7カ月ぶり通行止め解除…島田市と川根本町結ぶ国道 寸又峡温泉に観光客が戻ってきたが…
通行再開となったのは、島田市金谷と川根本町とを結ぶ国道473号です。道路が崩落した部分に仮設の橋が架かったことから、午前10時に全面通行止めが解除されたのです。
去年9月の台風で国道寸断
伊地健治アナウンサー(去年9月):「島田市の福用、大井川の上流部分に来ています。土砂が下に流れ下って、川沿いを走っている国道を完全に寸断してしまっています。さらに国道の一部も決壊して壊れています」
地元では安堵の声
台風からおよそ7カ月ぶりの通行再開。安堵の声が聞かれました。
通行者:「随分長いこと待ちまして、工事関係者の方もご苦労されたと思いますけど、ほっとしています。早く完全な形で完成されることを大井川流域の皆さん期待していますので」
通行者:「第二東名あって、インターあって、こっちが通れるので、だいぶいいんじゃないですか。観光面でも、潤って」
1年かけて「完全復旧」目指す
通行止めは解除となったものの、片側交互通行区間がおよそ200mあるため、今後はのり面の下に擁壁を立ち上げ、盛り土をしながら、2車線の復旧改良工事を行うということです。
静岡県島田土木事務所 鈴木康弘課長:「現場は見ての通り非常に急峻な地形となっております。高所での作業となります。また下には大井川鉄道が通行しており、通行にも配慮した施工になりますので、安全かつ慎重に工事を進めることとなります。(完全復旧は)おおむね 1年程度と見込んでおりますが、一日も早い(全面)開通に向けて復旧に努めていきたいと考えている」
寸又峡温泉…目玉は「夢のつり橋」
新東名の島田金谷インターチェンジから北におよそ50km先にある寸又峡温泉。目玉は何といっても 高さ8m、長さ90mとスリル満点の「夢のつり橋」です。エメラルドグリーンに輝く美しい湖面が観光客の目を引く観光スポット。通行止め最終日だった19日も県内外から観光客が訪れていました。
長野県から来た観光客:「長野県も渓谷は多い。でもこれだけ奇麗なのは本当にびっくり。来てよかったなと思っています」
「大井川鉄道利用の客20%戻っていない」
全面通行止めの解除によって、迂回する必要がなくなるため、観光協会は期待を寄せています。
川根本町まちづくり観光協会事務局長 土屋和明さん:「特にいま、大井川鉄道が(家山駅から千頭駅は運休中)止まっている状況になりますと、お客様は車で来る方がほとんど。これからさらに利便性があがるのかなと感じています」
ただ、寸又峡温泉へのもう一つのアクセス手段となる大井川鉄道は、去年9月の台風15号で線路が土砂崩れの被害に遭い、家山駅から千頭駅間の運休が続いているため、温泉旅館からはこんな声が…。
翠紅苑 望月孝之会長:「(運休前までは全体の)3割のお客さんが、大井川鉄道を利用してきていた。そのうち10%ぐらい(のお客さんは)戻ってきた感じがする。まだ20%はまったく戻っていない。家山から千頭間が開通しない限り、昔のにぎわいは戻らないと考えています」