世界の目が静岡に…『ビル泊』って知ってますか? 空きテナント問題も解決…空きビルがホテルに 静岡市
ビル泊 望月真さん:「(水際対策が)緩和されて、すぐ予約サイトから海外のお客様の予約が入って来たのは実感している」
ビルの老朽化による“空きテナント問題”を逆転の発想で有効活用。その最前線を取材しました!
静岡市中心街5つのビルに8部屋
橋本ありすアナ:「JR静岡駅から地下街を歩いて来ました、地下街の突き当たりにホテルのフロントがあるんですね、ビル泊行ってみましょう、こんにちは、よろしくお願いします、泊まりに参りました」
ビル泊の始まりは2020年3月。新型コロナが国内でもまん延し始めた時でした。人口減少や人流の変化によって静岡市内に点在していた“空きビル”。商業都市:静岡の“地域課題”をホテルという形で生まれ変わらせました。現在は中心街の5つのビルにあわせて8つの部屋があります。部屋がそれぞれ別の場所にあることから、受付は1カ所に統一されています。
道路を渡って部屋まで移動
橋本アナ:「部屋は別の建物にあるので移動したいと思います。」
大きな荷物はホテルスタッフが運んでくれます。
橋本アナ:「私の荷物が横断歩道を渡っています」
スタッフ:「今回のご宿泊するお部屋は入り口はこちらとなります。」
橋本アナ:「ここですか、待って、待って、完全にビルですよね。」
エレベーターで4階へ
スタッフ「どうぞ」
橋本アナ「入ります。うわー、素敵。めちゃくちゃスタイリッシュで、カッコいいお部屋ですね」
こちらのコスモスビル402はJR静岡駅から一番近くに位置する部屋。ウッドデッキもあります。最大4人が宿泊可能という、広々とした部屋です。お値段は1泊およそ4万5千円から(平日・食事なし)。
ビル泊 望月真さん:「(商店街は)年々シャッターが増えてきたりとか、2階、3階の物件が決まらなくなってきたりという課題を目の当たりにして、外からのお客さんを呼び込めないかということでスタートしたのがビル泊」
Q.内装のこだわりは?
A.「元々使っている物件が物販店だったり、飲食店を対象にした物件なので、広さがめちゃくちゃ広い。かつビル感を残したいので、天井であったり、壁であったりとかを、あえて施工せずにそのままを見せている」
“地域課題”だった空きビル。このビル泊は、同じ課題を抱える県内外の自治体からも注目を集めているといいます。
ビル泊 望月真さん:「この事業モデルは今までないモデルになるので、県内の他の行政だったり、県外から視察という形でたくさん来ている」
外国人にも人気
そんなビル泊ですが、今年に入ってある変化が出てきました。
ビル泊 望月真さん:「コロナと同時にスタートした事業で非常に苦戦したが、最近(外国人入国が)規制緩和されて、インバウンドの客が非常に多く来るようになった。アメリカ、ヨーロッパ、中国、韓国といった近隣からもたくさん来てもらっているので、今後もっと日本人だけじゃなく海外の方にももっと知ってもらって、たくさん来てもらいたい」
去年秋からの水際対策緩和に加え、県内でも今年に入って静岡空港での国際線定期便が再開するなど復調の兆しを見せているインバウンド。一風変わったビル泊は、外国人宿泊客にもウケているそうです。
ホテルの部屋では日本茶が飲めたり、プラモデルのまち・静岡を実感できるオブジェが室内に飾られるなど外国人受けを意識した部屋になっています。
Q.一歩出たら商店街というのは?
A.「中々無い景色、体験だと思う、海外に旅行に行ってその街を体験するためには、こういった立地で街に溶け込む、静岡のこの街を体験する意味では非常に立地としてもいいなと思っている」
4月は韓国やタイ、オーストラリアなど8組の海外からの予約が入っているといいます。
また、静岡空港の国際線定期便の再開に期待を寄せているそうです。
ビル泊 望月真さん:
Q.ソウル定期便の再開の期待は?
A.「非常に期待をしている。韓国の客は非常に身近。会社には韓国人スタッフもいるので、我々スタッフも身近に感じている部分もある。この定期便の再開は我々としては非常に後押しになると期待している」
“空きビル”という地域課題を世界から注目される“ホテル”に。静岡の「ビル泊」がインバウンドの起爆剤になるかもしれません。