めました。
参加者は7歳から55歳までの10人。ほぼ全員が日常用の義足をつけています。
走る楽しみを知ってもらう、この企画。参加者は競技用の義足のつけ方や、バランスのとり方を教わります。
スミスアナ:どんなことを考えながら走っている?
男の子(10):「ここいく~みたいな感じ!」
男の子の父親:「楽しそうに走ってくれるので、なかなかこういう機会がないので。ありがたいですね」
8歳の時に病気で右足切断
山本篤選手が熱心に声をかけている男の子がいました。静岡県下田市の高木翔梧くん、10歳。8歳の時、骨肉腫という骨の病気で右足を切断しました。
山本選手が翔梧くんに熱心に指導しています。
「いち、に、いち、に!そうそう!」
山本選手:「そうそうそう!うまい」
翔梧くんが競技用義足を付けるのは初めて。山本選手のアドバイスを受けながら、一歩一歩足を前に進めます。
高木翔梧くん:「うんと、疲れたけど、走りやすかった」
スミス:きょうはたくさん選手とお話してたけど、どんなお話をしたの?
翔梧くん:「どうやったら、うまく走れるかとか」
スミス:これからも走ってみたい?
翔梧くん:うん
夢は救命救急士
スポーツが大好きで、将来は救命救急士になりたいと話す翔梧くん。メダリストから直接指導を受け、新たな楽しみや可能性に胸を膨らませていました。
山本選手:「やっぱり走っている姿を見ていると、僕が一番最初に走れたときを思い出すし、すごく楽しそうだなと思いました。やはり、こういう取り組みは必要だと思うし、ブレードランニングクリニックがあるというのは大切なんだということは感じた」
走ること、挑戦することをあきらめない。参加者たちは力強い一歩を踏み出していました。
日常の義足と違い競技用義足は保険適用外です。中には100万円以上する義足もあります。普及には費用の負担をいかにするかが課題です。